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なぜ選挙で不正が「起こらない」のか

選挙で不正が起きたのかどうかとアメリカで話題ですが、日本の選挙でも「不正が起こっているんじゃないの?」と思ったことはないでしょうか?
そこで今回は発想の転換をして「なぜ選挙では不正が起こらないのか」を考えてみましょう。

不正は簡単に出来る

まず大前提として、選挙の不正はやるだけなら簡単です。たくさんある開票場にスパイを送り込んで対立候補の票を捨ててしまったり、単純に自陣営の票数を水増しして報告してもいいです。大量の投票用紙を管理するのは大変だからごまかすチャンスはいくらでもありそうですよね。

国民の半数以上はそもそも選挙自体に関心がありませんから、投票所で何が起きているのかなんて気にしている人はほとんどいません。不正をするだけならやり方はいくらでもあります。極端な話をすれば、邪魔をする人がいたら脅迫や暗殺なんかしたりして…

しかし、不正の情報管理は難しい

不正をするのは物理的には簡単ですが、不正に加担した人たちの扱いはとても大変です。

1.誰にも見つからないように完璧にやって
2.証拠を完璧に隠滅し
3.不正したことを死ぬまで絶対に誰にも言わない

という3つのことを完遂出来きなければません。もしも二重スパイに騙されたらそこで終わりだし、後々裏切られて不正に関する情報で揺すられてもおかしくありません。不正で選挙に勝ってもその後の人生をいつ壊されるかわかりません。

完璧にバレないように不正をするのはカネがかかる


優秀な人間は不正に人生を賭けないですから、完璧に不正できる人材を確保することは不可能に近いです。映画に出てくるようなスパイ組織を育成管理することができたとしても、そのために膨大な時間とコストがかかります。コストがかかる上に、完璧に実行できるかどうかに保証はありません。失敗したらすべてが無駄になります。

選挙に不正が起こらない理由はまさにここがポイントなんです。民主主義を守ろうとする市民の努力も大事ですが、根幹はそこではありません。

不正をするよりも、選挙対策をしたほうが安いし確実

なぜ選挙で不正が起こらないのか。これは非常に単純な話で、「不正をするよりも、政治的に票を買収したほうが圧倒的に安くて確実だから」です。不正をするための高度なスパイ活動なんて難しいことをせずに、投票前に「この業界にこれぐらい優遇措置を設けて、この団体やこういう人たちに補助金をだしましょう」と話を付けてしまえばいいのです。そうすれば、合法的に買収することが出来るのです。

「5万円配る」と公約して当選した市長が良い例ですね。選挙中に有権者に5万円を渡したら逮捕されますが、公然と「5万円で票を買収します!」と約束してから金を渡せば市民は英雄扱いしてくれるんです。

買収=選挙対策=民主主義


選挙中にわざわざ現金を直接渡すだとか、開票場で票をいじくるなんて、そんな不確実で金のかかる危険なことをせずに、しっかり選挙前後に合法的にカネを渡すのが民主主義です。その対象がいわゆる支持母体と呼ばれるものであり、議員たちの地盤と呼ばれるものです。

政治家の理念だとか理想だとかそういったことが選挙中に言われますが、そんなものはメディア対策ですから無関係です。選挙対策とはもっとしっかり計算した上で行われるものです。

こういった選挙の仕組み上、勝てる候補ほど選挙は不正なくやってもらわなければ困るのです。しっかり票を数えて欲しいんです。大変な労力とカネをかけて選挙対策をしたんですから。だから選挙で不正は起こらないのです(外国勢力が関与しなければ)。


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