デザイナーにコミュニケーション能力が必要な理由
デザインとコミュニケーションって関係あるの?
コミュニケーション、コミュニケーション。
犬も歩けばコミュニケーションに当たると言われるぐらいコミュニケーションという言葉で街はあふれています。
「デザイナーにはコミュニケーション能力が必要です」
I think so too です。
ここで「私はコミュ障だから…」とネガティブなイメージを持ってしまう方もいるとは思います。
でも、ほとんどの方が思っている「コミュニケーション」は、ここでいう「コミュニケーション」とは違うことが多いと思います。
コミュニケーション能力とは?
なんと!
「うまく話す」
「人と話すのが好き」
「面白いことを言う」
とかが一切ないのです。
「スムーズな意思疎通を行う能力」らしいです。
誰の意思を誰に疎通するんでしょ?
そうです。
クライアント(広告主)の意思を、ターゲット(広告を見せたい人)に疎通するだけのカンタンなお仕事です。
いや、難しいです。
大企業案件を携わるスーパークリエイターさんたちでもしょっちゅう下手こいてます。
私達のお仕事は深層心理の代弁者なのです。
クライアントの深層心理を引き出す
「何でもええねんけど、パパっとええ感じにしてくれたらええねん」
という指示をクライアントからいただきました。
さ、いざWebサイトやチラシを作成しましょう!
この指示でできる方がいれば、神です。
千里眼の持ち主です。
毎回同じデザインのテイストを求める常連のクライアントや、企業やブランドとしてのデザインのコンセプトがきっちりしてる時は例外ですが。
クライアントの脳みその中になるふわふわして色も形のない「ええ感じ」をできる限り具象化していくのが私達のお仕事のスタートです。
「そのイメージに近いものはありますか?」
「こんな感じのイメージですか?(既存の広告を見せながら)」
その方の身なりや乗ってる車から推測したりできるかもしれません。
脳内のふわふわしたイメージを、できるだけ形や言葉にしていく。
そんなイメージでしょうか。
ターゲットの深層心理を引き出す
広告主が意思を疎通したい方々のことをターゲットと称しますが、具体的にどこの誰さんでしょう?
そうです。
99%以上の人は、一度も会ったこともない、そして一生会うこともない、よくわからない方です。
家族や友人、目の前の人が何考えてるかもわからないのに、会ったことも会うこともない人の気持ちを考えないといけないのです。
ムリゲー。
ですが、
自分に置き換える
自分の周りの人に置き換える
普段生活してて見かける人々に置き換える
ネット上であーだこーだ言ってる人々に置き換える
等によって、ターゲットのインサイト(深層心理)を推測するしかないのです。
今はWebだと「サイト訪問者の行動データ」なんかが見れたりして、そういうものも利用できる便利な時代。
昔はターゲットの深層心理を知るために、祭りを開いて松たか子が白いお皿をプレゼントしてたりしてたんですよ。
え?
今もある?
さておき、よく知らない誰かと誰かの気持ちを予測するのもお仕事の中で大切なことです。
視覚を利用した情報伝達法
「デザインとは課題解決である」
とドヤ顔で言って、自分の課題(仕事がないとか能力がないとか)を解決できてないデザイナーやらクリエイターやらのことはさておき、クライアントの抱える課題や目的を解決するお仕事であることは間違いありません。
「クライアントの意思」というふわふわした何かを汲み取り、整理して、ターゲットに伝える。
かっこよく言うと「アウトプットする」んですが、おしゃべり上手な飲み屋のママをスカウトし、街行く人に一人ひとりに声掛けし、クライアントの意思を疎通させる。
というやり方は効率が悪いので、紙、ディスプレイ、Webサイト、バナーやらを通じて、不特定多数の方々にいっぺんに意思を伝達するわけです。
「下関産ふぐてっちりコース…9,800円」
この文字列を見ただけで、てっちりを食べたくなる方はいますか?
え?
いる?
そんなあなたはカモです。
そして、素直でピュアネスハートの持ち主です。
詐欺とかに合わないように気をつけてください。
普通は文字列だけでは振り向いてもくれないのです。
人が目の前にある広告を見るかどうかに要する時間は0.2秒とかだったはず。
筆文字で「ふぐてっちりコース」と書き、紙面いっぱいはちきれんばかりに
湯気が出ている「てっちり」の写真をドーンと掲載
9,800円を赤色に
筆で書いたふぐのイラストも載せる
こういうことをしていくと
「お!」
「てっちり!」
「うまそう!」
「食いたい!」
となるわけです。
広告主の意思がターゲットに疎通しやすくなるのです。
で、結局コミュニケーション能力って?
私のnoteなので、私が勝手にまとめると
「他人の気持ちを汲み取り、他人から他人に気持ちを伝達する能力」
なのではないでしょうか?
え?
難しい?
そんな能力はない?
向き・不向きはあると思いますが、そんなもんやってみないとわかりません。
話す
聞く
読む
つくる
書く
体感する
そういうものの積み重ねによって力になっていくって思ってます。
デザイナーを目指す皆様を応援してます。(突然神のような発言)
ということで、本日はコミュニケーション能力のお話でした。
[22.09.22追記]
大人になってから成長するコミュニケーション能力
人と人とのつながりが社会を形成します。
人と人、人の意思と人の意思をつなげるものがコミュニケーションとなります。
人類は言葉を発明し、詳細かつ高度なコミュニケーションを成し遂げ、文明的な社会を築き上げてきました。
そして、文字の発明により、記録し、時間や場所を超えた意思の疎通を可能にしました。
メディアの発達、インターネット網の誕生、スマホの普及によって、コミュニケーションの形は大きく変化しています。
「子どもの能力は9歳までに決まる」という本には「コミュニケーション能力」と「やり抜く力」は「10歳から成長する能力」と書かれています。
社会性
協調性
共感性
の礎となるのが「コミュニケーション能力」とのこと。
人と人とをつなげてくれる「コミュニケーション」。
そのプロフェッショナルになることが、デザイナーに求められる一つの力なのでしょう。
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