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自分に合った食事療法の選び方

世の中にはいろいろな食習慣が流行します。ヴィーガン、マクロビオティック、グルテンフリー、カゼインフリー、レクチンフリーなどは健康食として食べられたり、時には治療食として食べられてきました。どれも期待されて流行るものの、体に合う人もいれば合わない人もいて流行っては廃れ、また別のものが流行ったりします。

私が生体異物除去食について説明する時、野菜好きな人からは変人扱いを受けます。目を丸くして、「この人頭悪い!」「こんなに常識のない人がいるだなんて」「可哀そう!野菜が食べられないなんて!美味しいのに!」「野菜が嫌いだからってそんなウソつかなくても」「農家に後ろから殴り殺されるよ?」と、いろいろな反応があります。私はその反応を「もっともだな、普通はそういう風に思うだろうな」と思いながら見ています。だって私こそがそのことに気づいたときに「まさか!」と思ったんですから。私は昔はクラインガルテンを借りて野菜を育てる趣味を持っているくらい野菜が好きだったんです。生体異物の塊ごはんであるカレーだって大好物でした。それを食べられないことは悲しい、悲しいけれど積極的に諦めました。誘惑に負けそうになることはたくさんあるけれど、通常時に食べると具合が悪くなります。それを繰り返すうちに「欲しい」とすら思わなくなりました。ようは慣れですね。

生体異物除去食が効果があるのは日本人の84%、インド人の2%です。これは乳糖不耐症と生体異物の除去に関係が深いためです。そしてそれはさらに人間の赤血球の表面の糖鎖の形に影響を受けています。
日本人と同じように人口の多くが生体異物を除去しにくい体質なのがオーストリア人です。それ以外の国のほとんどはインド人と同じで生体異物をあえて摂取したほうが良い体質の人が多いので、世界中で穀物や豆やチリパウダーや乳製品をたくさん使った料理が食べられています。

「野菜が体に悪い」という体質の人は地球上にほとんどいませんが、日本には案外います。そういう意味で日本人は世界の貴種です。

生体異物を受け入れられる体質かどうかは、こんな構図になっています。


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ヴィーガンやマクロビオティックなどは生体異物をあえてとったほうが良い体質の人には向いています。たとえばインド人。もともと野菜をメインに食べてきた文化がある地域ですよね。スペイン、イタリア、ブラジル、タイ、中東、アフリカ、ロシアなどもレクチンご飯の文化を持つ地域です。それでもグルテンフリーやカゼインフリーの薔薇の体質の人もいるので真逆の食習慣も生まれました。
最近流行っているヴィーガンとグルテンフリーを同時に行うと理論上はプラスマイナスゼロですね。マクロビオティックとレクチンフリーを同時に行うことも無意味です。
もちろん健康でバランスが取れている人ならプラスマイナスゼロの商品を食べても差し障りはないですが、体調を崩しがちの人は期待どおりにはいかなかったと実感することが多いでしょう。
そもそも自分の体質と真逆の食習慣は体が必要としていない物質を多く摂取することになるので不味いです。美味しくないから続かないですよ。

そういう食事が人の助けになるのは本当に病気の人だけだと思います。

ムコ多糖症のようにムコ多糖類が溜まりすぎてしまう病気もありますが、それは明らかにシーソーの左側、百合のタイプですよね。脊柱管狭窄症のように骨が盛るタイプの病気は百合でしょう。
リジン尿性たんぱく不耐症というとても珍しい先天性代謝性異常の病気の人などはたんぱく質を食べられないので野菜ばかり食べています。レクチン不耐症の私の子供とは真逆ですね。うちの子供は野菜以外なら食べられます。でもそんなこと、世の中のほとんどの人は知りません。私も子供が生まれるまでは知らずに生きてきました。人間はまだ自分たちが何を食べたら良くて、何を食べると毒になるのかよくわからないまま生きている生物なのだと思います。DNAなどの細かい事まで調べ尽くして科学は進歩しているように見えても、皆自分たちがどういう生物なのかまだちゃんと知らないんです。

私のような生体異物に弱い体質の人間が生体異物を摂取するとどうなるかというと炎症が起きます。ずっとそこに炎症が起きているとそれは潰瘍になって癌になります。胃がんや大腸がんのような消化器系の癌になる人は生体異物であるレクチンが粘膜のムチンと結合しムチンが剥がれてしまうことが問題です。腸漏れと言われているリーキーガット症候群はまさにこれでしょう。カゼインやグルテンを除去したりしている人もいますが、どのジャンルのレクチンが合わないのかは人それぞれです。伝統的な日本食は大まかに言うとレクチンフリー食なので日本人はこれらを除去してもそれほど辛い食生活が待っているとはいいがたいですが、外国人だと何かと難しいかもしれませんね。

自分だけが偏った食事をとっていると周囲とうまくいかなくなることがあります。これらの多くが「健康になりたい」「痩せたい」と願う人たちから生まれたということは、多くの人が健康に悩みを抱えているということです。

どのような食べ方をしていても、その人の体質に本当に合っているのであればお互いにそれを尊重しあうべきだと思います。

そして私は生体異物除去食の観点から見ると、体調が悪くなって体質のシーソーの傾きが変わってしまったときはあえて双子葉合弁花類を多く含んだ食事をまるで薬のように摂取して治すという方法もあると思っています。

大事なことは「元々の自分の体質はシーソーのどの位置にあり、現在の体質はどちら側にあるのか」を正しく判断することです。それによって自分に合った食べ方を選ぶことができれば、元気で長生きできるはず。

食べられる植物の形状から百合タイプ、薔薇タイプなんて私が言っていますが、もっと良い命名方法があればいいのになと思います。だってなんだかロマンティックすぎるから。

話はズレましたが、このシーソーの図式を元に考えると「発達障害は2つのタイプがある」ということになります。発症した経緯も治し方も真逆な2つの方向性があると分かればなぜ有名な治療法が自分の子供にだけ当てはまらないのか理解できるという方もいるでしょう。

膠原病もそうですね。ベーチェット病や全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群は薔薇タイプだと思います。2つの方向性で考えてみれば、自然とどんな食事をとればいいかがわかってきます。

癌も2つの方向性があると思えば色々と納得ができます。

癌の患者さんとお話ししているときにあることに気づいてそれを図式化しました。

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私はこれから「食事の形は3つないし4つある」と思いました。シーソーは左向きと右向きで2種類だけど、男と女で違うから、実際はその倍は存在し、それが合っていないと病気になるのではないかと考えたのです。ただし脂肪系の癌の女性についてはほかの癌に比べてお話を聞ける人がとても少なくて、特に聞けたとしてもイマイチよくわからなかったんです。

でも最近少しずつ分かってきました。

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脂肪系癌のタイプのほう、つまり百合タイプの人は男性も女性も食べてはならない食べ物があると思います。以前は「薔薇タイプの人は双子葉合弁花類を食べられないから美味しい食べ物のほとんどが食べられなくてつらいなぁ、いいなぁ百合タイプの人は何でも食べられて」と思っていたんです。

でも残念!百合タイプの人にもあるんです!うちのベビーシッターさんを見ていて気付きました。シッターさんは糖尿病です。食べれないものがいくつかあります。それはアブラナ科の植物の生の辛み成分!イソチオシアネートを含むものは糖鎖分解酵素をたくさん作ってしまいます。分解したら血糖値爆上がりです。食べ物の糖鎖を溶かすだけでなく自分の体の糖鎖まで溶かすから高血糖に陥ります。大根おろしを食べると胃が焼けるように痛いと言うんです。ワサビもそうです。食べた後はいつも倒れています。そしてショウガの生を食べても嘔吐します。

シッターさんは典型的な発症後の男性です。今までは「百合の女性には食べてはならない食べ物があるかもしれない」と考えていましたが、「発症後の男性にも食べてはならない食べ物がある」と思い至りました。

それは単に「玄米採食が良い」などと言うザックリとした分け方をしている場合ではないのだということです。

生体異物除去食のルールを作り上げることは簡単でした。だって自分の身体で人体実験すればいいだけだから。家で食べてみればわかることでした。もっともっと複雑で、生体異物除去食よりもずっと興味深い世界が待っていました。

そして私にはこの両方の食事療法すべてを理解する必要があります。

低緊張型の脳性麻痺の女の子供は中年以降はタイプが変化して今度は硬くなるので食べ物や薬を変えなければいけないはずなんです。それまでに私はすべて解明しなければ。


でもその百合の体質の人のことを理解するには彼らを観察しなければなりません。日本人の16%のはずなのに意外と自分の周りには発症後の人がいないんですよね。百合タイプの人は好き嫌いなく何でも食べる人が多いのですが、それだと発症してしまうのだと思います。理由は糖鎖分解酵素やグルタチオン-S-トランスフェラーゼの分泌量に影響する食材が一部の野菜にあるからです。野菜なら何を食べてもいいというわけではない。

以前インド人を参考にこのような記事を書きました。

ネギ、タマネギ、ニンニク、ショウガなどの単子葉植物と豚肉の組み合わせです。これはアリシンとビタミンB1の組み合わせなので、豚肉以外の食べ物でもビタミンB1が多い食べ物と組み合わせていたらダメだと思います。特に生の状態で混ぜ合わせていたらヤバイ。たとえば餃子とか!

単子葉植物、アブラナ科。

★ ×アブラナ科 ×単子葉植物 (1)

百合タイプの男性は発症前も発症後も同じなのだろうか?少し違う気もするけどもう少しデータが欲しいところ。

これらをどう取り扱うか決めるにはもうしばらく勉強が必要です。

糖鎖をどう受け入れそれを排出していけるのか?!
その仕組みが解明できればもう食べ物に迷う必要はありません。
もしこれがすべてわかった時は、いろいろな食事療法に翻弄されて具合を悪くする人もいなくなるのではないかと期待しています。



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