見出し画像

気分と考えと行動と

体の一部が痛むという経験は非常にありふれた日常的な出来事ですが、そのこと自体は楽しい気分にはならず、どちらかというと心配したりイライラしてしまったりして、気分が雨の前の天気のように、曇ってくるほうにいきやすいのではないでしょうか。

そうすると、その状態を改善しようと原因をさがしたり考えたり、薬を飲むなどして対処行動をとったり、予定をキャンセルしてじっと安静にする事を選んだりすると思います。

このように、痛みの経験は考えや気分、行動と様々なところまで影響を及ぼすことがわかりますが、特に慢性疼痛の方ではうまく付き合いながらあまりストレスをためずに過ごせてる方もいれば、反対にものすごいストレスを抱えて考えや気分、行動の悪循環に陥っている方も少なからずおられると思います。
特に後者で慢性疼痛の悪循環に陥っている方ではどのようなパターンに陥りやすいでしょうか。

考え(この痛みのせいで人生が台無しだ)ー気分(最悪だ、なんでこうなるの、もう嫌だ)ー行動(出歩かない)

破局的思考といって極端に悲観的な考えがたくさん生じていたり、怒りや不安といったネガティブな気分も生じてきますね、そして過剰に痛みを回避するような行動、極端に行動しないという行動が生じてしまう事もしばしばあると思います。

例えば、膝の痛み一つとっても、足の動きを回避する行動から足の血行不良を招き、さらなる痛みを増やしてしまったり、動けないストレや怒りを家族にぶつけてしまい、そのこと自体のストレスで余計に痛みを増強させてしまったり、ネットで医療情報を探す行動は良いのですが多くの情報に余計に混乱してそれが不安につながったりと、痛みが考えや気分、行動を巻き込んでやっかいな状況に誰だって落ち込んでしまうリスクを持っています。

このような状況は当事者だけでなく、家族やまわりにも影響を及ぼしますから本人だけでなく、家族やケアに当たる医療や介護の専門の方にとっても無視できないことだったりします。

もちろんこれで良くなる、といった改善法がみつかればよいのですが慢性疼痛の場合それはなかなか難しく、まずは「敵(慢性疼痛)を良く知る」、「悪循環に気づく」「自分のストレスを知る」といったところが大切かなと思いますがいかがでしょうか。
もちろんこの場合、治療やケアにあたる方も、自分のストレスをよく知る必要がありますね。慢性疼痛を介して当事者も支援側も自分のこころのありようを見つめる事はとても大切なことだと感じます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
痛みや辛さを抱えた方たちにとってポジティブな状況が増える事を切に願っております。

もしサポートしていただけたら、とってもとっても励みになります