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給料が安くてもドイツのスタートアップ企業で働いた理由

こんにちは。

私はかつてヨーロッパでは誰もが聞いたことのあるスタートアップ企業で4年間働いていた。

はっきり言って給料はあまりよくなかった。私は1年間日本のスタートアップでインターン・正社員をやったことがあるけど、正社員のころの半分くらいの給料しかなかった。生活は十分にできるほどの給料だけど自分のスペックや学歴を考えるとギリギリと行ったところだろう。同じく日本出身で、職歴が数年あり、学歴が私よりもよければ(私の最終学歴はカナダの大学中退)文句は普通に出るレベルだ。

けど、私は給料が大してよくなくても全然文句はなかった。

それは以下の理由からだ。

1) 基本的に休みたい時に休める

これは私にとって超大事である。なぜなら私は気分や天気がダイレクトに体調に左右される人間だ。どうしてもベッドから起きられない朝もある。そういう時も一言の電話あるいは上司にWhat'sAppでメッセージを送ればもう休むことができる。誰も別にズル休みだとか文句は言わない。これが一番最初の理由なんてお前は会社に勤める資格はないと言われそうだが、こういう会社だったから私はここに4年も勤めることができたのだと思う(笑)

2)休める期間が無限

ドイツの一般的な企業での休みは1年間んで28日前後となっている。うちの企業はそれはなかった。つまり休みたいのならいくらでも休めるということになる。自慢じゃないけど私は半年で40日近く休みをとっていた記録を持っている。もちろん、やることをやっていればいくら休んでも良い。休む前に関係者にやすむことを伝え、いない間自分の業務の一部を面倒見てくれる同僚をねぎらったり(向こうも自分が休むことになったらこっちに頼ることになるので批判はしない)、やるべき仕事は休み前に終わらせる。長期の休みの場合はメールチェックくらいはたまにする。そうすれば心おきなく旅行にでかけることができる。

3)スポーツのアクティビティが無料

ありとあらゆるスポーツに無料で参加することができる。乗馬、水泳、テニス、ジョギング、ボクシング、ダンス、ブートキャンプ、ヨガなどクラスや先生が無料で提供されて参加することができる。参加できるクラスの数の制限も一切ない。企業で働く人の半分が外国人なのでドイツ語のクラスもあった。すべてのクラスに参加することもできるし、自分で払うとなると結構な額になる。

4)無料のランチ、ジュース、水やビールが飲み放題

惣菜やサンドイッチなどは無料でそこにあるだけ食べ放題。スーパーで同じものが売っているが値段は結構高いものだ。パスタサラダ、サンドイッチ、タイカレーなど。ジュースやビタミンウォーターも飲み放題。ビールは数種類が6時以降は飲み放題。金曜日は16時くらいからみんな仕事しながらビールを飲むのは当たり前。

5)5つ星リゾートの会社主催の旅行やイベント

毎年会社が主催する3泊4日くらいの社員旅行が行われて、もちろん無料で参加できる。私が会社に在籍していたころは黄金期でオーストリアの五つ星リゾートやクルーズ旅行に年一度社員全員が招待された。年によって場所は違うものの、朝から晩まで食事やお酒、夜食などもすべて提供され、ハイキングのアクティビティや自由時間などスケジュールはある程度あるもののほとんどがただの旅行といった感じで仕事関係のことは一切やらない。夜はドレスアップするディナーがあり、朝まで会社のDJが音楽を流してみんな酔っぱらう。踊り狂う。

言うまでもなく25か国以上の国籍からなるインターナショナルな環境だし、日本のチームメイト達もかなり個性的な人が集まっていた。職場というよりもコミュニティー感が強く、アクティビティやディナーを通して普段関わりのない人とも知り合えたりできる。金曜日の仕事のあとはみんなルーフトップやキッチンに集まってビールを飲んでゲームをしたり、ビリヤードをしたり、週末も同僚と遊んだりする。悪く言えば仕事とプライベートは混合しており、それが負担になることもある。

私のように20代で旅行やプライベートの時間、QOLが大事で充実させたい人にはもってこいの場所だった。仕事をして旅行、その繰りかえしであっという間に4年が過ぎていった。仕事を辞めた今でも連絡を取り合う友人もできたし、その友人のホームカントリーに訪ねたりもできる。給料は確かに高くはない、けどそれ以上のベネフィットは確かにあったのだ。

ドイツに住んで5年目になろうとしていた年、私は一度ドイツを離れることを決め、自分で個人事業主になることを決めて会社を辞めた。30歳までにそうしようという漠然とした夢があったからそれを叶えることにした。ここから学べることはすべて学んだから。私はもともととても飽きやすい性格で、まさか自分がドイツにこんなに長く住むことになるとは思っていなかったし、一つの企業に4年も務めることになるとは想像もしていなかった。(ドイツに来た当初、私は一年くらいで他の国に行こうとしていたので)様々な理由があったけど、仕事を辞めたことを後悔したことはない。今の仕事は直接会社で働いていた内容と何も関係はないけど、そこで得た経験は確かに糧になっている。

もし、今何かをやりたくても他の人の目が気になるという人がいたら、ぜひやってみてほしい。自分の人生なのだから自分で決めて当然。他の人がなんと言おうと関係ない。その人たちが何かを文句を言うのは、あなたのことが羨ましいからだろう。文句を言う人たちは自分の人生に満足していないので、他の人にフラストレーションををぶつけることをする。そんな人たちの声を気にすることは何もない。そして自分でやりたいことがあるのになかなか決断できないという人は、5年後、10年後、もし自分がやりたかったことをやっていない場合を想像してほしい。その時自分は後悔していないか。それをやっていないとしても幸せだろうか。今やりたかったことを忘れて楽しくやっているだろうか。想像してみて、自分が幸せでなかったら今やりたいことをやるべきだと思う。想像してみて、自分が幸せに過ごしているのなら、それをやる必要はないかもしれない。それは私にはわからない。あなたがやりたいことだから。だから、人が自分をどう思おうが、どう言おうが関係ないのだ。人生は自分が思っているより短い。やりたいことをやらない時間はない。







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