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朝焼けに消える

愛では足りないような悲しい色
涙を持て余すような寂しい音
波にこの足を忍び込ませる
あの日のあなたみたいに

夢だったのは、あの日まででしょうか
あの日からずっとでしょうか
あなたの笑う日々
あなたのいない日々
3月の風は歌わない
わたしはもう祈らない

朝焼けの美しさと
それを独りで見る侘しさは
あなたはきっと知らなかったでしょう
知らなくて良かったと思うわ
本当にそう思う

もう会えないこと、あなたがいないこと
それさえもまだ嘘みたいだから
波に預けようとした身体も、あの夢の日々も
いつ消えたっておかしくないのね

バイバイするときのあなたは
いつもいたずらをした子供みたいで
だあれだ?って目隠ししてくれるのを
振り返るつもりでいつも待ってる

振り返れば今は、懐かしい浜辺が見える
わたしの行く先は水平線の向こう
会いたいってあなたが言うならば
どこへ行くのも怖くはない
だからどうか声を聞かせて
迷い惑うわたしを笑って
わたしが朝焼けに消える前に

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