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中小企業の人材活用事例集 2 - イエノコト株式会社さま

中小企業庁が出している事例集 (正式名:中小企業・小規模事業者の人材活用事例集)に掲載されている全50社、全てをレビューします。

なお、資料やネットの情報から読み取れる・想像できる内容しかわかりませんので、実態と違う点があるかもしれません。何卒、ご理解ご了承ください。

2本目は、イエノコト株式会社さまです。

イエノコト株式会社は、福岡県太宰府市に拠点を置くリフォーム会社で、「家創りは、暮らし創り」というコンセプトのもと、住宅リフォームを中心に事業を展開しています。

親会社の建設会社から分社化により2012年に設立され、代表取締役社長は淀川洋子氏です。社長をはじめ、従業員は女性が多く、テレワーク制度を導入することで、子育て中の従業員も働きやすい環境が提供されています。


さて、そんな同社の人材活用施策を見てみましょう。



要約

  • 人材要件を明確化した採用

    • 女性:女性目線でのリフォームの提案のため、ポテンシャル採用(未経験可)。

    • 男性:とりまとめ役を期待し、シニア経験者を中心に採用

  • 女性が主体的に働ける制度を整備

    • テレワークによるワークライフバランスの支援

      • 就業規則の整備

      • ITツールの整備

      • SNSによる報告、スケジュール管理など業務手順の整備(簡素化)

筆者作成


ここが成功ポイント

  • 経営方針(女性目線での提案)を見事に人材戦略(女性のポテンシャル採用×シニア男性の経験者採用)に落とし込む

  • 採用や環境整備だけで終わらず、育成まで視野にいれた一貫性・整合性のある戦略


実際何をしてどうなった?

こちらの記事に、テレワークの導入時の対応が書かれていますので、引用します。

使用ツール(無料ツール)

  • グループウェア

  • Web会議

  • メーリングリスト(今だとSlackとかですかね)


使い方

  • それぞれが一週間のスケジュールを事前に入れる

  • 人手が足りない場合は「ピンチヒッター募集」を呼びかける

  • 進行中の現場写真の共有

  • 自宅で夜仕事をする際などは「これから〇〇仕上げます」など一言入れる

テレワークが上手くいかない組織は、おそらくツールを入れただけで終わってませんか?


記事にもあるように、必要なのはコミュニケーションと信頼関係です。テレワークという制度や、ITツールそのものじゃない!

イエノコトさんでは、テレワークをチャンスととらえ、それをスタッフの成長に結びつけました


なぜなら、自分自身で仕事を管理、判断しながら進めるため、受け身ではない積極的な姿勢がうまれ、提案力や生産性があがっているようです


記事では、さらっと書かれていますが、未経験者を採用し、かつテレワークでここまでできるようにするには、その裏には大変な努力や情熱があるのでしょう

事例集に、「失敗とチャレンジを許容する」とありますが、なかなか簡単にできるものでありません


だって立ち上げたばかりの会社で失敗つづきだと、倒産しますよね。。その実行力に敬意しかありません

たんに通勤費や賃料の削減のため、流行だからという理由でテレワークをする組織(そんな会社はないと信じたい)とは雲泥の差です

企業の経営戦略と、人事戦略が一体化するってこういうことだと、なんだか腹落ちした事例です


モノ売りからコト売りへ

この経営方針を実現させる主役が、女性中心のフロントラインのスタッフの皆様

働きやすい環境を作ると同時に、フロントスタッフには責任と権限をもたせているのでしょう

上意下達型ではなく、社長やベテランの男性社員がフロントを支援する体制があるからこそ、フロントスタッフが顧客へ価値を届けることができている


なんだか想像が膨らみます


Web会議の様子をぜひ見学させていただきたいなと思いました


テレワークで働きやすいよー(楽な会社だよー)という温泉のような会社では、絶対ないと思います

だからこそGoogleの口コミも4.8(2023.12.19時点)と高評価で顧客の信頼を得ている証拠でしょう


私も福岡県に住んでいたら、ぜひリフォームをお願いしたいな


参考資料

中小企業・小規模事業者の人材活用事例集 2023年6月


お読みいただきありがとうございました。

2024年2月23日 改訂

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