なぜLBSなのか?~Leadership Launch(GLAM編)~

LBSはOrganizationa Behavior(組織行動論)という分野の研究のパイオニア的存在で、個人レベルで優秀なリーダーはどういう素養を備えているべきなのか、とか、組織レベルでどういう枠組みが一番有効な成果をもたらすのか、みたいなことを学問として真剣に切り拓いている学校です。

日本でいうとLife ShiftとかWork Shiftを書いたLBS教授のリンダグラットンが有名ですが、海外だと「夢の職場」を作る6つの原則を提唱したRob Goffee教授等、すごい教授がLBSには沢山います。
その中でもボス的な存在なのがDeputy Dean(副学長)のRandall S. Peterson教授です。この人は、まさにOrganizational Behaviorの分野を作ってきた超重鎮。(https://www.london.edu/faculty-and-research/faculty/profiles/p/peterson-r-s#.WbVZAsjyhoY

LBSに入ると、その人が監修しているリーダーシップ教育プログラム(MBA Leadership Launch)が必修で課されます。要は何十年もかけて「こういうリーダーは成功してる」とか、「こういう組織は経年でイノベーションをより多く出している」等、学問してきた内容をMBA生に叩き込む為のブートキャンプです。

先日レポートしたAway Dayものその一部なのですが、ついにその本丸ともいえるGLAM(Global Leadership Assessment for Managers:通称グラム)を受けてきました。

「いやいや、世界有数とはいえ、学校で習うリーダーシップって結局実践が伴わない机上の空論なんじゃないの~?」という多少の猜疑心と「でも何か得て帰りたい」という期待を持って挑んだんですが、いやはや全てにおいて期待以上のLBS、しっかり期待を裏切ってくれました。

GLAMは3日間かけてリーダーシップの基礎を叩き込むコースです。

ただ、面白いのは「大企業のリーダーを養成する」為の教科書の正解を叩き込むのではなく、第3者的に「大企業で出世する人はこういう要素を持つ割合が非常に高い」が、まずは「自分がどういう生き方したいのかを考えよう」そして「自分のゴールに到達するためには自分の現状をどう直して行きたいのか自分で設定してね」それさえすれば「達成に向けて必要なリソースと知識はすべて提供します」という自主性に頼ったプログラムになっている事。

初日は「リーダーシップとは」的な講義を受け、その後入学前に終わらせてある360度評価(職場の人から匿名で評価を受けた結果)と、NEO PI(自分で回答した240問の自己評価による性格分析)を開示され、それを自分なりに解釈します。

二日目は、一日目に突き付けられた自己評価と他己評価の差から自ら導き出した改善点をスタディーグループ(固定メンバーの勉強グループ)で行う事業シュミレーション(結構緊張感あり)を実践しながら直す試み。

三日目は、リーダーシップのケーススタディー(Wolfgang Kellerのケース)を通して第三者的に組織のダイナミズムを学び、その後プロのキャリアコーチと1:1でキャリア構築について個別相談。

3日間の最終成果として、①スタディーグループで作るグループ自治憲法、➁スタディーグループの仲間に向けた自分の取扱説明書、➂自分を2年間かけてどう育成していくかの計画書の提出を課されます。

すごく面白い3日間でしたが、深いレベルで自分の不得意や苦手な点、必ずしも好きではない点と向き合う事になるので、3日間の終わりには本当に精魂尽き果てた状態でヘロヘロになりました。

ただ、そんな自分のダメなところを開示したうえで共に乗り越えるべく3日間共に頑張ったスタディーグループの仲間とは一層絆が深まりました。どうやらGLAMには濃密な人間関係を構築することになるスタディーグループの仲を深めるという裏テーマもあるらしく、GLAMを導入してから学期中に空中分解するスタディーグループの割合が大きく減った様です。

GLAMもそうですが、LBSに来て毎度驚くのは、プログラムオフィスも教授も本気な事。冒頭に記載したように、毎度「いやいや言っても授業でそんなん習えるの?」という猜疑心をもって入るのですが、ものすごい直球ぶん投げられて「このボールで自分を鍛えたいかどうかはお前次第だ!」って言われてる気分。

手を抜けば抜けるんだけど、あまりに向こうが真摯に素晴らしいものをぶつけてくるので「参りました!本気で挑みます!」っていう気分にさせられてしまう感じです。

伝わるかなぁ…(笑)。

なんだか恥ずかしいので、この投稿、興奮が治まった頃に見直しま~す。

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