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僕はいつも逆に考える・3 他のお店と自分のお店の比較はしない

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。

割合と強気な見出しで書いているので、
すでに離れてしまった方も多いと思いますし
何だかイケ好かないやつだな、と感じるかもしれません。
もちろん、僕もそう思います。だからお店は無名なんです。
ですが、もう少しお付き合いくださいませ
挑発的な書き方をして注目を集めたい訳でもなく
話はこれから。
僕は至って真面目です。
そもそもこのお話は「幸せな結末」に向かっている予定です。

前回のnoteでは2軒目のお店を創るにあたって
独善的なマイルールを適用し
移転後のお店を全く違う形態にしようとする話でした。
その続きです。

マイルールその②
他のお店と自分のお店の比較はしない

これは当たり前すぎて
長々と解説するほどの話ではないので
読み飛ばしてもいいです。

自分のお店と他のお店を比べたって何もいい事はありません。
すごいと思うお店も、あれ?と思うようなお店も
存続している以上は
どのお店にもファンがいます。
羨んでも、蔑んでも、何の意味もありません
あくまで自分という眼鏡を通して、そう見えているだけです。

他のお店が何をしているかではなく
「自分が何をするか」です。

僕の第2店舗の場合、手っ取り早く言えば高級化がテーマでした
客単価は高く設定する方が難しいです。

誰もが気軽に使えるお店を作るよりも
高級化する方が多くの経験値(ノウハウ)が必要になります。
さらに言えば
ノウハウがあっても、高い理念があっても、お金をかけても、
お客様が来なければ失敗です。

うちは元々カジュアル店ですから、
そういう店づくりをするには、
常連上客の皆様の目線に合わせていくのが近道だと考えました。

20:80の法則というものがあります。
上位20%のお客様が80%の売り上げを作るという理論です。

それでは上位20%だけに向けたお店作りをしたら
どういう事になるんだろう?と。
既存の概念に疑問を持つというのは
僕にとって、とても大切な事なので
延長線上にこういうチャレンジがあるのだと思います。

前述の通り、他のお店とは比べていませんから
周囲に似たような設定のお店はありません

言ってみれば
これまでの8割のお客様を無視するような作戦です。
書けば簡単に見えますが
普通の感覚なら、こんな捨て身のチャレンジはできません
一つ間違えれば終わりで、お店にとっては存亡を賭けた方針転換
それでも、カジュアル店からは卒業したかった。

結果は
お客様がみんな上位20%に変身してしまう
という、予期せぬ結末でした。

もしかすると、離れてしまった方もいるかもしれません
来店頻度が減った方もあると思います
だけど、お客様は意外なほどすんなりと
変化を受け入れてくださいました。

そこに確かな「愛」を感じました。

これまでがカジュアル過ぎたのもあるし
軽井沢のお客様は元々ハイレベルという事にも助けられています。
しかし
一番の障壁は「自分の心」です。
こうじゃなきゃならないとか
変えたらお客様に迷惑がかかるとか
全部自分の中にあるだけで
よく考えたら誰からも
「こうあるべき」なんて言われていないのですから。

マイルールその③は
地域の特性には迎合しない

マイルールその②と似てますが
「自分は自分」という事です。

その頃のお店は北軽井沢(群馬県)でしたが
分かりやすく、信州を例に挙げてみます。
「信州のお店なんだから、信州のおもてなしを」
これ、一般的な視点では当然で
そういうお店は人気があります。

だけど、僕はそうは考えない。

それを求めていないニーズも一定数あります

初めての信州なら信州を強く感じたいけど
10回目の信州なら全部じゃなくてもいい。

観光客と別荘客では滞在に求めている潜在的ニーズが違う

地元目線と、ビジターの目線も違う

見ようによって、価値は表裏一体なので
地域に左右されず
自分のお店なんだから、自分のおもてなしをしようと考えました。
ニッチという程ではないにせよ、選択自体はマイナーです。

「信州の美味しい食材を使う」のは素晴らしいけど
逆に考えれば制約にもなってしまい
自分の大好きな世界の食材を遠ざけてしまう可能性もあるので
僕は内外問わず、
良い物はバランス良く何でも使うスタンスを選びました。

僕は信州出身ではないから
本当の意味での信州のおもてなしはできないので
無理をする必要もない。
(※これは20年間悩み続けてきた問題でもありますから
一言で片付ける事はできませんが、今回は便宜上そうします)

逆に地域という括りではなく
自分なりの表現
をする事で個性は表現できると考えます。

ただ、その個性も一般に広く受け入れられる形でない限り
大衆の目には止まらなくなります。

僕はどんな事でも「一般的な目線」に気付いたら
その逆を張るように心がけているので
いつの間にか、お店は独自路線と言う名の裏街道をひた走る
ようになっていました。

立ち位置はマイナーだけど、その分お客様との結び付きは強く
お客様からの愛がひしひしと伝わってくるお店でした。
それが2軒目(群馬県嬬恋村)での出来事。

そんな風変りなお店が
軽井沢に移転することになりました。
それが現在の3軒目の店舗です。

観光地として王道の軽井沢で、
どんなお店を作ればいいのか?
果たして今までの考え方はどうなるのか?

移転と言うのは転機であり、リセットのチャンスですから
一つだけ決めた事があります。

過去には依存しない。

本当に軽井沢は何もかも違いました。。

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