【文献要約】ゴールベースドシナリオ/保護者向けルール作り啓発教材/スマホ利用

引用文献

安藤明伸・鳥村理人・川田 拓(2016)スマートフォンの利用に関する保護者向けルール作り啓発教材の開発と評価『日本教育工学会論文誌 』40(Suppl.),033-036.

『スマートフォンの利用に関する保護者向けルール作り啓発教材の開発と評価』

要約


・家庭におけるスマホの利用に対して実効性のあるルールを家庭内で作ることを啓発する教材の開発を目的とした。

-関連の研究が2011年くらいから続いてこの研究が2016年。そして、現在が2020年。スマホの利用に関するトラブルは増えているし、中々浸透しづらいんだろう。全国的に一律で行ったりしているのかな。子どもを持つ親としては心配ではある。まあ、本研究のように親がきちんと子どもと話をしていくことは重要だと思う。学習の基本は家庭だよね。学校ももちろん学習を行うけど、学習を行えるかどうかは家庭環境によるところが大きい。

・保護者会等で利用されることを想定し、冊子形態で作成した。

-学習者の利用を想定してメディアを検討するのは素晴らしい!ん?でも基本的にGBSはパソコンを使用するのだと思っていたのだけど。いいのかな?この部分はもう少し僕の学習が必要だな。おー、読み進めると、教材の全体構成の図が載っていた。これでいくと、選択する答えによって、飛ぶページが変わるみたい。なんか昔、チャレンジの赤ペン先生でこんな教材があった気がする。チャレンジをやっていたのが20年前くらい前だけど、その頃には、GBS理論を実際にやっていたのかもしれない。そう考えると感慨深いですな。

・保護者会等で4-6名のグループで話し合いながら進めることを想定した。家庭内でのルール作りの必要性に関する啓発に主眼をおいた。

-なるほど。自分の子供とどうやって話し合いを設けるかを行動に移せるようにグループワークを行うのか。これは、実践的で良いアイディアだ。是非僕の授業でも使わせてもらおう。

・小学校教員108名を対象の教員研修で45分間の模擬授業を行った。子どものシナリオから行う群と親のシナリオから行う群に分けた。子どものシナリオから行う群は「子どもの状況・気持ちを考えることができたと思う」が高い評価となった。アンケートも実施した。「家族でスマホを使う時のルールを作ることの必要性を感じた」に高い評価を得た。

-どちらのシナリオから行うかで結果が異なるのか。これは興味深い。例えば、患者さんのシナリオと作業療法士のシナリオを作って疑似体験すると学びが変わるんだろうな。この辺りの研究もやってみたいな。


僕の勝手な所感

アイディア満載の研究だった。1つは、グループワークの使い方。もう1つはシナリオの提供の順番による教育効果の違い。僕の授業では、グループワークを多く取り入れているけど、この辺りの工夫はまだまだだな。例えば、作業療法士として患者さんに治療を考えたり、対応方法を検討したりするシナリオは提示するけど、患者さん視点とか他職種視点のシナリオはない。患者さん視点は面白いなー。これは、教材の創作意欲が掻き立てられる!


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