ウマ娘とリアル馬、どちらにもゾッコンな現役大学生による「馬史」
突然ですがみなさん、馬はお好きですか?
巷では馬を美少女化したゲームが流行っているようで…無事、筆者自身もその沼に引きずり込まれてしまっています(笑)。
というのはさておき・・・私は史学科で学ぶ現役大学生なのですが、「馬」は歴史に大革命をもたらし続けてきたとんでもない存在だったということをご存知でしょうか?
今回は、そんな馬と人間の尊い関係を、「歴史」の観点から書き記していきたいと思います!
歴史と言っても、難しいものではありません。
簡単な、そしてロマンが詰まった物語です…。
「某美少女ゲームから馬に興味を持ち始めた!」という方にはもちろん、「元々世界史における馬の活躍に惚れている!」という方にも楽しめるように執筆させていただきましたので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
それでは、どうぞ!▼
01 : 馬はなぜ家畜化されたのか
まずは、人間が馬を家畜化するまでのおはなしから。
人と馬との交わりの起源を見ていきましょう!
馬が家畜化されたと考えられているのは、紀元前4000年ごろ。
ヤギ・豚・羊などが紀元前8000年ごろから家畜化されていたのに対して、馬は少し遅めに家畜化が始まったとのこと。
なぜ、馬は家畜化されるのが遅かったのでしょうか?
それは、馬が主にステップ気候という寒冷な降雪地帯に生息していて、牛などの反芻動物に比べて消化能力や食性が低く太りにくいため、食肉用の家畜としては向いていないと考えられていたからなんだそうです。
それではどうして、人々は馬の家畜化を思いついたのか?
その理由は、馬のとある習性にありました。
というのも、馬が家畜化されていたとされる中央ユーラシアや現在のウクライナの草原地帯は、その広くが降雪地帯。
羊や牛などの家畜は雪が降った時に、雪の下にある草を人の手を借りずに食べることが難しく、お世話が大変だったのだとか。
それに対して、馬は降雪時にも蹄で雪をかき分けて、自力で草を食べ流ことができる動物。
つまり、上記のような手間をかけずに家畜化できるということに人々は気がついたのです!
先人の着眼点は本当に素晴らしい・・・!
こういった流れがあり、人々はそれまで食料として狩猟の対象であった馬を家畜化することを思いついたというわけなんですね。
このことから、馬の賢さだけでなく人類の賢さをもうかがうことができます。
そして、馬を家畜化してから、人間の社会は急速に発展していくことになるのです・・・
02 : 馬と人間が紡いだ歴史
馬が家畜化されてやがて身近な存在になっていくと、人々は次第に馬の走りに着目するようになりました。
馬は、走る速さや持久力が本当に素晴らしい・・・ということに気がつくのです。
そして馬は、交易時などの輸送や移動の手段として、時には荒地の開拓や農耕にも重宝され、さらには戦争時なのでは戦力として活躍することに!!
紀元前2000年前半(家畜化から2000年後)の西アジアでは、戦車と呼ぶのに値する車両形態が既に出来上がっていたそうなんです。
シリアなどから出土する印象の図柄の中に、馬で牽引する戦車が登場するんだとか。
何とも言い難いロマンがありますね…。
そしてこの馬と戦車の登場は、世界を大きく変えていくことになります。
例えば、かつて存在したアッシリアという国の人々は鉄製の武器と戦車を装備し、さらには騎馬軍団も編制して強力な軍事力を獲得。
そして当時重要な地域であったバビロニアやイラン高原までを征服するといったように、馬が戦場に登場して以来、戦争のやり方や征服の仕方、遠征の仕方などに革命をもたらしてしまったのです。
私が所属する歴史のゼミの教授は、「大航海時代」や「産業革命」があったのと同じように「馬革命」もあって良いのでは?と言っていたくらいです。
03 : 気になる、競馬の起源
最後は、現代にも続く人間と馬の関わり方である競馬の起源についてご紹介します!
そもそも馬の速さを競わせるということ自体は、馬が家畜化され始めた当時から行われていたと考えられているようです。
競馬という概念が初めて文献に現れたのは、なんと古代ギリシャのホメロスが書いた作品、『イリアス』の作中。
こちらの第23歌にて、戦車競馬(戦争競争)というものが登場しているのです!
そしてこの戦車競争というのは、かつでギリシャで行われていた古代オリンピックの種目でもありました。
古代オリンピックについては、別で詳しくまとめた記事を公開中です▼
戦車で競走するのが公式にオリンピックの種目だったなんて今では考えられないことですが、とても興味深い内容ですよね・・・。
そしてみなさんが気になっているであろうサラブレッドの歴史にも、少しだけ触れたいと思います!
サラブレッドとは、18世紀の初めごろのイギリスで競走用に品種改良された軽種馬のことなんです。
人間が創り出した最高傑作とも言われる、サラブレッド。
その始まりは、17世紀〜18世紀。
元来あった競馬文化を通じて、改良などが行われた結果確立したものだと言われています。
当時は体高約152センチメートルほどが標準的でしたが、段々と大型化し、速度も高速化していったのだそう。
今でこそ有名で沢山存在しているサラブレッドですが、そのご先祖さまを辿っていくと、「3大始祖」と呼ばれる3匹の別格の馬に辿り着くので、気になった方はこちらの記事をチェックしてみてください▼
サラブレッドの美しさには、こんなに長くて豊かな歴史があったんですね・・・
今まで、馬を世界史の脇役としか思っていなかった自分を本当に恥ずかしく思います。
「馬」という存在は歴史の観点から見ても、娯楽史という観点から見ても、本当に素晴らしい!!
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いかがでしたか?
今回は、「馬の歴史」について調べてみました。
人類と馬との歴史は遥か昔から存在し、今もなお受け継がれている…。
私は文章を書きながら、歴史のロマンをひしひしと感じまくっていました(笑)。
来月は人生で初めての競馬に行く予定です。
サラブレッドをこの目で拝むことができる日が待ち遠しい・・・!
そしてコロナ禍から脱却できた暁には、レースを大声で応援したいものですね…
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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