見出し画像

マダムの魔法の言葉@パリ

初めて訪れたオルセー美術館のトイレで私は鏡を見つめていた。

その日、体のラインに沿ったピッタリとしたニットのワンピースを着ていた。そのワンピースは大好きだけど最近運動を少しさぼっていたのとフランスの美味しいパンや焼き菓子を食べすぎていたせいで自分の体に少し自信がなかった。
美術館のロッカーにジャケットを預けたので、このワンピースで館内を歩かなければいけない。それに最近生理前且つ空気が乾燥しているせいか肌の調子が悪い気がするし、寒くて唇の血色もあまり良くない。保湿用のリップを何度も塗りなおした。
そうやってトイレの鏡で髪や服を整えていると、鏡越しにグレーヘアの上品なマダムと目が合った。そうしたら優しく力強い笑顔で「You look perfect!」 とほほ笑んでくれた。
私は少し拍子抜けして「Oh..Thank you:)」と驚いて答えた、と思う。そのマダムは何気なく言ってくれたんだろうけど、私にとっては魔法のコトバだった。その一言だけで何だか自信が湧いてきた気がして、身長が0.5mmくらい伸びた気がした。

先日メトロに乗っていた時にも魔法の言葉が降ってきた。
その日はユニクロのお気に入りのニットを着ていた。最近オープンしたOpéraくのユニクロに買いに行ったニット。私が日本を出国した日に発売されたアイテムだったため日本では買えず、正直パリで円安の今、€で買うのは高くて渋ったけれど、どうしても買いたかった。冬服はスーツケースがかさばるのでほとんど日本に置いてきた。それに、ここ最近のパリは急に寒くなり、ユニクロで試着してみるとやっぱり可愛く、どうしてもということでそのニットを買ったのだった。

その日は初めてこのニットを着る日だった。
メトロに乗った時に少し目が合った気がしたけど、少し経ってその女性がフランス語で声をかけてきた。「そのトップスはどこで買ったの?」
こんなに嬉しい言葉があるだろうか?しかも知らない人に言われた時の嬉しさといったら…!
「私の着ているトップスが好きなの?可愛いよね、このニット。最近買ったすごくお気に入りなの!!」と心の中で叫びつつ、落ち着いて「ユニクロです、(ユニクロ)知ってる?」と答えた。すると笑顔で「あー!ユニクロ!ありがとう」
私の顔は少し赤くなっていたと思う。

そう、ユニクロはパリでも大人気。ユニクロのOpera店に行った際も大勢のお客さん(現地の人も観光客も)で溢れかえっていた。ユニクロの知名度に関心しつつ、何よりフランス語で聞いてくれたのが嬉しかった。
少し大袈裟かもしれないけど、パリは色々な人種がいるからか国籍や人種に関係なく、フランス語が出来る人はフランス人=仲間。のような帰属意識があるように個人的に感じる。
数年前、学生時代に旅行に来た私はレストランや街中でフランス語で声をかけられたら、「私どうみてもアジア人じゃん。英語で話してほしいな~」と思っていたのだが、最近はフランス語で話しかけられると何だかとても嬉しい。ただ、私のフランス語はまだまだビギナーレベルなので勉強を続けて、早く気の利いた返事が言えるくらいになりたい。

彼らにとっては、簡単に放った一言かもしれないけど、その一言の効果は素晴らしい。持続時間は1時間、いやこうやって何日経っても覚えてるからもっと長いかもしれない。その魔法の言葉を思い出すと体温が少し上がる気がする。そして私が自分自身にかけていた言葉が、更に自信を無くしていることにも気づく。
”少しむくんじゃってるかもしれないけど、いいじゃん!私、自信を持って背筋を伸ばしているだけで、完璧!そして人に優しい言葉をかけたり、親切な行動が出来たらもっと素敵!”
自分の中の私との対話。
人にもそして自分にも優しい言葉をかけたい。

オルセー美術館@Paris

最後まで読んでいただきありがとうございます!
また次回も頑張って投稿していきますので応援よろしくお願いします🌼

せっかくフランスにいるのでYoutube動画も投稿したいと思っています、
是非チャンネル登録、いいね、コメントお待ちしております。

▼最新パリVlogはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?