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スクラムチームのパフォーマンス測定方法

よく聞く課題

皆様、自分たちのチームのパフォーマンスがどの程度かご存知の方はいらっしゃるでしょうか?

よく聞く悩みとしては、スクラムを始めてみたはいいけど、自分たちのチームがどの程度パフォーマンスしているのか分からず困っているなんてことをよく聞きます。
スクラムチームの評価は、アジャイルコーチを呼んで、現場を見てもらって判断してもらうしかないと、困っていたりしませんか?
自分たちのチームがどういった観点で上手くいっていないか分からないと、何を改善するのが最も効果的か分からず、伸び悩んでいて苦労することもあると思います。

また、それらを知るためにスクラムマスターが頑張って勉強する場合もありますが、幅広い視野を身につける必要もありますし、観察する観点も広くないと正しくパフォーマンスを理解できず困ってしまうことも多いように感じます。何より、スクラムマスターの学習時間がネックになってしまうことも多いでしょう。

これまでの私の経験とも合致

実は、私もそうでした。私が過去にスクラムマスターをしていた頃、まだまだ伸びしろのあるチームだったにもかかわらず、スクラムイベントの基本的なところができるようになったり、ふりかえりでチームが改善を続けているところで、「このチームは完璧だ」と思ってチームも自分も成長を止めてしまったことがありました。

他にも、自分たちのチームの状態が分からないことに困って、外部のアジャイルコーチにお願いしてチームのレポートをもらっているチームも少なくありませんでした。私もアジャイルコーチをしているときに、よくチームの評価をして欲しいと依頼されることがありました。

しかし、チームの中にいるスクラムマスターが評価する場合、どうしても自分の評価も気になり良く評価しがちになってしまいます。また、評価を外部のアジャイルコーチに依頼するとしても、継続的に依頼してチームを見てもらう予定があるわけでなければ、改善依頼をもらいたいからこそ、無意識に厳しくつけてしまうことも多いのではないかと思います。

解決

私はコミュニティにて勉強する中で、有用なサービスと出会うことができました。
それは、Columinity(旧Scrum Team Survey)と呼ばれるサービスで、学術的にもかなり評価されていて、以下の2つの箇所で同時採択されています。

  • ICSE(ソフトウェア工学で世界最大のカンファレンス)

  • TOSEM(ソフトウェア工学分野でトップクラスの機関誌)

基本的に英語のサービスですが、Chromeの翻訳機能を使ってアンケートをすることも、レポートを読むことができるので言語による障壁はほとんどありません。

こちらのサービスでは、スクラムチームやステークホルダーにアンケートを実施することで、それぞれの評価が表示されます。スクラムチームはもちろん、顧客やユーザなどのステークホルダーや、コーチやリーダーなどのサポーターに回答してもらうことで、より正確なデータが得られます(ステークホルダー、サポーターなど各項目に3名以上回答がないと結果に反映されないようです)

そして、それぞれの項目が何に影響を与えているのか、構成要素は何なのかが図でも示されます。グレーの矢印が太いほうが影響が大きく、細いほうが影響が小さいものになります。それぞれの丸につながっている四角は各項目の構成要素になっています。

さらに、影響の因果関係から、何を重点的に改善することでチームのパフォーマンスが向上するのか?をインパクトも一緒に教えてくれます。

さらに、それぞれの改善項目に対して、どんなワークショップを実施したら良いのかのガイドも付属されます。

やり方

改善のためのアクションは、ちょっと大変かもしれませんか、パフォーマンスの測定だけであれば、1人15分のコストで実施できるため、非常に手軽でおすすめです。

評価方法

Columinityのサイトから、代表者が登録してアンケートに回答しましょう。アンケートは、Chromeの機能で翻訳して実施する場合、10分〜15分で実施可能です。
そして、アンケート回答後に得られる関係者へのアンケートリンクをスクラムチーム(PO、SM、Dev)、ステークホルダー、サポーターにURLを渡して回答をお願いするだけです。

改善策のアクションとして紹介されているPDFには、大まかなワークショップの流れと、細かい時間の流れまで書かれていて、実行しやすいものになっています。

改善方法

スクリーンショットを掲載しているマネジメントのサポートであれば、4つのワークショップと1つのクイックスタートのワークショップがあります。(スクリーンショット最下部)こちらはPDF形式でダウンロードのため、Chromeの翻訳機能ではなく、DeepLのPDFの翻訳機能を使うことで、ワークショップの説明を日本語に変換することができます。

また、これらのアクションを行動としてピン留めすることができ、一度実行すると決めたものが再度探すときに手間がかかりづらくなっています。

注意

個人の主観による評価のため、人事評価に利用したり、他のチームと比較することに利用すると、それぞれが高いスコアをつけるようになり、正確な診断ができなくなってしまいます。そのため、人事評価やチーム比較に使うことは避けましょう。

有料版であれば、過去のアンケート結果も残せて(無料版だとデータの閲覧は1ヶ月)過去の結果と比較することができます。

スクリーンショットは、旧サービスのScrumTeamSurveyのものなので、若干異なるかもしれません、申し訳ありません。

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