見出し画像

「いいライターいませんか?」の前にやっておくべきこと

「いいライター、いませんか?」

メディア運営をサポートしていると、よく聴かれる質問です。だけど、この「いいライター」というのは、ものすごく抽象的なんですよね。

だから逆に質問してみたいと思います。

「いいライターって、どんなライターさんですか?」

ライターといってもさまざまなスキルがあって、いい・悪いはそう単純に決められないケースが多い。ミスマッチが起こって、力量のあるライターさんなのに、発注側がうまく活かせていないこともあります。

だからこそメディアごとに、「いいライター」の定義が必要だと思うのです。あなたのメディアが求めるライター像が決まっていますか、という話をしながら、ライターの探し方についてまとめていきたいと思います。


求めるライター像を明確にしておく

いいライターを探す前に…

まず大事なのは、自社のメディアにとってどのようなライターが必要なのかを明確にしておくこと。そのために、

  1. メディア概要をまとめておく

  2. ライターに求めるスキルを言語化する

といったことをやっておくことをおすすめします。マッチするライターに出会えるかどうかは、自分たちの整理からという話です。

メディア概要というのは、以下のようなものになります。

1. メディア概要をまとめておく

  • メディア名:オウンドメディアであれば、サービス名も明記する

  • 業界:どんな業界によって難易度が変わってくる

  • 想定ユーザー:どのようなユーザーに読んでほしいのか。できればユーザーインタビューしておけるとベター。「メインターゲット」「サブターゲット」、「顕在層」「潜在層」などに分けて、細分化して把握しておきたい

  • ユーザー課題:どのような課題を持ったユーザーが訪れるのか

  • ユーザー心理:メディアにを訪れたとき、各記事を読んだとき、ユーザーはどんな感情になるのか

  • メディアの理想像:メディアを通してどのような価値提供をもたらしたいのか。売上インパクトよりも、抽象度が高い理想を掲げておきたい

  • 流入経路:どのような経路でメディアにたどり着いてもらうか。大きく分けて、検索かSNSに分けられる

  • 記事ラインナップ:SEO記事なのか、SNSで話題になる記事なのか、インタビュー記事なのか、専門知識が必要な記事なのか、おおよそのラインナップを決めておく

  • コンバージョンの流れ:各記事からどのようなコンバージョンを生み出したいのか

  • 競合メディア:ベンチマークしている近い業界のメディアはあるのか

そもそものメディアの目的によって、項目は変わってきます。問い合わせを増やしたいのか、採用のためなのか、社内ブランディングなのかで、項目は調整していきます。

2.ライターに求めるスキルを言語化しておく

メディア概要をまとめて、おおよその方向性が見えてきたら、ライターに求めるスキルを割り出すことができます。

どんな分野の知識が必要なのか、どんな流入経路の記事を書いているのか、どんな文体が得意なのか、どんなスピード感で書けるのか、といった観点があります。

いくつか例を挙げておきましょう。

  • SEO記事:リサーチ力があればなんとかなるが、できれば業界の知見がほしい。SEOライティングは独特の作法もあるので、その点では経験者が望ましい。

  • SNSで話題になる記事:企画力が重要になってくる。また各SNSでの見せ方も変わってくるので、ライター自身が常日頃、運用していると安心。マストではないけれど、ライターに拡散力があるとありがたい。

  • インタビュー記事:インタビュースキル必須。話を引き出せるかどうか、経験値やスキルによって、大きな差が出てきてしまう。専門知識がなくてもわかりやすい記事になる可能性がある。もちろん事前のリサーチ力は必要。

  • 専門知識が必要な記事:各業界に専門ライターがいる。業界の経験者であるといいけれど、ライティングスキルが見えづらいため、あくまで執筆実績のある専門ライターがベター。

実際にはきれいに分かれるわけではなく、さまざまな掛け合わせで求めるライターのスキルが決まってきます。

ライターを探す6つの方法

ライターを探していきます。自社のアセットやメディア状況に合わせて、さまざまな方法が考えられます。6つに絞って確認していきましょう。

1. ライターを紹介してもらう

間違いなくおすすめなのが「紹介」です。身も蓋もないのですが…。

ライティングの実績は、公開された記事だけだとわからないんですね。編集がかなり手を入れているケースがあります。なので、実際にやり取りして、原稿を読んだことがある人が推薦してくれるならば、かなり信頼できるというわけです。

まずは自社内で声をかけてみることをおすすめします。過去も含めて、ライターに原稿発注しているケースが意外とあるんですね。また周りにメディア担当者や編集者がいれば、求めているライターのスキルセットを伝えながら、相談してみてもいいでしょう。

2.クラウドソーシングで探す

手っ取り早いのが、クラウドソーシングです。

やはり母数があるのが強みです。求めているライターのスキルセットと、実績や評価と照らし合わせて、候補を絞ることができます。昔はライターの質が低いといわれていましたが、信頼できるライターもいます。

デメリットは、ライターとのやり取りがテキストベースだということ。細かいニュアンスを伝えづらいため、特に初期は工数が増える傾向があります。

3.募集をかける

自社のサイトやメディアで、ライター募集を行う方法です。メリットは、自社に興味を持ってくれるライターが集まるということ。

難しいのは、そもそも知名度がなければ、スキルマッチするライターが集まりづらいという点です。ライターの質が読めない点もデメリットになります。

4.書籍や専門媒体をチェックする

専門分野の記事の場合は、書籍や専門媒体をチェックすることがおすすめ。紙媒体での執筆実績があるのは、基本的なライティング力が担保されている可能性が高いです。

単著のあるライターでも案件内容や条件、スケジュールによっては受けてもらえることがあります。

5.SNSを活用する

個人あるいは企業のアカウントで、ライター募集を呼びかける方法です。ライターはSNSアカウントを持っている方が多いので、集めやすい傾向があります。

不特定多数への呼びかけだと判断が難しいため、ダイレクトメッセージや問い合わせメールからの声かけがおすすめです。

6. ブログで書いている人を探す

ブログで書いている人をリサーチしてみることも有効です。はてなブログやnoteで、キーワード検索すると、おもしろい原稿を書くライターが見つかることがあります。

編集が入っていないため、ライティングスキルやテイストがわかるのは大きなメリットです。

ライターのマッチ度を確認する

ライターに依頼するうえで、複数の候補が挙がっていると思います。その際に、マッチ度を確認しておきたいもの。メディア運営側だけではなく、依頼を受けるライターにとっても、ミスマッチは不幸を生みます。

求めているライタースキルに照らし合わせて、

  • その記事を書く専門性があるか

  • 過去の執筆記事はどんな内容か

  • 説得力を持たせる記事になっているか

といった点で依頼するかどうかを決めていきましょう。場合によってはテストライティングを相談してみてもいいと思います。

また可能であれば、依頼後も1人のジャッジではなく、複数で見ていくことをおすすめします。依頼内容やテーマによって、原稿の質が変わってくることがあるからです。

パーフェクトなライターはいないと考える

前提として自分自身も肝に銘じているのが、いきなりマッチするライターはいないと思っておいたほうがいいということ。もちろんアジャストしてくれるライターさんはいるでしょう。しかしそんな出会いはないと思っておいたほうがいいと思います。依頼側・発注側が尽力してこそ、マッチするライターが見つかるという考えを軸にしておきたいものです。

当然ですが、メディア運営はだれかがコンテンツを作らなければ成り立ちません。ライターとのいい出会いを手繰り寄せていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?