見出し画像

#はじめてのZINE UOUSAO完成!!

こんにちは、leleです。

もう2ヶ月近く経ってしまいましたが・・・
8月に完成したデンマーク旅日記「UOUSAO」が完成するまでの経緯と、私が本をつくることに関して体験したり考えてきたことについてまとめようと思います!長くなりそう!

試作品ができるまでもいろいろありましたし、試作品のDENMARKをつくってから、完成版のUOUSAOなるまでも、いろいろあったのです・・・よければ聞いてってくださいね。お時間のない方は写真だけでも見ていってくださいね。

#はじめてのZINE  とはなんぞや?、leleとは何者?という方は、以前の記事を参照していただくと良いかと思います。


UOUSAOができるまで

2019年6月
デンマーク旅行。何かつくりたい・・と漠然としていたものが、「本をつくってみよう」に固まってくる。はじめて海外ひとり旅をしたデンマークを本にまとめようと決める。

2019年10月
仕事の合間に旅日記を書き進める。1週間に1記事書ければ早い方だったのかな。1日目の内容を書ききるのに記事3つとかかかってしまい、書き終える自信がなくて、ひたすら下書きに溜めていく。全部書き終わってから公開したのだが、人によっては、公開するごとにコメントや反応をもらってモチベーションを保つのだなあと知る。

2020年3月
前職を退職して、少しずつ手製本に関する情報を集める。上製本を作りたかったので、表紙の作り方はSS-BOOKBINDINGさんの文庫本リメイク教室を見学した際に学ぶ。背表紙のある本を作りたかったので、自宅で厚めの本文を綴じるには・・といろいろ調べた結果、アジロ綴じを採用することに。

2020年4月中旬
#はじめてのZINE  として作業工程をツイッターで公開し、試作品のDENMARKができあがり公開。結構な反応があり嬉しくなる。来月には完成版を作るぞ〜〜と意気込んでいたが、全く思うように行かない。そもそも1ヶ月で200ページの編集をして製本した、このときの自分は異常とすら言える。

2020年5月
装丁を考え直さなきゃいけないけど全然思いつく気配がなく、(DENMARKの装丁がシンプルイズベストすぎた、つらい)だんだん疲れてきて、家の片付けに手を出す。20年溜まっていたものたちの大片付け。めちゃめちゃ時間かかったけどやって良かった。

2020年6月〜7月
装丁はなかなか決まらないまま、とりあえず編集しなおしたり、プリンター買ったり紙買ったり。7月の後半に友人のアドバイスもあり、いよいよ装丁を決めて、製本していたけど、グルーガンや屋根の作り方が難しく、まるまる2冊失敗。印刷、裁断、本文綴じ、表紙作り、製本と全工程をすると、1週間で1冊しか作れなかった。

2020年8月
7月中にギリ間に合わず、8月1日に完成版UOUSAO公開!前回の装丁との比較が自分でも怖かったけど、いろんな人が良い!と言ってくれて嬉しかった〜。どれだけ大変な思いをしても、自分が作りたいものを作りきった!うれしい!たのしい!だいすき!な気持ちが勝ることを知る。

とまあ、UOUSAO完成までの経緯になります。
こんなざっくり!!!関係ない片付けとかも書いてますが!笑
今は注文いただいた冊数を地道に製本しているのですが、なかなか終わる気配がなく・・・お待ちいただいている方には大変申し訳ないです。
1冊を製本するのと、20冊を製本するためのツールや方法がいろいろ違くて、こちらも試行錯誤しながらやっております・・・

下記では、はじめてのZINEを実際に作って感じたことや考えたことなどを、まとめてみようと思います。

ZINEなのか本なのか

そもそもの前提のお話し。はじめてのZINEと称して作りはじめましたが、出来上がって、いろんな人に、これはZINEと言えるのか・・・とコメントをいただきました。私はZINEという、「出版社を通さず自分で作る自由な本」を作ってみたいと思い始めたので、あながち間違ってはいないとは思うのですが、思い返すと「本をつくる仕事をするために必要なことを勉強する」ためにつくり始めたあたりは、「ZINE」というよりは「本」、のような気もします。
かといって、最近は「本」を作ることに関していろいろ考えたり学んだりしていますが、「世の中に流通させる本」をつくることと、「自分がつくりたい本」を自分だけの思い通りにしてつくるのは、結構な違いがあるように感じ始めていて、やっぱり私が作りたいのは、「本」より「ZINE」なのでは、とも思ったり。だから人には、ZINEでもない本でもない新しい名前をつければ? なんて言われましたが、そんなにすぐ思いつけませんね。
「本よりのZINE」「ZINEよりの本」・・・
そもそもZINEの定義は広いので、程度も形式も決まっていません。こだわりたい人はこだわればいいし、簡単につくりたければそれでいい。どんな形になってもなんて呼んでもいい。当人の自由、なんでもありです。

まあ、定義なんてどうでもよくて、多分わたしは、ZINEもつくりたいし本もつくりたいんだと思います。まだこれからも自分が作りたいものをつくるのみです。時間と体力のあるかぎり。

DENMARKができるまで

大変だったことやがんばった点について話したい・・・全部です!全部!とか言えば簡単なんですが。結構時間が経っているので全ては思い出せない・・というのが正直なところ。以前の記事に少し書いてあるかもしれないのでご参照あれ。

今思い出せる点だけ述べると、
・コンテンツつくるために記事、14本にもなった!書き終えてよかった〜
・はじめてのインデザインにどきどき、でもそこそこ使えるようになった?文字間とかインデントとか自分で調整するの楽しい!写真との配置はもっといろいろやりたいよ〜。最終的には読みやすさが大事!
・イラストレーターはパスとペンツールそこそこ使えたけど、まだまだ分からんです。ベンキョウします。
・面付けわからんすぎ問題。空間図形。結局手作業でPDFを貼ったし今もその方法しかわかりません・・自家製本で一番大変な工程と思っている。つくった人にしか分からない本つくりの大変さ。
・紙を切る、貼るというシンプルな作業の難しさ、奥深さよ!専用の道具の素晴らしさ・・・
・アジロ綴じの溝入れ、ノコギリぎこぎこ疲れる・・
・グルーガンで背止め、すごい!紙の束が一気に本らしくなる!
・はじめて自分でハードカバーの表紙をつくれたこと!手順さえ知ってしまえば、自分で好きなデザインで表紙を作れる!たのしい!
・表紙に緑の紙を使いたかったので、自宅印刷では黒色しか載せられず、活版やシルクなど白いインクを載せる印刷方法をやりたくて仕方なくなった。今回は自家製本と決めているので諦め、次回以降に使いたい・・・

箇条書きで書いてもなんにも伝わらないですね。これについては聞かれれば話します。なんだか、今となっては文字にしてまとめるほどのことではないと感じてしまう。当時はものすごい発見ばかりに感じてキラキラしていたのに・・・笑。だから感じたその時に文字にしておくべきなのだと、最近はますます思うようになりました。


DENMARKがUOUSAOになるまで

DENMARKはそれはもう勢いで、勢いしかなくて、とりあえずこれで行くか!という点がたくさんありました。だから本文は結局コピー用紙に片面印刷だし、サイズも、とりあえずインデザインの練習でシンプルなレイアウトがせめてできれば良いかな、ということで文庫本サイズ。そういう、とりあえずの点をちゃんと考えてから完成版をつくりたかったせいで時間がかかった、というのも十分あるかと。

それで、完成版を考え始めたころは、シリーズ化して同じ版形を並べることに憧れていたのでA5サイズに編集しなおすか迷っていました。だけど、内容を変更しない限り、今の私にはこの本はこのレイアウトになってしまうな、などと考え、同じ本に時間をかけるよりは、別の内容で別のレイアウトを組むっていう件数を増やす方が良いかも、ということで、サイズは文庫本のまま。本文も細かい調整や読みづらい部分を変更する程度にしました。

ようし、文庫本サイズで、完成版をつくるぞー!と思った矢先・・・

見返しの折り紙、もしA5サイズの本を使うとなると使いにくいので、裁断前の紙を購入できないかと販売元に問い合わせていたところ、「二次利用はお控えください」と。そうか、デザイナーさんが、折り紙としてデザインしたものだから、販売元でそれを変更することはできないのか・・・。
迂闊でした。折り紙、可愛い柄がいろいろあるから、つい使ってしまいたくなるけど、自分専用以外は使えないのね・・・。

そんなわけで、装丁の考え直しです。
めっちゃ気に入ってたから、残念だったけど、今後も何度も装丁を考える機会があるのかも・・と思って頑張る。

そもそもDENMARKというタイトル、この本をちゃんと表現できてるのか?
なんで緑?というと自分がなんとなくイメージしただけだし・・・

それで、改めて自分で文章を読み直した結果、「右往左往」というワードが出てきました。読んでいただくとわかるのですが、優柔不断、無計画、マイペースな私の旅、あっちこっちでたびたび右往左往しているのです。

おっ!いいタイトル思いついたかも!と嬉しくなりつつ、表紙を考える。
一番デンマークっぽい写真を背景にして、黒字で漢字を並べてみたり、フィルムカメラで写真撮ってるよーという意味でカメラのマーク入れてみたり。写真をドーンと使うと、なんだかおしゃれ雑誌っぽい感じにはなるけれど、どこにでもある本みたいで、手製本らしさは無くなるよなあ。
アルファベットでUOUSAOと並べるとしたら、なんだかバランス良いかも?矢印をうねうねさせて、右往左往感を出してみたり・・・矢印を文字の上下に配置してみたり・・・なんだか洗濯マークみたいにも見えてくる・・・。

そんなこんな考えながら、使いたい紙の候補を注文して・・・
優柔不断が発揮されすぎて、全く自分で決められる気配がありません。しおりに使えそうなリボンも何本も買ってしまいました。

ある日、友人がその相談に乗ってくれるというので、これまで考えていた装丁や、今迷っていることや案などをひととおり聞いてもらいました。
「自分ではどれが一番やってみたいの?」そう聞かれて、答えは一択でした。物理的に再現するのが難しそうとか、そのあと量産することを考えて、逃げてしまっていただけだったと、気づかされました。

よし、一番やってみたいものを、どうにか形にしてみよう!


完成したUOUSAOはこちら!

最終的に、ヨーロッパに多いレンガの建物をイメージして、その窓部分がUOUSAOとなっていて、屋根と扉をつけて、本自体がレンガのお家に見えるような、そんな装丁に辿り着きました!

もちろん、タイトル字はカッターで切り抜きです。なぜなら、手作り感をだしたかったから・・・。というのもありますが、この紺色の紙と、レンガのようなオレンジの紙の色が良かったので、最初は印刷で似た色を出そうとしたのですが、当然うまく色が出ず、実際の紙を使うのが一番いいな、と思いこうなりました。
たくさんつくるのは大変だけど、その大変さをわかってくれる人がもらってくれるなら、いいもん・・・。

タイトル文字の大きさと屋根のバランスや余白をみつつ、屋根の付け方を試行錯誤して・・・。厚紙をいれて壊れにくいようにしているのですが、それが表紙の開きを邪魔せず、バランスも悪くみえにくく、見返しのページにも影響しない・・・そんな設計をして、少なくともまるまる2冊は作り直しました。
もはやただの工作と化していましたが、おっ!いい感じじゃん!と思える瞬間は、とてもテンションがあがります。

DENMARKのシンプルイズベストを乗り越えられただろうか・・と不安を覚えながらも、ツイッターで公開。初期のころから見守ってくださった方々のあたたかい言葉が沁みました・・・。

見返しは、いろいろ考えた結果、自分でイラストを書きました。

折り紙や包装紙のような、デザインペーパーも検討しました。ネットでフリーで使えるデンマークのイラストも検索しました。でもどれも、私の本、私の文章に合わせるには、なんだかしっくりこない・・・。どうせイラストを使うなら、自分の文章に出てくるものをモチーフにすべきだと思うし、観光地にそんなに行っていないので、観光地モチーフを使ってしまうのは、嘘をついているような気がします。

それで、結局、自分でイラストを書くことにしました。イラストパターンの本を参考に、自分が使いたいモチーフをひとつひとつイラストにして、1回で描けるほどうまくないので、何度も書き直して形を整えて・・・それをパターンに見えるように組み合わせて。参考にした本によると、1パターンを手描きするより、見える範囲をできるだけ全て手描きにするほうが味がでると。パターンの形を決めたら、見返し1枚分のパターンを全て手描きで、白い紙に黒ペンで書いて、写真撮って、色を反転して、フォトショップで青色に変えて、印刷を何度かして色味をできるだけ表紙の色に近づけて・・・。

プリンターは、表と裏の印刷が必ずズレるので、長方形のパターンなのに、本の中心とあわなくて、ちょっと大変。まあ、手作りのご愛敬ってことで。

しおりは今回もリボンにしました。太めのリボンと迷ったけど、本文に挟みやすいように、あんまり太くないものに。

印刷あれこれ

印刷に関して、DENMARKとUOUSAOでは大きな違いがあります。
DENMARKは既に持っていた写真がきれいに印刷できるという染料プリンターを使いました。本文にも写真をたくさん使っているので、写真がきれいに印刷できるということは大切なのですが・・・

ある時、インクに関して調べていたときに気づきます。
染料インクは水で溶けて落ちてしまう、顔料インクは水に滲まない!
そういえば私のプリンター・・・染料だ!買いに行こうと思った時に、顔料プリンターを買おうとしていたのに、お店のお姉さんにのせられて染料プリンターを買ってしまっていたのか!

染料インクでも、インクジェット専門用紙に印刷すれば、そこまで滲まないそうです。実際に、自分で印刷した紙に水をたらり・・・。たしかにインクジェット用紙ならあまり滲まないけど、私が使いたいのは専用ではない普通紙ばっかり!せっかく印刷したものが、うっかり何かの拍子に濡れて、台無しになってしまうのはやっぱり嫌だ!

ということで、急いで顔料プリンターを買い直しました・・・・。
今後もまだまだ本作ってみたいし。たくさん使うもんね・・・!
それにしても、顔料のインク、高いです。出費覚悟で、ガシガシ印刷します。

印刷する紙も、いろいろ試しました。
本文に使う紙は、真っ白じゃなく、両面印刷できる厚さを使いたかったので、シフォンクリームという紙を選択。
印刷してみたら、思っていたより黄色くて、白い紙と比較すると写真がぼやけるような気がする・・。なので写真だけのダイジェストページもつくりたいという欲が。
しかし、写真がきれいに出やすいインクジェット専門用紙は、どれも分厚くて・・ページをめくるには硬そう。ハガキぐらいの厚さのものばかりです。それで、印刷画質をそこそこまで妥協して、選んだのは、セリアのマット写真用紙。各社が出している写真用紙と比べても、ここまで薄いのはセリアだけでした。両面印刷すると、裏移りがぎりぎりだけど・・・。インクジェットだし自家印刷だし、ぎりぎりの妥協点。そんな感じで紙を選びました。

自分の理想とする形を、自宅でどこまで再現できるか、思う存分いろいろな手段を試すことができました。
自分でやればやるほど、印刷などを専門の人に依頼するメリットもたくさん見えてきました。インクジェットプリンターでは思うように印刷できないし、色味の調整はわからないし。オフセット印刷や、リソグラフ、活版などなど、気になる印刷方法が増えていく一方。今後はそれぞれのいいとこ取りをしつつ、自分がやりたい部分はできるだけこだわりつつ、そんな感じで作っていけたらいいなと思っています。

自分で本をつくるということ

大変な苦労に苦労を重ねて、本をつくりました。
こんな大変なこと、しなければいいのに・・・と、自分でも何度も思いました。でも、作業ってどうやらそんなもんらしいです。
それに、出来上がって、それを人に褒めてもらったり、自分でもいいぞ!と思える時って、やっぱりすごく嬉しい。
あ〜なんか、ありきたりな言葉しか出てこないけど・・・

こんなに大変なのをわかっていて、(いや、みんながみんな、こんなに大変ではないと思うし、もっと気軽に簡単に作っているひとはたくさんいると思います。どこまでこだわるかによるのですが、どんなに簡単に作ろうとしても、何かを形にするって、大なり小なり労力が必要です。)だけど、それでもつくり続けようと思う人がいる。本をつくりたい、ZINEをつくろうと思う人がたくさんいる。不思議です。本に限らず、服飾も、革製品も・・・きっとものづくりって、そう思わせるパワーがあるんだろうなあと、思います。

大変なこともあるけれど、それ以上に楽しい。
自分がつくりたいものの形が実現されると尚更、その虜になるのでしょう。
だからつい、人にもオススメしたくなっちゃう。だって楽しいから!

そんな、疲労感いっぱいのUOUSAOですが、どうか、発送分の完成まで、今しばらくお待ちいただけますよう、宜しくお願いします!
自家製本で量産するためのあれこれを、いろいろ学んでアップデートしていますよ・・・!

これからも私がつくりたい本をつくり続けられますように、コンテンツは簡単には出来上がらないけど、ひとつひとつ手をつけていきたいと思います。
よろしくお願いします〜〜

最後まで長々お読みいただきありがとうございました!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?