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【AND PET】#6 雨はお好きですか?

気圧の変化が不調を招く

リモートワークになってよかったことの1つに、雨の日に出かけなくてもいいという点があります。家の中から木々に降る雨を見ていると心まで潤うように感じますが、いざ外出するとなるとちょっと憂うつです。服や靴、バッグまで濡れるのは気持ちのいいものではありませんし、髪はまとまらずボサボサに。電車など混んでいる場所では濡れた傘の扱いにも気を遣います。加えて、肌寒さを感じるかと思えば蒸し暑くて汗ばんでしまうなど、気温や湿度を今一つ予測しにくいのも厄介です。

外出せずとも、痛みやだるさといった不調を感じるので雨の日は苦手という人もいます。以前から「雨の日は古傷が痛む」というような言葉を耳にしていましたが、ここ数年、天候の変化によって生じる様々な症状を指す「気象病」「天気痛」という言葉がメジャーになりました。クラシエ薬品株式会社が今年の5月に行った調査によると、季節の変わり目などに不調を感じたことがあるという人は全体の47%にものぼり、女性は50%を超えていました。

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出典:クラシエ薬品株式会社調べ

セルフドクター(vol.88)の記事には、気象病は特に気圧の変化による影響が大きく、気圧を感知する内耳のセンサーが過剰に反応して自律神経が乱れ、不調を招くとあります。頭痛、神経痛の悪化、めまい、肩こり、腰痛、気分の落ち込みなどと天候に関連性があるようなら、もしかしたら気象病かもしれません。私も天気の悪い日は肩こりや頭痛が起こりやすいので、特に梅雨時は規則正しい生活を心がけ、自律神経を整えて過ごします。

この春にスタートしたNHKの朝ドラ「おかえりモネ」は、天気予報がテーマになっています。これまでの放送でも「低気圧が近づくと喘息の症状が出やすくなる」といった興味深いエピソードが登場しました。気象予報士を目指す主人公の成長を楽しみながら、天候と体調についての知識も身に付けていけたら面白いなと思います。

動物の行動と雨との関係

動物の行動と雨にまつわることわざに、「猫が顔を洗うと雨」というものがあります。猫の洗顔は、まず前足で顔をこすって汚れを落とし、手についたその汚れをなめとってキレイにするというもの。顔を洗っている頻度と雨に関わりはあるのかというと、我が家の猫、ぼたんを見る限りはあまりない様子です。

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顔というより耳の後ろを洗っているぼたん。舌を出しっ放しです。

この季節に姿をみせるツバメにも「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」ということわざがあります。エサとなる虫の羽が湿度で重くなって低い位置を飛ぶようになるから、それを追うツバメも低空飛行になるのだとか。なるほど納得です。

どちらかというと猫は「雨の日はよく寝ている」という印象があります。朝は私より先に起きているぼたんですが、雨の日は一緒になって寝ているだけでなく、時には私が起きようがご飯の用意をしようが、ベッドから出てこないことも。そのため、私が目覚めた時ぼたんに起きる様子がないと、天気が悪いのかな?と思うようになりました。この確率は結構高いようです。

ぼたんはバスルームにも入らないので、恐らく濡れるのがキライなのだと思います。では、雨の日でも散歩をしている犬は濡れるのが気にならないのでしょうか。

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出典:アニコム損害保険株式会社「梅雨時の愛犬との過ごし方」

アニコム損害保険株式会社が今年5月に行った調査では、雨の日にも基本的に散歩に行くという飼い主さんは33.9%。その理由は「愛犬の排泄のため」が最も多くなっています。完全室内飼いの猫の飼い主としては、家で排泄できない犬の多さに驚きました。

一方、基本的に散歩に行かないと答えた飼い主さんで「愛犬が行きたがらないから」と答えたのは15.6%。やはり雨が苦手、濡れるのが嫌という犬はいるようです。そう考えると、雨は苦手だけれど排泄をしたいから散歩に出かける犬もいるのでしょう。これまでカッパを着た姿をただただ微笑ましく見ていましたが、これからは犬が喜んで散歩しているかどうかその表情にも注目してみます。

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出典:アニコム損害保険株式会社「梅雨時の愛犬との過ごし方」

文・横山珠世
女一人と猫一匹の暮らしから人と猫が共に健康で幸せに生きていく術を考える、株式会社ジャパンライフデザインシステムズの編集兼ライター。『セルフドクター』や書籍などの制作・発行に携わる。