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映画バカの部屋

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映画批評、映画監督のなり方、映画とビジネス、映画と写真などについて書いています。
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#映画レビュー

ポン・ジュノ作品『寄生虫』とカンヌ

カンヌで最高賞を受賞した本作、日本では来年初に公開されるとのこと。私は先月、一足早く韓国…

ダリャ
4年前
15

『運び屋』

映画の新しい発見があった。 それは「老人最強説」。 美男も美女もムキムキも宇宙人も敵わない…

ダリャ
5年前
15

映画『グリーンブック』

良質のウェルメイド作品。笑いあり、涙あり、強過ぎず弱過ぎず、ちょうど良いバランスでメッセ…

ダリャ
5年前
34

映画『ギルティ』

警察の緊急コールセンターが舞台、ほぼ電話の声と主人公の警官の表情だけで構成された異色作。…

ダリャ
5年前
13

映画3作短評

『アクアマン』(公開中) 地上での戦闘シーンが息を飲むほどキレッキレッで最高。髪の赤いヒロ…

ダリャ
5年前
10

成瀬巳喜男作 『女が階段を上るとき』

日本映画界のレジェンド・成瀬巳喜男監督。この監督は物語の背景となる街や空間をアンカーで立…

ダリャ
5年前
7

映画『バーニング』(監督 イ・チャンドン、原作 村上春樹)

本作の原作である村上春樹の『納屋を焼く』や、同作で村上が影響を受けた(?)といわれるフォークナーの作品も読んでないので比較はできないが、本作だけの感想を書いてみよう。 捉えどころの無さを極めたような作品だ。しかしある種の人間の内面をハッキリと提示している、と私は感じた。その描き方が文学的なので惑わされるが、言わんとすることは腑に落ちた。 ウェルメイド作品では描かないであろうシーンの数々。しかしウェルメイドのテンポは踏んでいる。最も映えるポイントは含めながらも、普通

本日公開映画『ミスター・ガラス』

あの『アンブレイカブル』の続編的作品という事で観に行った。監督はもちろん、あのナイト・シ…

ダリャ
5年前
9

映画『クリード2』

見事!!あの『ロッキー』シリーズと地続き作品だからこそできる、情念の密度が半端ない力作。…

ダリャ
5年前
11

映画『マルクス・エンゲルス』 論戦とアジテーションと

カール・マルクスといえば、たぶん近代以降において最も社会的影響力が大きかったと言っても過…

ダリャ
5年前
8

『ブラックパンサー』 アイデンティティの転倒と使命感

正月休みにDVDで観たマーベルの『ブラックパンサー』。原作全く知らずに観たんだけど、のっけ…

ダリャ
5年前
7

『天命の城』 非ウェルメイドの籠城ドラマ

原題は『남한산성』(南漢山城)。丙子胡亂(병자호란)といわれる清の侵略(1636年)を描いた同名小…

ダリャ
5年前
9

ブロークバックマウンテン

言わずと知れた名作。先日ソウルを訪れたときリバイバル上映してたので観てきました。 自分ら…

ダリャ
5年前
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映画『ROMA ローマ』 分厚い世界観とトランスレーション

先日も少し書いたが、現在ネトフリで公開されている映画『ROMA ローマ』。日本では東京国際で上映された以外は劇場未公開。それを韓国出張時に観てきました。『#ゼロ・グラビティ 』で有名なアルフォンソ・キュアロン監督の自伝的物語を、当時同居していた家政婦のメキシコ人女性の視点から描いた全編モノクロ作。泣かない人いないんじゃないか。すべてが詰まっている。ベネチア映画祭金獅子賞作。 実は言うと前知識はほとんどなく、冒頭は中々世界観に入れなかった。映画館に遅れて入ったこともあり、物語