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金日成の代役が主人公「22年目の記憶」を紹介

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「22年目の記憶」は、ソル・ギョング主演、2014年製作され、日本では2019年1月に公開された韓国映画です。

1972年に南北共同声明が発表され、初の南北首脳会談に備えて手配された金日成の影武者が主人公というインパクトの強い設定のため、南北問題の取り上げた社会派作品かと思っていたのですが、実際は、冴えない役者であるが演劇から離れられない父親とその息子の、親子の物語でした。

南北共同声明とは
1972年7月4日に発表された韓国と北朝鮮の統一に向けた声明のことで、これにより朝鮮半島は一時、統一の雰囲気包まれた(公式サイト)

この映画をざっくり説明

◆才能がなく売れない役者のソングン(ソル・ギョング)はある日小劇場で主役の代理を務めることになる。しかし、息子テシクが見てる前で失敗してしまう。
◆上演後、北朝鮮の最高権力者金日成の代役のオーディションに誘われ、抜擢される。演技の特訓が加熱するにつれ役に飲み込まれていく父ソングンに翻弄される息子テシク。結局、代役の場が開かれることはなかった。
◆22年後、父と縁を切り家を出ていたテシクは、お金のため、金日成のままの父ソングンと再び共同生活を始める。

あらすじ

1972年、南北共同声明が発表され、韓国は初の南北首脳会談に備えて北朝鮮の最高指導者・金日成(キム・イルソン)の代役オーディションを密かに敢行。売れない役者のソングンが抜てきされる。この大役に意気込むソングンは、日夜厳しい訓練をこなし、次第に金日成が乗り移ったかのように演じることができるようになっていく。しかし、結局、代役が日の目を見ることはなかった。それから22年、自らを金日成と思い込む年老いたソングンと、そんな父に翻弄されてきた息子テシクが、ある目的のために同居を始めるが……。

売れない役者の父が一世一代の代役を得る

ソル・ギョング演じる父ソングンは、脇役しか与えられたことのない冴えない役者でありながらも芝居が好きなため演劇から離れられないでいました。

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ある日、ソングンは舞台「リア王」の主役の代理を任せられます。息子テシクにいいところを見せたいソングンでしたが、本番で目も当てられないほどの大失敗をしてしまいます。父のひどい芝居を見てテシクは肩を落とします。
これは、ソングンにとって大きな後悔が残る上演になりました。

自分の不甲斐なさに控え室でひとりで泣いていたソングンは北朝鮮の最高権力者である金日成の代役のオーディションに誘われます。失敗を取り戻して息子に見直してもらいたいソングンは必死でアピールし、見事抜擢され、特訓が始まり、ストーリーが進んでいきます。

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息子にいいところを見せたい父親である自分の想いと、役者としての力不足な悔しさ、不甲斐ない芝居を息子に見せた後悔と葛藤で追い詰められていき、狂っていくソングク。俳優ソル・ギョングさんの演技は鬼気迫るものがあります。そして憑依されたかのように刻々と金日成になっていく変貌ぶり。演技力の高さに圧倒されました。

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家族関係も自身も壊れていく悲しさ

父ソングンの、息子への愛情と芝居への熱意。それが時代に振り回されて、家族関係もソングン自身も壊れる悲しさと、22年後の関係修復までの軌跡。
親子愛、夢への熱意が狂気に変貌していくさま、そして売れない役者の哀しい想い、愛する父が変貌していくことへの息子の戸惑いと決断した想い…が、時にほっこりするコメディタッチで、丁寧なエピソードで綴られていきます。重くなりすぎず、軽くならず、ちょうどいいストーリー展開になっています。ぜひご覧ください。

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イ・ギュヒョンさんのやばい可愛さ

そして、特訓のシーンにプロジェクトの脚本家役としてイ・ギュヒョンさんがでています。イ・ギュヒョンさんは、犯罪スリラードラマ「秘密の森」や映画「無垢なる証人」に出演している俳優さんですね。

彼がすごくかわいいんです。やばいです。めちゃくちゃ素敵すぎました。動いてるとこをぜひ見てほしいです。

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ドラマ「秘密の森」の紹介はこちら

予告動画

ポスターデザイン

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作品概要

22年目の記憶 
나의 독재자/My Dictator
2014年

監督:
イ・ヘジュン(ヨコヅナ・マドンナ)

脚本:
イ・ヘジュン
ペク・チョンヒョン

出演:
ソル・ギョング(殺人者の記憶法、監視者たち)
パク・ヘイル(グエムル-漢江の怪物-、殺人の追憶)
ユン・ジェムン(母なる証明、パパとムスメの7日間)
イ・ビョンジュン(フィッシュマンの涙)
リュ・ヘヨン(ザ・メイヤー 特別市民、愛を歌う花)
ペ・ソンウ(ザ・キング、リバイバル 妻は二度殺される)
イ・ギュヒョン(秘密の森、無垢なる証人)
パク・ミンス(プリースト、推理の女王2)
ソン・サンギョン(アジョシ、鬼はさまよう)
チョン・グクァン(悪魔を見た)

評価:★★★★☆


面白い作品です。ぜひご覧ください。
最後まで、ありがとうございました。

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