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【心理学は哲学から生まれた】両者の関係性について解説

いつも記事をご覧いただきありがとうございます。
Biz Craftです。

今回は少し形而上学的な哲学について取り扱っていこうと思います。
(形而上学的というのは、実体のないものについての存在の根源を問うものです)

思うに文学作品に見出せる哲学というのは、比較的わかりやすい概念といえます。

というのも、人生哲学という意味合いが大きいからです。
作者の生き方の指針、とでもいうのでしょうか。

しかし明らかに人生哲学形而上学的な哲学とではその性質を異にしていると思われます。

なので今回のようなテーマは、今後メインテーマに統合するか、独立したテーマとして扱う予定です。

なお本記事は、以下に興味がある方にとっては参考となるのではないかと思います。

✅抽象的な哲学をわかりやすく学びたい方
✅心理学の成り立ちについて興味がある方
✅哲学と心理学の関係性に興味がある方


1️⃣記事作成の経緯

最近自身のテーマを振り返ってみますと、心理学の色彩がすっかり色濃くなってしまいました。

実はこれには理由があります。

私はもともと哲学というジャンルに人一倍興味があったのです。
ただ哲学と心理学はどちらも人の思考・感情・行動について取扱う学問です。

このことから、自然と心理学にも興味が湧いてきたというのが正直なところでしょう。

さらに心理学というのは、もともと近代心理学が確立されるまでは哲学の一領域として扱われておりました。

はるか昔、古代ギリシャ・ローマ時代から顔と性格の関連性、血液と性格の関連性について論じられるなど、人の心の働きは哲学のメインテーマの一つだったのです。
(これは別記事でエニアグラムを取り扱った記事がございますので、ご参照いただければと思います。)

こうした経緯から、心理学誕生のきっかけと哲学の関係性について触れてみようと思った次第です。


2️⃣哲学と心理学の関係性

もともと人間の心については、その身体との関係性について論じた大哲学者が存在しました。

プラトンアリストテレスです。

しかし両者は子弟の関係にありながらも、全く正反対の立場を取っていたのです。

プラトンは人間の心と身体は独立して別々に存在すると考えておりました。
(これは心身二元論と呼ばれます)

これに対して弟子のアリストテレスは、人間の心は心臓に存在し身体が滅びれば心も消滅すると考えておりました。
(これは心身一元論と呼ばれます)

そしてこの二人の立場は、その後の近代心理学にも影響を与えることとなったのです。

古代ギリシャでは他にも、心は脳に存在すると説いた心身二元論者ヒポクラテスが挙げられます。

ちなみに私はヒポクラテスの心身ニ元論に近い立場です。
ここは人によって解釈が分かれるところでしょう。

やがて哲学から心理学を分離するきっかけとして誕生したのが、デカルト物心二元論イギリス経験論でした。

ますデカルトと言えば、コギト エルゴ スム「われ思う、ゆえにわれあり」(「私は考える、ゆえに私はある」)という方法論的懐疑を提唱した人物で有名です。

この概念をわかりやすく表現してみましょう。

「私はあらゆるものの存在を疑ってかかっている。
しかしそれでも確実に存在しているものがある。
それはこうして思考している自分自身である。」

このような考え方です。

この物心二元論は基本的にはプラトンの心身二元論の影響を受けています。

そして人の心は生まれながらにして色んな考え方がインプットされているとする生得説「能力心理学」を提唱しました。

その一方、イギリス経験論ジョン・ロックヒュームといったデカルト的な能力心理学に批判的な立場を取りました。

つまり人の心は誕生の瞬間は全くの白紙で、経験によって習得されるといった経験論的立場をとりました。

これら二つの系譜が後の近代心理学の登場に大きな影響を与えたものとして重要視されるに至りました。

近代心理学はW・ヴントによる実験と観察による自然科学的な手法を導入しました。

これは実験心理学と呼ばれており、現在の心理学の出発点となったわけです。

哲学と心理学には以上のような関係性があったわけです。
なお、近代心理学の詳細についてはまた別記事でご紹介する予定です。


3️⃣本記事まとめ

以上のように、哲学と心理学は人間の心身と思考・感情・行動について理解しようとする際に、お互いに重なり合う分野となります。

今回は少し抽象的なテーマだったかもしれません。

思うに哲学は研究対象が具体的ではない故、敬遠されがちです。

なぜなら哲学というのは、存在、知識、価値、理性、心、言語などの見えない概念についての研究がメインだからです。

一方心理学は、これらの概念が個人の行動や思考にどのように影響を与えるのかを科学的に研究する学問です。

科学的ということは、数値化パターン化など何らかの方法である程度見える化を図ろうという立場です。

なのでその分、心理学の方がイメージしやすいですし興味が湧きやすい分野ともいえそうです。

しかしもともと二つの分野は、人間の心と行動に関する深い理解を求める点では共通しています。

ただアプローチの方法が異なるだけです。

哲学は概念的、心理学は科学的。

まずはこの違いだけでもわかれば、哲学と心理学の関係性が理解できるのではないかと思います。

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