中編小説「Thirteen」第七話 苦労
「痩せろよデブ!」
待ち合わせ場所に来た豊子は琴音を見るなり怒鳴りつけた。どんな顔をしたらいいのか分からない。琴音は軽く振った手を力なく降ろす。
「その服捨てろって言ったよね? なんで着てるの? デブがキモい服着てて死ぬほどみっともないよ」
「ごめんね」
この日着ていた服は琴音が一番気に入っている服だった。それでも言うとおり捨てなければならないのかと思うと胸が冷えた。
「琴音ちゃんなんかと一緒にいたら周りの人から笑われちゃうよ。あんなキモい子と遊んでるよって。今絶対皆琴音