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慢性疼痛と白黒思考

低気圧のせいか患者さんの関節痛の経過があまり良くない。
気分も沈みがちで治療家も一緒に落ち込んだりする。
「このままどんどん悪くなるんや」
「絶対もう治らへん」
そんな言葉が飛び出てくる。
まるで不吉な予言者のようだ。
そんな時は僕も「やはりだめか」とついつられて患者さんの魔法にかかってしまう事がよくある。どこかそんなMoodになってくるのだ。ここでMood、気分といったが、気分が痛みを修飾する事もある。
慢性疼痛の方が2次的に抑うつになり破局的思考をもつ事でさらなる痛みの悪循環に陥るモデルが確かあったと思うが、
ここで私はこの黒魔術(?)に対抗すべく脳内に関西風に味付けされたアーロン・ベック(認知療法の創始者)さんとソクラテス(ギリシャの哲学者)さんを召喚する。
私「えらい自信がありまんなーそれちょっと言い過ぎちゃう?(過度の一般化)ーほな絶対治れへんていう証拠をみせてみなはれ(反証)」
患者さん「せやけど・・・」
患者さんは理由を考えている。
そこからこちらもハッとするような先方の思い(込み)が色々わかってくる。その理由を一つずつを外に引っ張ってきてお灸の煙の漂う中、疼痛マネージメント会議がはじまる。
こちらもハッとさせられるような情報が色々でてきて膠着していた状況に少しずつ変化が生じてくる。停滞していた気鬱が解消されはじめるのだ。




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