名前を呼んでくれませんか。

今日見た夢の話。
僕のヒーローが、僕に名前を尋ねる夢だった。そう言えば彼女、僕のあだ名しか知らないんだったな。
ワークショップでネームシールに書いていたのは、女性名を隠し、男性というアイデンティティを守る砦でもある、性別を感じさせないニックネームだった。僕が男子であることを許してくれた彼女が僕の男性名を呼んでくれたら、どれだけ幸せだろう。
そう思うだけで、心が温かく震え、そして少しさみしくなった。

本当は、どこでも躊躇いなく男性名を名乗れたらいいと思う。男性名を名乗ろうと思ったシーンでも、その場で怖気ついて、ニックネームに逃げてしまうことがしばしばある。

担任の先生に名前の話をしたときのことを思い出す。女性名を呼ばれることも、書かされることも、耐え難かった。だから、名字だけで生活できるよう計らってもらった。本当は男性名が使いたい。しかしそのためには、さすがに多方面にカミングアウトが必要になる。だから今はまだ、いい。
そう思ったし、何より恥ずかしくて、男性名を明かさなかった。

ただし、女性名を使うことを避けられないシーンがある。卒業式だ。
僕は総代(!)なので、卒業証書を受け取る役割があると予想される。名前を呼ばれて、返事をして、というよくある流れをやることになる。
大嫌いなフルネームを、大好きな担任に呼ばれる。想像しただけできついものがある。名前を呼ぶ先生自身も苦しいに違いない。心の底から優しい人だから。叶うことなら男性名を呼ばれたい。卒業のときくらい自分らしく居たい。
そのためには、親と学校へのカミングアウトが不可欠だ。どちらも高い壁だけど、それが自分らしくいることを諦める理由にはならない。これは僕のヒーローの教えだ。

さて、これからどうしようか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?