ゔぃくたー

FtM 小耳症 天使になった18トリソミーの姉 日記もどきを書いている、生きづらそう…

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FtM 小耳症 天使になった18トリソミーの姉 日記もどきを書いている、生きづらそうなレモン。

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【DAY15】レモンというアイデンティティ。

レモンが好きであると、前回書いた。 あれから更に、レモンにある種の親近感を覚えるようになった。俺のアイデンティティを表す語としてレモンは秀逸である、という旨を書き留めておきたい。 英語の”lemon”という語には、スラングとして「欠陥品」や「困難」という意味があるそうだ。例えば、”He is a lemon.”と言えば、「彼はダメな奴だ」という程度の意味になる。美味しそうな見た目と酸っぱさのギャップがもたらす不快感がその所以らしい。 なるほど、俺は欠陥品だ。 右耳と左目と

    • 連続投稿を切らしたくない僕VS中身のない投稿をしたくない僕 前者の勝利

      • 姉ちゃん教。

        宗教って信じます? 僕は信じてない。でも、あえて言うなら姉ちゃん教かな。 姉ちゃんが神様だってんじゃない。 姉ちゃんに誇れる生き方をする。 辛いときは姉ちゃんに祈ったりもする。 僕の真ん中に、姉ちゃんがいる。 そういうあり方は、宗教にも似ているのかな?と思ったり。 短いけど、今日はここまで。

        • 身体ガチャ大失敗。

          よく考えれば、うちの姉さんも僕も、身体ガチャ大失敗過ぎる。 染色体が一個多いとかいう、とんでもない不良品を掴まされた姉さんと、聴覚・視覚がちょっとずつ欠けてる上に性別の2分の1さえうまくいかなかった僕。 いくらなんでも不運すぎるだろ。 しかもなんでそれが二人続くんだよ。 健常者の排出率、もっと高いはずじゃん、おかしいだろ。 でも終わってしまったガチャ結果に文句言ってもしょうがないからさ。 このでっかい不運は姉さんと俺で引き受けてやる。 運なんかに負けねぇから、俺。 実力で覆

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          前進の記録。

          昨晩、親とついにちゃんと話をした。 連絡するという約束通り、せんせいに”いってきます”とメッセージを送ってから、飲み物を用意して親をテーブルに誘導し、話し出すタイミングを待つ。 しかし、両親はなぜか延々とウォシュレットの話をしているのだった。 いやいいんだよウォシュレットのことは。 ウォシュレットの話をしようと思ってわざわざ炭酸水を作ったわけじゃないんだよこっちは。察しが悪いな。 心の中で突っ込むばかりで埒が明かず、もたもたするうちに母が飲み物を飲み終えて席を立ってしまって

          前進の記録。

          僕の不完全な脳みそ。

          実はてんかん持ちです。 脳みその、なんか視覚司るところが一部死んでいて、左側の視野が欠けているんですよ。時々そこがバグを起こしててんかん発作を起こします。 といっても、ここ5年以上発作は出ておらず、通院もしていない状況です。 父がドラマ「アンメット」を見ながら、主人公を僕の将来と重ねていました。自らも障害を負った医者。 僕にしか生み出せない価値、あるんでしょうかね。 まずは医学部に受からなくちゃその土俵にも立てないわけですが。 僕は欠陥品です。わりと。 野生に放り出された

          僕の不完全な脳みそ。

          お姉ちゃん、お兄ちゃん、弟、妹。

          最近なんだか流暢にものを言うようになってきた、お隣の2,3歳児。 今日、初めてその子に呼ばれた。「お姉ちゃん」と。 ショックだった。 当然だ、その子の上のきょうだいたちも、俺のことをお姉ちゃんと呼ぶから、それを聞いている子が急に「お兄ちゃん」などと言い出すわけがない。 それでも、悔しかった。 俺はどうしようもなく女だった。 姉さんのことを思うとき、語るとき、「弟」と「妹」が一緒に表せる言葉があればいいのに、と何度も思った。 俺は、姉さんの「  」だから。この空白は、僕が性別

          お姉ちゃん、お兄ちゃん、弟、妹。

          美しい人の、美しい涙には、癒しの作用があると思う。本当に。

          美しい人の、美しい涙には、癒しの作用があると思う。本当に。

          せんせい、いってきます。

          ゴールデンウィーク。 嬉しいばかりではない。僕はこの休みで、長年抱えてきた問題に遂に決着をつけなければならない。 家庭の中で姉の存在と向き合うことを、僕はずっと避けてきた。愛していると泣いた日も、共に生きると決めた日も、僕の家族はそんなことを知る由もなかった。 自分のまだ存在しない、家族の日々に触れるのが怖かった。親の傷に触れるのが怖かった。今も怖い。 しかし、胸を張って未来の話をするために、いい加減進まねばならない。 進路のことを考えるにあたって、どうせ話すことは避けら

          せんせい、いってきます。

          たかがサッカーのチーム分け。

          いい天気だった。クラス全員で外に出て、集合写真を撮った。 サッカーしたい、と一人が言った。 サッカーなんていつぶりだろう。二つ返事でその提案に乗った。 チーム分けどうしようか。 男女でいいんじゃない。 不公平じゃない? いいよ別に。 口を挟む間もなく、そんな会話があって、ゲームが始まった。 男子に混ざりたくてもどうしようもない僕は、迷わずグラウンドを出た。 「俺はどっちに行けばいいの?w」なんて、冗談でも言えなかった。 グラウンドの端、僕がいたところに飛んできたボールを

          たかがサッカーのチーム分け。

          今日の日記のテーマは別にあるけど、日付がもうすぐ変わりそうなので先んじて投稿しておく。 今から日記書きます。長くなりそう。

          今日の日記のテーマは別にあるけど、日付がもうすぐ変わりそうなので先んじて投稿しておく。 今から日記書きます。長くなりそう。

          ブルブル。

          肌寒い日だった。 しかし明日は夏日になる予報らしい。どうも体が追いつかない。 廊下が特に寒い。暖房がついておらず、窓は全開で、一気に体温を奪われる感じがする。 秋、冬、春。先生と大事な話をたくさんした。そのどれもが廊下の、椅子や机が置いてある空間で行われた。 変温動物かというくらい体温調節が苦手な僕は、いつもいつも、ずっとぶるぶるしてた。みんな平気そうなのに、一人だけ歯をガチガチ鳴らしていた。 寒さなのか緊張なのか、自分でも曖昧になっていた。 今日、寒々しい廊下から震えな

          感情が忙しい

          今日は卒業アルバムの個人写真撮影があった。 当然、正装が求められる。せんせいが貸し与えてくれたネクタイの出番だ。 撮影前の服装チェックを担当していたのは1年のときの担任で、現在は学年主任の、英語の先生だった。 青いネクタイをつけて先生の前に進み出る瞬間、世紀末かというほど緊張した。 だめだと言われることはないだろうが、どう思われるか…。 「Yes,and.大丈夫。僕は僕であることを怖がらない。」 合言葉のように自分に言い聞かせる。 結局先生は、表情ひとつ変えることなくスルー

          感情が忙しい

          ハンデも悩みも色々あるけど、人に恵まれプラマイプラ。

          ハンデも悩みも色々あるけど、人に恵まれプラマイプラ。

          せんせいが俺に貸してくれてる、青いネクタイは俺のお守り。 苦しくてしょうがない授業中、手にグッと巻き付けて耐えていることを、せんせいは知らない。 たかがネクタイ、されどネクタイ。 せんせい、大好き。

          せんせいが俺に貸してくれてる、青いネクタイは俺のお守り。 苦しくてしょうがない授業中、手にグッと巻き付けて耐えていることを、せんせいは知らない。 たかがネクタイ、されどネクタイ。 せんせい、大好き。

          無理してないよ

          今日はとにかく情緒の上下が酷かった。 授業をバックレてカウンセリングルームで休もうと思ったのに出来なかったのは、僕が臆病だから。 俺は「出来るやつ」でなくちゃいけなくて、精神的弱さを見せる強さがなかったから。 でも、いざ部活動体験に来た1年生らを前にすると、いつも通りヘラヘラ出来てしまう。無理をしているわけではない。それが元来の僕だから。 でも、ちょっと休みたい、と思ってしまった。 いつ踏みにじられるかわからないアイデンティティを張り詰めた心で守り続けるのが苦しい。 せんせ

          無理してないよ