【芸能マネジャー奮闘日記4】2ショットチェキを売り捌く！地下アイドルの実態

この記事の続きです。

ライブ開始

控え室を後にした僕たちはライブ会場である1階へ向かった

会場の後ろでパピコのライブが始まるのを待った

数分後パピコの出番が始まった

【よっしゃ！行くぞー！タイガー！ファイヤー！サイバー！
　ファイバー！ダイバー！バイバー！ジャージャー！】

その時、前方からよくわからない掛け声が聞こえ、会場全体に響き渡った

【何ですかあれ】

隣にいたEさんに聞いた

【あれはコールといって、ライブを盛り上げるための合いの手のようなものだ。そのグループのオタク(ファン)がイントロ部分やサビ、間奏の時に曲に合わせて入れてくれている。】

説明を聞き終えるとライブが始まった

パピコはデビュー曲を披露し、会場は盛り上がっていた

オタクは声を張り上げ、メンバーの名前を叫び、メンバーはそれに応えるように手を振ったり、笑顔を振りまいていた

これが地下アイドルか
こんな世界があるのかと初めて知った僕は衝撃だった

ライブは終了し、会場を出るとEさんに声をかけられた

【この後は物販があるからてめさまも手伝ってくれ。ここからが俺たちの仕事だ。】

【物販って何するんですか？】

1枚1000円　2ショットチェキ

【物販っていうのはライブが終わった後にあるオタクとメンバーが交流する時間のことだ。ここでアイドルは自分たちのCDやグッズを売る。ただパピコはデビューしたばかりでまだグッズはないからチェキを売るんだ】

【チェキ？】

【2ショットチェキは1枚1000円で販売してる。オタクは1000円払えば好きなメンバーと写真が撮れて、その写真にメッセージを書いてもらえる。そしてメンバーと1分間おしゃべりができるんだ！】

Eさんから物販の説明を聞きながら僕たちは会場横の物販エリアに移動した

すると既にライブを終えたアイドルたちが物販をしていた

【俺はFとBと物販の準備をするからEはてめさま連れてメンバー呼んできてくれ。】

Aさんから指示があり僕はEさんに連れられメンバーの控え室へ向かった

Eさんが控え室をノックすると、
どうぞーというメンバーの声が聞こえた

ドアを開けるとEさんが話し出した

【皆んな今日もめちゃくちゃ良かったね〜！可愛すぎて俺がファンになっちゃうよ〜】

後から聞いた話だがEさんはメンバーの前でこんな感じでよくふざけているようだ
ただメンバーからすると話しやすく、信頼もされてるみたいだ

メンバーからの反応はないまま、
Eさんは僕のことを紹介してくれた

【最近働き始めたてめさまだ。これからはパピコの現場に来ることも多くなるだろうからよろしくな！仲良くしてやってくれよな！】

僕はよろしくお願いしますと短い挨拶をし、頭を下げた

それを見たメンバーも軽く会釈をしてくれた

【さぁ、今から出発だ！早く準備して行くぞ！】

Eさんの掛け声とともにメンバーと物販会場へ向かった

【てめさま君て言うんですかぁ。よろしくお願いします！】

明るい声でD子が話しかけて来た

【よろしくお願いします。】

【何でマネージャーなったんですかあ。】

【え、おもしろそうだから】

【ふーん。。】

D子は相変わらず可愛く、明るかった

話してるうちに物販会場に到着した

新規ファン獲得へ

【今から、パピコの物販始めます！よろしくお願いします！】

メンバーの掛け声と共に物販が始まった

【チェキ買いたい方はこちら並んでくださーい】

Fさんが高い声でアナウンスしている

すると会場にいたオタクがパピコに注目した

【あの子可愛くない！？】
【おれは隣の子だな！】
【全員レベル高くね！？】

そんなオタクの声が聞こえてくる

チェキ購入希望者は列に並び始め、長蛇の列になっている

【すごいですね、こんなに並ぶんですね。】

【まぁ、デビューしたばかりだからな。最初は他のグループのオタクもどんなメンバーがいるのかチェックするためにチェキを買いに来るんだ。デビューして注目されてる今のうちにどれだけ新規ファンを増やせるかが重要だな。】

Aさんが教えてくれた

【チェキ券を買ったファンはチェキを撮りたいのメンバーの前に並ぶんだ。つまり人気のあるメンバーの列は自然と長くなる。ほら見てみろ、誰が人気かわかるだろ?】

メンバーの方を見るとリーダーのG子とD子の前に大勢のオタクがチェキ券も持って並んでいた

アイドル経験者　リーダーG子

【あの2人が人気みたいですね】

【G子もウチの事務所所属でもともと九州でアイドル活動していたんだ。当時から結構人気はあったみたいで、ファン対応も上手く、歌も上手い】

【てめさま〜、こっち手伝って！】

Aさんと話しているとFさんに呼ばれた

Fさんにカメラを渡され、これでチェキを撮るよう指示された

やり方がわからず戸惑っている僕を見たEさんが近づいて来た

【カメラ貸して！俺が撮るから見てろ】

【はい、チーズ！！】

元気な掛け声と共に写真を撮り続けるEさん

【てめさま！G子と話してるオタクはがしてこい！もう1分以上話してる！】

写真を撮りながらEさんが言う

【はがしって何ですか】

何も知らない僕にFさんが教えてくれた

【はがしって言うのは、1分間のトークが終わったファンをメンバーから離すことだよ。終了でーす。ってファンに声かけていくの。そうしないと1分以上話続けちゃうファンもいるから。物販中はチェキ券を売って、写真を撮って、はがして、写真を撮り続けるの】

物販の極意を教わった僕は、その後チェキを撮り、はがして、撮り続けた

物販が終了し、その日1番チェキ券を売ったのはリーダーのG子だった

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