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文章が支離滅裂になってまとまらない理由

文章を書くとき、モヤモヤすることがあります。

こういう流れにしようと考えが固まったはずなのに、いざ書き出すとまったく文章がまとまらない。しっくりこない…。

文章スキルとかそういう話ではなくて、その手前で右往左往している感覚。書き進めるものの、どんどん支離滅裂になってしまい、完成までにやたらと時間がかかる。一方で、スーッと迷うことなく、文章がまとまることもある。

この差はいったい何なのか?インプットに原因があると感じながら、もう少し明確な理由を手繰り寄せたい気持ちがありました。

そこで先日、『嫌われる勇気』などを手がけた古賀史健さんのライター講座に参加する機会があり、この疑問をぶつけてみました。古賀さんの回答が、自分の疑問が解消される内容だったので、まとめてみたいと思います。

自分が「わかったこと」しか書いてはいけない

「いざ書くとなると、うまく形にできないことがあるのですが、どのように原稿化されていくのか、そのプロセスについてお伺いしたいです」

質問内容は、ざっくりとこんな感じでした。

古賀さんは、まずはインプット作業である取材について、「前取材」「本取材」「後取材」の3つに分けているといいます。

・前取材…下調べをする
・本取材…インタビューを行う、トークイベントや講演に参加する。書評のために本を読むこと、映画評のために映画を観ることなども含まれる
・後取材…本取材のあとに出てきた「わからない」ことを調べる

「後取材」で、ひたすら調べて寝ても覚めてもそのことを考え続けて、ようやく「わかった」と思える瞬間がくるそうです。古賀さんは「原稿には自分がわかったことしか書いてはいけない。それが大前提」という話をしてくれました。

書くためには、その前に「わかった」という状態にならなくてはいけない。自分がわかったかどうか曖昧なままでは、読み手がわかる文章になるはずがありません。

だから、自分で薄っぺらい内容だなと感じるときは、たいていインプットが足りていないとき。頭のなかではまとまっていると思っていても、本当はわかった状態になっていない。かなり納得感がありました。

書くとは登りきった階段を再設計すること

ここから、古賀さんの話は、さらにエキサイティングになっていきます。

「わかる階段を登っていったら、わかった瞬間を振り返ります。なんでこの階段、登りにくかったんだろう?なんでこんなに回り道しちゃったんだろう?」

「わかってしまった人間からしたら、この階段、段差が激しかったけど、一段を平らにしてくれたら、もっと理解しやすかったと思えるはずなんですね。自分がこう説明してほしかったと、理解するための階段を設計する。それがライターに求められることです」

簡単にイラストにするとこんな感じでしょうか。

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実際には、階段の形状は、螺旋だったりジグザグだったりするのだろうと思います。

書きあぐねてしまう理由は、この振り返りの作業をしていないから。わかったと思えるまで、情報収集して思考して、そこからどうすれば理解しやすくなるのか再設計する必要がある。まさにインプットからアウトプットまでの流れが明確になる説明でした。

ライター講座の動画はこちらから

当日の「ライター講座」の動画は、下記のTwitterから視聴可能なので、ぜひ見ていただきたいです。ライターの定義は必見!
(ちなみに僕が質問したのは、動画の1時間16分くらいから)

そして、古賀史健さんの新刊『取材・執筆・推敲』が、4月6日に発売されるのですが、ライター講座のときにプルーフ版をいただきました。

読み進めていますが、「ライターの教科書」の決定版であり、もっと言えば「だれかの魅力を届けるための教科書」でもあるなぁと感じています。

プロのライターの方だけではなく、書くことについて興味がある人ならばぜひ読んでほしい。Amazonで予約可能ですよー



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