セルフケア 毛布にくるまる
患者さんとの話。
痛みを抱えていても、いったん家をでたり、職場にでると、勝手にからだが動いてしまうという。
「外に出る」とからだは内にいる時とかわるのだ。
そこから
なるべく痛みを抱えながらも「外へ出て」
運動機能を向上させましょうとなるのは
リハビリテーションとしては正しい。
だけれど
ケースにもよるが
外向きの自分に
無理してからだを過剰に適応させすぎてしま
うという考えもある。
たとえば私のケースでは
はじめての場所で人前で話したり、
緊張したり、あがりやすくなった時
自然に、人目のない、静かな
まずはトイレを探して
そこでいったん自分を落ち着かせたり
気持ちやからだを調整したりするときがある
いったん内向き(陽から陰へ)にして
自分を落ち着かせるのだ。
もっとつらいことがあったりすると
しばらく家から出ずに布団にくるまったりなんてよくあることだ。
ここでも陰と陽のバランスが大切だが、
適度に「退行」することは気持ちやからだにとってとても意味があると思う。
とくに感覚過敏で疲れやすい発達障害の方などはいわゆる定型発達の方とくらべると
外からの刺激との折り合いの工夫が色々と必要だろう。
このところ患者さんと伊藤絵美さんの著作「セルフケアの道具箱」をテキストに一緒にセルフケアを学んでいる。
自分を落ち着かせるワークの5番目
「大きな布やストール、毛布にくるまる」
というのがある。
有名なアカゲザルの子供を使ったハーローのアタッチメントの実験が思い浮かぶ
(ややマニアックだが、道教徒の修行に胎児に戻る瞑想があったりしてそれも連想する)
毛布や柔らかい布は外からの刺激をいったん
遮って、自分を守ってくれる母性とつながるツールなのかもしれない。
自分が守られていることを感じることは
とても大切なことだ。
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