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【AND PET】#23 支援の形、いろいろあるって知っていましたか?

保護団体を支援する方法は?

我が家の猫、ぼたんは保護団体からやってきました。そこでは犬と猫を保護し、新しい飼い主を探したり、譲渡困難な場合は終生飼育を行ったりしています。このような団体の活動は一般の方からの援助によって支えられている部分が大きいのですが、では実際に支援したいと思った場合、どのような方法があるでしょう。

団体によって異なりますが、主な方法は以下になります。

●保護動物を引き取る
その団体に保護されている動物を家族に迎えます。飼い主や動物には新しい家族ができ、団体には新たな動物を受け入れる余裕ができます。

●ボランティア活動を行う
動物の世話や広報活動をサポートします。施設に通って散歩や給餌、そうじを行ったり、譲渡会の運営を手伝ったりする他、細やかな世話が必要な赤ちゃんを預かるミルクボランティア、新たな家族が見つかるまでの一時預かりなどがあります。
また、自身のSNSで保護団体を紹介するといった活動も該当します。

日齢で異なりますが、生後1カ月未満の猫の授乳の目安は1日4~8回、1回あたり5cc~。

●寄付をする
振込やポイント利用での継続的あるいは単発での寄付、保護団体の施設や譲渡会会場での募金、自らの事業や企画したイベントの売上からの寄付などになります。最近では施設整備のためにクラウドファンディングを活用する例も増えてきました。
金銭以外に物品での支援もでき、保護団体が発信しているウィッシュリストから購入して送る、あるいは自宅にある物を送るといった方法がとられます。

新たな支援の形① 猫の推し活『neco-note』

支援対象を「保護団体」というより「お気に入りの保護猫」としたサービスがneco-note(ネコノート)』です。

 様々な事情で、猫と一緒に暮らしたくても叶わない人や支援活動に参加できない人は世の中にたくさんいます。そのような人たちが月会費を払って会員=バディとなり、お気に入りの保護猫=推し猫=ネコバディを支援するというもので、バディはネコバディのライブチャットなどの限定コンテンツを楽しむことができ、ネコバディが所属する保護団体には寄付金が入るというシステムになっています。

推し活で使ったお金の50%が保護団体の元へ。
推し活が他の猫の保護にもつながっていきます。

保護団体にとっては月会費という安定した経済的支援が見込め、持続可能な保護活動が行えます。『neco-note』が目指すのもまさにこの部分。

一方のバディにとっては、単純な寄付ではなく、推しを応援する権利を購入するという心理的に全く異なるアプローチである点が新鮮。投げ銭や課金といった仕掛けが「推したい!」という気持ちをくすぐります。飼い主が見つかれば、自分のネコバディは卒業。寂しさを感じつつもアイドルの幸せな卒業を祝う気持ちで送り出せそうです。

NHKの朝の情報番組で「推し活」が取り上げられたり、『推し、燃ゆ』(宇佐美りん/河出書房新社)が第164回芥川賞を受賞したりするなど、一般的なワードとなった「推し」。「推し猫」という発想もネーミングもいいなと思いました。月額980円~と金額設定もライトなので、より多くの猫と人がつながっていくことを期待します。

新たな支援の形② 電気料金で支援する『どうぶつでんき』

2016年の電力小売り自由化によって、様々な電気料金プランやサービスが出てきました。私自身はナチュラルボーンめんどくさがりということもあって「現状維持でいいや」とスルーしていたのですが、先日、動物福祉団体に寄付できる電気料金プランもあると知りました。

そのサービスがどうぶつでんきです。毎月の電気料金から一定額が動物福祉団体へ寄付されるというシステムで、もちろん電気の質や安定供給に問題はなく、利用状況によっては電気料金もお得になるとのこと(※)。

東京ビッグサイトで開催された国内最大級のペットイベント「インターペット」に出展していたので、スタッフの方にお話をうかがったところ、『どうぶつでんき』では、

・活動実績のしっかりした信頼できる団体を選び、寄付を行う。
・安心してご利用いただけるよう、寄付状況などを定期的にレポートする。

という点に特に留意しているとおっしゃっていました。2021年7月7日のリリースによると、2019年8月から2021年3月にかけて、累計450,000円を動物福祉団体に寄付しています。

「インターペット」で配布されていたチラシ。

日々使用する電気の料金から寄付をする取り組み。こちらも『nook-note』と同様、動物保護活動の持続的な支援につながるものです。消費が複層的な意味を持つ現代社会においては、「自分が大切にしたいことは何か」が、自らの行動を決める上で今まで以上に大切だなと改めて感じました。

※電気料金がお得になるかは「どうぶつでんき」までお問い合わせください。

文・横山珠世
女一人と猫一匹の暮らしから人と猫が共に健康で幸せに生きていく術を考える、株式会社ジャパンライフデザインシステムズの編集兼ライター。『セルフドクター』や書籍などの制作・発行に携わる。