見出し画像

その4 また次の山へ。 Year3

今回はshigasyachoさんの素敵な写真をお借りしてます、ありがとうございます。

ノベルゲーム製作が一時停止になった後の話です。

うつ病と診断されてから3年目、抗うつ剤も減り身心が楽になったので外に出る不安がかなり減った時期。

ゲーム製作はやむを得ず中断しましたが、とにかく今止まってはダメだと思ったので、アクティブに動いてみようと思いました。

たぶんゲーム製作に向けていたエネルギーを発散する場所が欲しかったんだと思います。

そんな時、父経由でまた全然別の話がきました。
タイミングとは不思議なものです。

話というのは、ヨーロッパ(あえて国名は伏せてます)の大使館で文化交流パーティーがあり、その余興に出演する人が、一緒に楽器を演奏するパートナーを探しているということでした。

探している人はCさんという方でラテンギターを弾く方。
父とは友人の友人という感じで、そんなに親しい間柄ではないそう。
特に楽器が上手くなくてもいいとのことなので、色んな事にチャレンジしたい僕はカホン(打楽器)で参加してみることにしました。

Cさんは僕よりもだいぶ年上の人でした。
ギターは趣味で何年もやっていて、今は仕事を辞めカウンセラーを目指しているそうです。

カウンセリングというのも色々ありますが、一応僕も抗うつ剤を飲んでる身。近しいものはあるので親近感が沸きました。

演奏する曲はCさんの得意とするラテン音楽、スペインやキューバ系な感じです。
ルンバとかボサノヴァみたいな感じでしょうか、あまり詳しくないのですが、お酒やコーヒーの香りのするカッコいい音楽です。

Cさんが一応譜面を用意してくれましたが、僕は譜面を理解し読みながら演奏できるレベルではないので、Cさんの演奏を録音させてもらい、それを聴いて、頭に浮かぶラテン音楽っぽいリズム演奏してみました。

本番まで3か月ぐらいだったと思います、僕とCさんは週2で練習するようになりました。

Cさんはアコギ(アコースティックギター)なので、音楽スタジオを借りる必要もなく、練習はいつも公園でしていました。
オープンエアーというやつですね。
しかも、通りすがりのギャラリー(だいたいが子供)もいるので緊張感もあり、毎回本番みたいな感じで上達も早かったと思います。

ちなみに聴いてくれた子供達は、音を聴くと自然に体を動かし踊りだしてました、こんなに小さい子でも、ジャンルなんて関係なく音を聴いたら踊るんだなと感心したのを覚えています。

なんだかんだとみっちり練習して、そしていよいよ本番。
場違いなんじゃないかと思うぐらいのセレブな空間でしたが、素人なりに精一杯ステージで演奏して無事に終わりました。

緊張はしましたが、コンテストや発表会のような雰囲気ではないので、ほどよくリラックスできたのも良かったんじゃないかと思います。
年齢層がとても高いこともあり演奏後、色々な方達が話しかけてくれて嬉しかったです。

ちなみにCさんはライブがとても気に入ったらしく、文化交流会後も色々な演奏会にエントリーしてくれ、その後も2人で数回演奏しました。
今考えると冷や汗ものですが、ライブ配信とかにも出たり。

という感じで短期間でしたが、Cさんに誘ってもらいあちこちへ行き演奏し、色々な人と交流を持たせてもらうことができました。
普段会うことのない業種の人達だったり、クラシック音楽の世界の人達だったり本当に勉強になりました。

そしてCさん自身とも色々話しました。
ちなみにCさんのカウンセラー業についても興味があったので色々聞いてみましたが、学校のテキストを購入して講習を受けると独立できるというシステムで、さらに独立先の物件を紹介されロイヤリティーを支払うみたいな話でした。

正直それを聞いて先が心配にもなりました…。カウンセリング、カウンセラーといってもその世界にも色々あるんだなと。

でもCさんは僕みたいな、ひねくれた視点から世の中を見る若輩ものの話でも「そうか、そうなんだね」と穏やかに話を聞いてくれる人で、カウンセラー職はピッタリなんじゃないかと思ってました(上から目線ですみませんCさん)。

話を戻して、基本的には穏やかで物静かなCさんですが、ライブになると情熱的な演奏で歌を歌う人。そのスタイルが凄くカッコイイし僕も感化されてちょっと大袈裟ですが、演奏することで自分を表現する楽しさを知ることができました。

この事から僕は、音楽を誰かと一緒に演奏するというのは言葉とはまた違うコミュニケーションの1つで、演奏の一体感を感じると共に相手を知ることでもあり自分を表現することでもあるのかなと思いました。

そもそも演奏している瞬間は、無我夢中になり他のことは忘れてしまうから自立神経の切り替えというか、単純に気分転換にもなりますよね。

これらを総合的に考えると音楽はセラピーとしても十分機能するんじゃないかなとも、この時思いました。

とにかくこんな考えに至るきっかけを与えてくれたCさんには本当に感謝しています。

今回はここまで。

続きます。



いいな、応援したいなと思っていただけたらサポートお願いします! あなたの応援が明日の僕を作ります。 どうぞ宜しくお願いします。