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エルピス 8話 感想 考察

2年前の事件 中村優香(増井湖々)の黒のストールと、
12年前の松本死刑囚(片岡正二郎)が犯人とされた少女のスカートと、DNAが一致した。



黒のストールは本城建託の社長の長男、彰(永山瑛太)が中村優香にあげたものなので、
DNAは本城彰のものだろう。
つまり松本死刑囚は2年前は獄中だったので、冤罪が確定。

という流れですね。
岸本拓朗(眞栄田郷敦)の大活躍によるお手柄です。

被害者少女たちと交流した男は本城彰で決まりですが、
殺したのは別の男の可能性もありますね。

私は7話の感想 で大洋テレビ報道部記者の滝川雄大(三浦貴大)が真犯人と予想しました。


滝川雄大の雄と、黒幕らしい大門雄二副総理(山路和弘)の雄の字が同じで、名字は違うけど息子じゃないかと思いました。


少女たちと交流して付着したDNAはモテ男の彰(瑛太)のものですが、
殺した真犯人は別にいる可能性もあります。

彰にロリコン負けして? コンプレックスとか憎しみを持つ男が滝川(三浦貴大)で、
彰が親しくなった少女を性癖もあり殺しているのかもしれません。

殺すだけならDNAをつけないのは可能なので。

このドラマは冤罪がテーマなので、真犯人当てにひねりを入れると本題がぼやけるので、普通に彰(瑛太)が真犯人だろうという考えも理解できるし、そうなのかもしれません。

でも冤罪は仕組まれたものでなければ、
人の思い込みがつくるものなので、
ドラマの流れや主人公の意見に同調し、
彰(瑛太)が真犯人で決まり!という多くの人の強い意識はちょっと危険かもしれません。

思い込みや誘導に警鐘を鳴らす意味で、
真犯人にひねりを入れてくる可能性もあるでしょう。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

彰が真犯人でも、彰にコンプレックスを抱く男が真犯人でも、
中村優香は友達のオタク少女の高岡ひかる(堰沢結愛)が好きになっためっちゃ大人の彰(瑛太)をとっちゃったから被害者に選ばれました。

↓ オタク少女ひかる

↓被害者の中村優香

ひかる「(彰は)小説とか詳しくていろんな話してくれて。優香に話したら一人でその人の店に見に行ったらしくて。オヤジとかマジ無いよとか言ってたくせに。しばらくしたら黒いストールしてきて、その人に貰ったって嬉しそうに。二度と家来んなって」

それっきりひかるは優香と疎遠になり、優香は殺されました。

本城彰は元々ひかると親しくしていたんですね。

ひかるはメガネっ娘だけど、とても可愛い女の子です。

優香は黒のストールを貰ったと言うけど、「風邪ひいちゃって帰り道 寒いからちょっと貸して」とでも言えば
特に深い意味なくストールをよこすだろうし、
彰がひかるより優香を好きになったかどうかはわかりません。

優香は彰のことを好きになったのかもしれないし、ひかるに自慢したい気持ちがあったのかもしれません。

ひかるはオタク少女でオタクグッズが部屋に山ほど飾られていたので、割と裕福な少女です。


一方で優香は若いシングルマザーと幼い兄弟がいて、デリヘルのバイトをしていました。

バイト代は家に入れたかもしれないけど、自分でも使ったと思います。

ひかると優香のスマホの写真で、タピオカ飲んだり、二人で浴衣着てお祭りに行ったり。
友達付き合いの交際費はかかったでしょう。

浅川恵那ほど稼いでいるアナウンサーでも岸本のことをお金持ちのお坊っちゃまにはわからないと言ったり格差を感じているので、
優香はひかるに経済的なコンプレックスを感じていたと思います。

私の方がモテて、ひかるの好きな男の人に選ばれたのよ?と自慢する気持ちもあって黒いストールを見せに行った気持ちもあると思います。

小さな意地悪ですね。

ひかるは優香と絶縁しました。

そこが運命の分かれ道。

それっきりひかるは引きこもって彰に会いに行かなかったでしょう。

彰と交流する少女は優香一人となり、

優香は殺人のターゲットとなったのです。

小さな意地悪の不始末を最悪な不運として受ける結果になりました。

一方で、好きな人をとられた!と怒りと失恋の悔しさに打ちのめされたひかるは災難を免れたのです。

岸本に付き添ってもらい、優香に泣いて手を合わせることができて、つっかえていた心の棘が抜けていました。



♥️✨♥️✨♥️

岸本拓朗(眞栄田郷敦)が大活躍。

ついに真実をつかんだのに、敵だらけになってつぶされた彼の絶望に感情移入しました。



「女がわかりません。助けてください」

なーんて可愛いラインを送ったりするほど浅川恵那(長澤まさみ)を姉みたいに?親しみを感じていたのに、ニュース8のメインキャスターというステイタスを得た浅川は、岸本の軽口を多忙の中で受け流し、壁をつくってきます。

✨✨♥️✨♥️✨♥️

7話で平川警部補(安井順平)がハ飛署の隠蔽をリークし、50万円で中村優香のスマホデータを岸本に渡しています。

岸本は平川刑事を呼び出し、優香さんのスマホデータから本城彰のデータを抜いただろうと言い、先日のリーク会話の録音と交換でデータをくれるよう交渉します。

平川刑事はくっ!と悔しげに吠えるのです。

平川「元データと交換という条件で送ります。
もし裏切った場合はそれ相応の手を打つんで」
と言い捨て、去ります。

その夜、平川刑事から優香のスマホデータが岸本に送られます。

そこには本城彰が優香にあげた黒いストールを巻いた写真がありました。

さて。

平川刑事はどういうつもりの人なのか?

7話の感想 考察で書いた人物像はだいたい合っていると思います。↓

平川警部補は毒のまわった頭で走り続ける(冤罪を隠蔽している)八飛署の中にいて、
うんざりしていた。

すると岸本たちが冤罪を晴らそうとして、当時の証言まで崩してしまった。
ニュース8でも取り上げられ、流れが変わってきた。
しかし検察は粘っているので、どっちに転ぶかわからない。

そこで平川警部補は勝負に出た。

岸本から取材費と言い訳できる50万円を貰って、
冤罪事実をリークし、2年前の中村優香のスマホデータを渡し、調べるようアドバイスした。

本城彰の画像を抜いていたのは、岸本も言っていたけど、さすがにそこまではリスクを負えないからだ。

けれど岸本の取材力なら、データを抜いた本城彰にたどり着くことは承知の上だった。
というか、それを期待してリークした。

でも自分が画像を渡して、それがスクープの証拠の要になるのは勘弁なのだ。

あくまでも岸本の取材力で突き止めて報道して欲しい。

岸本はそれをわかっているんだから、平川警部補の気持ちをくんで、オタク少女ひかるの証言&優香から貰った彰の隠し撮り写真だけで、
ネタを詰めていくこともできた。

でも死刑がいつ執行されるかわからず時間が無い。

岸本は手っ取り早くネタを詰めるため、本当は録音なんかしてないのに録音したと嘘を言って、
平川警部補が隠したデータを要求したのだ。

録音があると言われて脅された時、平川警部補はくっ!と腹の底から怒りを放った。

平川「(録音の)元データと交換という条件で送ります。もし裏切った場合はそれ相応の手を打つんで。」

そこから先は容易に想像できますね。

岸本が録音したのは嘘だから(録音くらいしとけって感じたが。)、
優香のスマホデータを送ってきた平川警部補に
録音の元データとやらを渡すことはできない。

きっと岸本のことだから、本当は録音なんてしてなかったと一生懸命に伝えて謝ったでしょう。

平川警部補にしてみれば若造に騙された悔しさと、実は証拠の録音が無いのであれば、
「裏切った場合はそれ相応の手を打つ」という宣言通り、岸本を追い込むことで始末をつけられるというわけです。

テレビ局も岸本を厄介払いできるチャンスなので、解雇したのでしょう。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

岸本がスクープした週刊誌が発売される直前、
浅川恵那が読んだニュース報道は、

中村優香がデリヘルをしていて、その元締めの男を未成年売春斡旋で逮捕したということ。

日本人は特にモラルに厳しく感情に流されやすいので、
被害者がデリヘルをしていたってことは、被害者の環境にも落ち度があり、だから事件に巻き込まれたんだと思ってしまう人が多いでしょう。

みんな理由が欲しいんですね。

理由もないのに少女が殺されたとなれば、自分の娘も危険かもしれず不安だけど、デリヘルのバイトをしていた特別な少女となれば、
自分の世界とは無関係と安心して事件に興味を持てるのです。

現実でも話題にされたら困ることを隠すため、わざと芸能スクープなど目を引くネタを幾つか手元に置いていて、その爆弾記事を絶妙なタイミングで投入し、世間の関心をそれに集め、本当に隠したいことはうやむやにする作戦があるそうです。

権力者とマスコミの癒着ですね。

大門副総理は元警察庁長官で、その命令で動いた警察としてはなんとしても冤罪や事件の隠蔽を隠したいため、
デリヘルの元締めをこのタイミングで逮捕し、
被害者をデリヘル少女とレッテルを貼るニュースを報道させることで、事件を矮小化し、ごまかそうとしているのです。

このタイミングで岸本のスクープ記事は出せなくなりました。

土砂降りの中、花火を打ち上げるようなもの。

最悪なタイミングで無駄打ちになります。

そして巧妙なのは、被害者の会の分断です。


デリヘル疑惑をかけられたくない12年前の被害者遺族は完全に腰が引けて、記者会見を中止しました。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

浅川恵那が8話では保身に走っているように見え、主役としては岸本の方に感情移入しました。

でも浅川も頑張ってるシーンがありました。

浅川「なんで決まってる原稿を差し替えるんですか?  圧力ですよね?  忖度を強要されてるってことてしょ?」

報道部の人「あくまでも配慮です。」

♥️✨♥️✨💟


番組をつぶしたくないから無謀なことはできないと言う浅川。

フライデーボンボンでは勝手に映像を差し替えるという無謀なことをしましたが?

フライデーボンボンならつぶしても良いけど、
ニュース8はつぶせないってことですよね。

でも保身に走る浅川の言い分にも理解できるのが現実です。
 
岸本はお金持ちのお坊っちゃまだから。
自分とは違う。 

確かに岸本は干されても実家に頼れば食べていけるし、資金の援助をしてもらえば新たな仕事もできるでしょう。
お金持ちのお坊っちゃまだから、簡単にはつぶされない。
 本城建託のようなグレーな会社の息子が守られるのと、正義側のお坊っちゃまの岸本とは表裏一体なのです。

なんにも後ろ盾のない一般人はつぶされるのが怖いし、浅川恵那のようにやっと登りつめた人は、道を踏み外した瞬間に転落して全てを失うのが怖いのでしょう。

一方で子会社に飛ばされてもはや失うものはなんにも無くなり、もう一花咲かせようと頑張りそうな村井(岡部たかし)に期待します。

いろんな立場と感情でもがく登場人物たちが描かれ、エルピスはめちゃくちゃ面白いです。

♥️✨♥️✨♥️

ところで元警察庁長官の大門副総理は、
支援者の本城建託の息子をかばう為に、バレたら命取りとなる隠蔽や冤罪を指示するでしょうか?

自分の息子が真犯人ならやるでしょうが。

✨♥️✨

みんなが大好き💟切れ者だけどコミカルなドジっ子おばさん

首都新聞の政治部記者の笹岡まゆみ(池津祥子)が本城建託のことをこう言いました。↓

大門副総理の最大な後ろ盾

グレーな会社

大門副総理と極秘の関係


笹岡まゆみが知っているので極秘と言っても、その界隈では公然の秘密なのでしょう。

グレーってことはヤバいこともしている会社で、大門副総理は癒着を隠している。
いざとなったら無関係と言うつもりでしょう。

そこの息子を生命を賭けて守るでしょうか?

本城建託に弱みを握られて、それを種に脅されて頼まれたのかもしれませんが。

だとしたら、彰がせっかく海外に行った時、誰かを雇って殺しちゃうんじゃないでしょうか?

ああいう犯罪は繰り返す傾向なので、目の届かない海外で泳がすのも危険ですよね。
 
だからやっぱり滝川(三浦貴大)が息子で真犯人の可能性もあるんじゃないかと思います。


三浦貴大さん
本当は格好良いのに役作りで?  少し太られましたよね?
モテ男(永山瑛太)の逆に見えるようにしたのかも。

♥️✨✨♥️✨♥️✨

平川警部補を脅したという理由で解雇通知を受けた岸本。
 
モノローグ

岸本「誰かの策略だとしたら、見事な手際だった。誰だろう?と考えてみたけど、そいつの顔は定まらず」

平川警部補、斎藤(鈴木亮平)、滝川(三浦貴大)の顔が浮かぶ。

岸本「いつの間にか僕はびっくりするほど敵を増やしていた。もはや誰の(策略)であっても納得できた。
それほど孤立していたのに全然寂しくも怖くもなかったのは、心底信じていられたからだった。
どんなに世界が不可解でも他人のことがわからなくても、浅川さんという人は簡単に思えた。
その簡単さに僕はずっと救われてきたのだと、そうじゃなくなってからやっと気づいた。」


岸本は泣きながらエスカレーターから転落するが、フードをかぶって目に強い光が宿って、
また歩き出した。



岸本の母は簡単じゃなかった。

明るく笑って簡単に見せていたけど、権力に媚びへつらって生きていて、その複雑さを巧妙に隠していたのだ。

家を出た時、一時住まわせてくれて食事もつくってくれた浅川は、岸本には簡単に見えて救われ、
信じられた。

 浅川と言い合いして以来、連絡はなく、彼女の豹変したかのような複雑さに岸本は打ちのめされたのだった。

そして視聴者もまた浅川恵那に打ちのめされた。

このままじゃ終わらないと信じている。

✨♥️✨✨♥️✨



♥️✨♥️✨♥️✨♥️





読んでくださり、ありがとうございます😀

また次回も楽しみに見て感想を書きたいと思います。