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RIPPLE〔詩〕

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2018年1月の記事一覧

四行詩 7.

四行詩 7.

  喜びが長く続かないように悲しみも過ぎてゆく

  もしあなたがかつての喜びを手放せず

  悲しみを抱き続けるとしたら

  それこそが地脈を捜しあてる道しるべだ
#詩 #短詩 #四行詩 #ポエム #エッセイ

四行詩 6.

四行詩 6.

  知らず知らずに積もっていた清々しさが

  出番だ、とばかりに心を洗いにやって来る

     時は ひとすじに進まない

     朝は わたしの内側にある
#詩 #短詩 #四行詩

四行詩 5.

四行詩 5.

   雲を見上げるときはいつも一人だ
   僕の孤独よりもずっと雲は孤独だ
   浮かんでは消える想いには雲が似合う
   そんな 好き だから君に託そう
#詩 #短詩 #四行詩

四行詩 4.

四行詩 4.

  高揚し 乾きはじめたこころに
  曇天からいつくしみの水が降る
  空は じっと黙っている
  溢れ過ぎた言葉を絡め取って まだ平然とある
#詩 #短詩 #四行詩

四行詩 3.

四行詩 3.

花たちは話し合っている、根を通じて、土を通じて、そこかしこで水を交換しながら。
次はどんな色と形で咲こうか、お隣さんとかぶらないように、なんて。
そうしておのおの目立とうと、夜な夜な目論んでいるのを、けっして悲しむことはない。
花が咲くのは、うつむいて歩くあの人を立ち止まらせるため、おどろきとゆたかさのため。
#詩 #短詩 #四行詩

四行詩 2.

四行詩 2.

   与えたい、能わない、日々に嘆く少女の
   その手をとって、星屑拾いに草原に出よう
   「集めていい夜だってあるんだよ」
   ほら、その笑顔で1つ可愛くなった
#詩 #短詩 #四行詩

四行詩 1.

四行詩 1.

   少年がデネブを見据えるとき
    青年はオリオンをながめた
     老人は宇宙をかんじて
  うなだれた母がシチューをいちど掻き回した
#詩 #短詩 #四行詩