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短編小説

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2021年5月の記事一覧

セミが鳴かない夏

世界中でセミの鳴き声が聞こえなくなった。 その出来事はニュースで特集を組まれるほど、世界…

れもん
3年前
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そこは周りを白い壁で囲まれた何もない部屋だった。 天井も白色、床も白色。 周りは白色一色…

れもん
3年前
44

世界が滅びるとき

目の前には複数のモニターが設置されていて、外の世界が覗けるようになっていた。 そこにはこ…

れもん
3年前
29

言語崩壊

「空からは足音が生殖を繰り返し、少量の激戦区を彷彿とさせるでしょう」 テレビの中ではアナ…

れもん
3年前
27

虫のせい

「それは虫のせいだよ」 「虫?」 学校の宿題をするやる気が出ないんだよねーと話すと、香織…

れもん
3年前
22

シャボン玉

「シャボン玉って綺麗だよね。」 あたりにはシャボン玉が虹色の膜を帯びて、プカプカと浮かん…

れもん
3年前
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プロの嘘つき屋さん

彼の職業はプロの嘘つき屋だ。 この人を騙して欲しいという依頼を請け負っている。 例えば、ライバル会社の社長を騙して売り上げを落とさせたり、恨みがある相手を騙して不幸のどん底に貶めたり、はたまた好きな女性を騙して自分のことを好きにさせろとかそんな依頼もある。 だが、彼はどんな仕事も難なくやり遂げてきた。 彼の手にかかればどんな人も騙されてしまうのだ。 ある日こんな依頼が来た。 扉を開けて、訪ねてきたのはまだ小学生くらいの小さな男の子だった。 「ある人を騙して欲しい