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【AND PET】#18 水分は足りていますか?

猫はあまり水を飲まない?

来年の干支であるトラもネコ科の動物。水を飲む姿も猫とそっくり。

猫はあまり水を飲まない動物だと考えられています

それは、もともと砂漠地帯で暮らす生き物だったため、水が無くても生きていける体になっているからというのが定説。とはいえ、全く飲まないで生きていけるわけもなく、我が家で暮らす猫、ぼたんもちょこちょこと水を飲んでいます。

ただ、猫は人間のようにゴクゴクと飲むのではなく、舌先を水面につけ引き上げる時に水の柱を作って口に含むことを繰り返すという大変器用な飲み方をするため、どのくらいの量を飲んでいるのかはっきりとは分かりません。 
 
水を与えた時と入れ替える時の重さを比べればいいのでしょうが、横着な飼い主はなかなか実行せず。トイレの回数や尿の量から水分摂取の状況を推し量る程度ですが、今のところ問題は無さそうです。

 猫の場合、多飲多尿になると慢性腎不全や糖尿病など様々な病気が疑われます。特に慢性腎不全の初期症状は多飲多尿といわれており、腎臓の機能が低下して療法食と薬で対処しているぼたんのことを考えると、飼い主はしっかり水分摂取量をチェックすべきなのでしょう。反省。

猫に飲ませる水というと、尿路結石の心配からミネラルウォーターはNGといわれています。その一方で、軟水のミネラルウォーターなら問題ないという説もあり、判断に迷った我が家では水道水を与えています。水道水が美味しく飲める国でよかった。

ぼたんはキンキンに冷えた水は真夏でも嫌なようで、暑いだろうからと氷を浮かべて与えた時は、「変な物が入ってるし、すごく冷たいし、私の水に何をした」と言わんばかりの顔をされました。寒くなるとぬるま湯を喜んで飲んでいます。

カリカリを食べた後は必ず水を飲みます。舌の動きは高速過ぎて撮影できず。

また、水を与える場所も工夫が必要でした。ぼたんの場合、カリカリと一緒に置いてある水は飲みません。あまりに水を飲まなくて困っていたところ、友人から「カリカリとは別の所に置くといい」と教えてもらい、その通りにしたらようやく飲んでくれました。今は3カ所に水の器を置いています。なぜ、食べ物と一緒に置かれた水が嫌なのか、理由は分かりません。

 ネットでバズっている猫動画を観ると、蛇口から飲む猫、手ですくって飲む猫などその様子は様々。友人宅の猫は熱帯魚の水槽の水を好んで飲んでいました。猫にも水に対するこだわりがいろいろあるようです。

冬は空気が乾燥する季節

湿度が下がると感染症のリスクも高くなります。

先日、友人から「腕がカサカサ、ブツブツで、寝ている間にかきむしっていた」というLINEが届き、今年も乾燥の季節がやってきたのだなと実感しました。

冬は気温だけではなく湿度も下がる時季です。私はどちらかというと乾燥肌ではないものの、数年前から冬はハンドクリームが手放せなくなりました。これも加齢によるものか……とため息をつく毎日の始まりです。

 気象庁ホームページの「『健康のため水を飲もう』推進運動」を見ると、湿度がぐっと下がるのが11月。12~2月に底を打ち、春からはまた上昇していきます。

ちなみに相対湿度とは、その時の気温における飽和水蒸気量に対する空気中の水蒸気量の比率のこと。空気は気温が高い方が多くの水蒸気を含むため、気温の低い冬は水蒸気量が少なく、相対湿度の数値も低くなるのです。

2011年1月などは平均湿度が36%。この数字を見ただけでなんとなく喉の渇きを覚えます。逆に2019年、2020年の7月は89%と、これはこれでじっとりとした蒸し暑さを思い出させる数字ではないでしょうか。

 さらに気になるのが、室内の空気の乾燥です。

現代の気密性の高い建物の中でエアコンやストーブなどの暖房器具を使うと、空気がより乾燥するのだとか。寒いと空気の入れ替えも気が進みませんし、結露するのもイヤだなと思ってしまいますが、このような意識も室内の湿度を下げてしまうことにつながるでしょう。

体の中の水分は呼気や汗、排泄、皮膚からの蒸発で失われていきますが、空気が乾燥すると呼気や皮膚からの蒸発で失われる量が増えます。

また、気温が低く汗をかきにくい冬は水分が不足していることを自覚しにくくなり、飲み物をあまり摂らなくなるのだとか。感染症対策でマスクを着用していることも、喉の渇きを感じさせなくなる一因になるといいます。

私も夏ほどは飲み物を摂っていないなという感覚があります。

 厚生労働省が後援する「『健康のため水を飲もう』推進運動」によると、人間の体は約60%が水分で、1日で体を出入りする水の量は2.5リットル。水分が不足している状態では脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まり、水分の20%が失われると死に至るのだそうです。

この運動では、寝る前と起床時、スポーツ中とその前後、入浴の前後、喉が渇く前の水分摂取と、こまめに水分を摂ることの習慣化を提案しています。よく言われる「1日2リットル」はちょっと無理だなと思っていましたが、食事で摂取する水分量もありますし、こまめに飲むようにすれば体に必要な量は無理なく摂れそうです。

以前は味がなくて苦手だった白湯も、いいものだなと思うようになりました。

空気の乾燥が猫にとってどのような影響を与えるのかは分かりません。

ただ、人間も猫も快適な湿度は50~60%のようなので、加湿器なども活用し、一緒にうるおい美人で冬を乗り切りたいと思います。

文・横山珠世
女一人と猫一匹の暮らしから人と猫が共に健康で幸せに生きていく術を考える、株式会社ジャパンライフデザインシステムズの編集兼ライター。『セルフドクター』や書籍などの制作・発行に携わる。


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