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どうあるべき?公共施設―10/16~週に読んだ本

こんばんは。
先週読んだ本のまとめを、書きたいなーと思いながらあっという間に木曜日です!(驚)
今週も外出やら研修運営やらでバタバタしているのですが…。先週は先週で、平日残業が多く、あまり読書できなかった&読めたのも仕事に関わる本で、なんだか世界の広がりに欠けるラインナップです。

そんな中で読んだのはこちらの2冊です。

  • 菅谷明子『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告』

  • ニッセイ基礎研究所/いわき芸術文化交流館アリオス『文化からの復興』

教育、まちづくり、最近は公共施設の活用についても考える中で大変示唆的な2冊でした。

菅谷明子『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告』

こちらはニューヨーク公立図書館の取り組みを紹介するとともに、図書館の可能性について論じた一冊です。
日本の図書館は、本がたくさん並んでいてそれを館内で読んだり借りて読んだり、という印象が強いだろうと思います。
一方でニューヨーク公立図書館では、資料のデジタル化が進められ、また資料の閲覧・貸出以外にも起業や就労への支援、交流イベントなどもさかんに行われています。

日本の図書館に比べて多機能化が進んでいるのは、
・公民館のような施設がなくて、図書館が複合施設化せざるを得ない
・民間資金も豊富に集められている
といった、アメリカならではの背景もあろうと考えられます。

けどやはり、どうしても羨ましいと感じずにはいられません!
読書好きとしては、本が並んで読めるだけでも魅力的な場所ですが、様々な機能を持って多くの市民に愛される場所になることも喜ばしいことです。

日本の図書館を刷新していくには、
・公共施設の縦割り:90年代のハコモノ行政で、似たような施設が沢山建てられている
・司書の待遇改善
などから改善していく必要があるのではないか?機能を増やすだけでは図書館員や司書に負担がかかるだけにならないか、と危惧します。

実現するのは遠い先になるかもしれませんが、まずは議論を始めることが大切で、ニューヨークの事例はその起爆剤になってくれるのだろうなと思いながら読んでいました。

ニッセイ基礎研究所/いわき芸術文化交流館アリオス『文化からの復興』

2冊目はこちら。福島県いわき市にある文化交流施設アリオスの実践事例、震災からの復興のストーリーを描いた一冊です。
(仕事で一時期福島に居たのに、一度も行ったことないのが恥ずかしい…)

文化交流施設として建てられたアリオスですが、震災直後は避難所や市役所の分庁舎の代わりとして使われていました。
正直こうした利用に、はじめは若干の違和感を覚えました。しかし「非常時だから仕方ない」という気持ちよりも、「アリオスの『お客様』は、市民みんなである」という理念が根付いているからこその貢献なのだということが読み取れて感銘を受けました。

そして、この本からも文化芸術の力を感じました。震災という非常事態の中で、急ぎで必要なものではないことは事実です。今をしのぐには無力かもしれませんが、未来を描く上では重要になるのが芸術。そのことに改めて気付かされるのでした。

どうあるべき?公共施設~まとまらないまとめ

この2冊を読んで感じたことは、図書館、ホールをはじめとする公共施設には多機能化・複合化が求められるようになってきたということ。

吹奏楽やオーケストラをやってきて、且つ読書好きな私にとっては、図書館もホールも身近な場所でした(客観的に見ると個別性の高い場所なのかもしれませんが)。
自分の好きな場所・思い出の場所が、多機能化し、より多くの人に親しまれるようになることは嬉しいことだと感じます。

ただその一方で、マニア(本好き・芸術好き)の場所はどう作られていくのだろう?という疑問も生まれました。最近はやりの私設図書館のように、民間が作っていくのか。どこの自治体も予算が限られている中で、分化した施設・一部の人のものになりがちな施設は「こんなものに税金を使って…」と煙たがられる存在になってしまうのか。
そんなことも考えさせられた次第です。

ハコモノブームで沢山建てられた公共施設も、今は老朽化が進み、解体や改修がこれからの課題となっています。こうした中で、新たに立てる建物にはどのような機能を持たせるのか?分化した施設を今後も作るのか否か?様々な選択肢に直面していくだろうと思います。
こうした中で、今回取り上げたこの2冊は多くの示唆を与えるものです。

世の中的にも、自分が今携わっている仕事にとっても、ホットな話題で、私自身言語化しきれていない部分も沢山あります。だからこそ、引き続き考え続けたいテーマでもあります。
ここまで、お読みいただきありがとうございました!


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