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内々定辞退防止のためのフォローとは

・今から考える内々定辞退防止策

4月に入り新卒採用の選考も中盤あるいは終盤に差し掛かっているかと思います。
このような時期に入ると関心が高まってくるのが、内々定学生の辞退防止策です。今回は辞退防止がテーマのお話です。

昨年、とある会社の内々定/辞退者インタビューを行ったところ、非常に興味深い傾向がわかり、
選考時からのフォロー次第で内々定辞退者を減らせる可能性があることを改めて実感しました。

・内々定を辞退した学生へのインタビュー実施結果
「会社」に共感できない学生が6割
昨年の春、クライアント様から依頼を受け、内々定を貰って辞退をした学生へ自社を選ばなかった要因を分析してほしいという依頼を受けました。対象者は夏のインターンシップに参加し、その後の選考でも優秀と判断されていた内々定辞退者の学生。私たちが第三者として一人当たりおよそ1時間半かけて個別にインタビューしました。

インタビュー内容は就職に対する価値観など様々なことを聞きました。
そして、入社先を決定する際に重視したことについて聞くと、業界・仕事内容・社風・福利厚生など人それぞれではあるものの、大きく分けると「会社・働き方」と「業界・職種・仕事内容」への共感が重要であることがわかりました。

実際に、「会社・働き方」にも「業界・職種・仕事内容」にも魅力を感じていながら、他社に入社を決定した学生は1割。
内々定辞退者の9割は、「会社・働き方」か「業界・職種・仕事内容」のどちらかに共感できていませんでした。
その9割の内訳は、
約3割は「会社・働き方」に共感し、「業界・職種・仕事内容」に共感できず、
約6割は「会社・働き方」に共感できず、「業界・職種・仕事内容」に共感していました。
ちなみに、選考中は彼ら全員「御社が第一志望」と言っていたのです!

学生の"会社での生活"のイメージ想起がキー!個々の社員との語らいが影響
では「会社・働き方」に共感できなかった約6割の学生は、いつ・どこで・どうやって入社先企業を決めたのでしょうか?

実は入社先を決めた時期は、彼らが内々定をもらってからではなかったのです。
内々定以前の選考期間に多くの企業に接しながら、入社すべき会社か否かの情報収集を行い、志望ランクを決定しています。もちろん最終的な結論を出したのは内々定後ですが、内々定後にその志望ランクが覆ったという学生は一人もいませんでした。
更に聞くと、説明会や面接の場で出会った先輩社員から具体的な仕事内容やプライベートの話を聞くことで「実際に自分が働いたらどうなるのだろうか」という"会社での生活"イメージが「会社」への共感に繋がり入社を決意したという声が大半でした。
重要なポイントとしては、その"会社での生活"イメージには、「学生自身が心地よく活躍しているイメージが持てている」ことが前提にありました。
もちろん、彼らは各企業の人事担当者から内々定後のフォロー(同期意識の醸成や不安を取り除くための面談)も受けていたのですが、選考中の先輩社員の話よりは重要ではなかったようです。
内定後のフォローは、もちろんやらないよりはやった方が良いことは間違いないのですが、学生の声を踏まえるとそこに全力投球するのではなく、選考段階でのフォローに力を注いだ方が効果的だと言えます。

・採用担当者ができること、それは自社とのマッチ度を伝えること

こういった状況を踏まえると、採用担当者にしかできないことがある様に思います。
それは、学生の就職活動状況と心理動向を掴み、適切な先輩社員などと面談できる場を用意することです。
そして、学生に「優秀と認められた」、「自分こそがこの企業に必要とされている」と思ってもらえるように、自社の選考段階で学生の優秀度合(どこを評価しているのか)や自社とのマッチ度を伝えることです。

具体的なマッチ度の伝え方としては、面接の待ち時間の会話や選考終盤でその学生の高評価点をフィードバックしながら面接日程の調整をするなどの学生としっかり向き合っていく手法が考えられます。
また、相手のやりたい事や志向をしっかりとヒアリングしたうえで、それに合わせて自社の仕事との親和性を伝えてあげることができるととても効果が高いです。
繰り返しにはなりますが、内々定の間際だけで辞退を食い止められる特効薬はありません。

昨年の採用活動は、オンラインシフトなどによる突然の予定変更をしたために企業理解が浅い学生が増え、その他にも採用担当者が取り組まなければならないことが山積していたこともあり、採用担当者は"苦戦"を強いられた年でした。

今年も対面での面談などはインターンシップ~本選考通してほぼ実施できない採用となりますので、昨年と同じかそれ以上に学生の企業理解度や自社への興味付けが出来ていない状況が想定されます。
だからこそ、適切なタイミングで、的確なフォローが出来るかどうかが、例年以上に重要なポイントとなります。

せっかくのこれまでの努力が徒労に終わらないためにも、付け焼刃的な策ではなく選考中の今から全社を巻き込み、学生をしっかりフォローすることを検討してみてください。
皆様の会社の採用成功をお祈りしております!

<この記事を書いた人>
大学卒業後、新卒で営業代行の会社に入社。その後、人材派遣会社で営業兼コーディネーターを経験。2014年にレジェンダ・コーポレーションに入社。レジェンダ・コーポレーションでは、採用支援事業部にてお客様の新卒・中途両方の採用に関わる。採用設計・設定から説明会・面接の代行、内定者や辞退者へのインタビュー調査など経て、現在は自社の採用を行いながら、マーケティング部で採用や労務のナレッジに関するセミナーやホワイトペーパーを企画。また、サーベイを実施するなどマーケティング活動を行う。
(レジェンダ・コーポレーション株式会社 https://www.leggenda.co.jp/


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