急成長中のフードテックサービスMEALPAL
読者の皆様。このnoteを開いていただきありがとうございます。今回はアメリカ発のサービス「MEALPAL(ミールパル)」についてお話しします。普段は飲食店オーナーの皆様向けのコンテンツを発信していますが、今回はいつもと毛色の違った内容になるかと思います。
突然ですが、読者の皆様の中で「MEALPAL」を聞いたことがあるという方はどのくらいいるでしょうか。もしMEALPALを知っていたならば相当、情報感度の高い方ですね。聞いたこともないよという方も安心してください。このnoteを通して、「MEALPAL」のサービス内容と今後の飲食業界のトレンドまでをお伝えします。
MEALPAL
2016年ニューヨーク初のサービス
創業者はMary Biggins(メアリー・ビギンズ)
アメリカを中心にヨーロッパ、シンガポールなどでサービスを展開中
MEALPALを一言で説明するならば、テイクアウトのサブスクリプションサービス。ユーザーはチケットを購入しそのチケットを使って通常よりお得にテイクアウトできるといったサービスです。最近流行のUberEatsと異なるのはデリバリーではなくユーザーがお店に取りに行く点ですね。UberEatsは確かに便利ですが毎日使うとなると高いですよね。そんな「毎日使いたい!」「美味しい料理をお得に食べたい!」といったユーザーのニーズに焦点を当てたサービスがMEALPALです。価格帯は地域によって異なるのですがニューヨークだとこんな感じ。
12食プラン:$85(9000円ほど)
大体1食あたり700円強で食べられるサービスですね。700円と聞くと高く感じるかも知れませんがニューヨークではランチ1500円が当たり前という物価の高さなのでとてもお得だと思います。
少し話が逸れますがこのMEALPALというサービスを運営している会社は2017年の2月に1500万ドル(16億円程)、同年9月に2000万ドル(21億円)の巨額の出資を受けています。それだけ投資家界隈からも注目されているサービスだということですね。ここまで巨額の出資を受けているスタートアップはあまりありません。世界的にMEALPALのサービス内容が受け入れられると踏んでの出資ですので、日本にもその波は遅かれ早かれ押し寄せるでしょう。そんな次世代の飲食業界を担うであろうMEALPALですが、どのような特徴があるのでしょうか?
広告手段としてのMEALPAL
飲食店にとって広告・宣伝は非常に重要なマーケティングの一部です。日本だと食べログ、ホットペッパーなどが有名ですね。月間数百万人のPV数を誇るサイトです。アメリカにも同じような広告・宣伝サイトは存在します。Yelpなどがその筆頭と言えるでしょう。
しかし最近、いわゆる一般的な広告・宣伝のウェブサイトはユーザー離れに苦しんでいます。なぜでしょうか?理由は大きく分けて二つ。
1 SNSの台頭
2 優先表示に対する不満
1つ目のSNSの台頭については、言うまでもありません。Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSの台頭によりユーザーは飲食店情報をSNSで検索するようになっています。特にZ世代と言われている若年層ではこの流れは顕著で半数以上がSNSを利用して飲食店情報を検索していると言うデータもあります。写真投稿をメインとしているInstagramでの検索は非常にポピュラーです。
SNSで飲食店情報を検索すると、お店の雰囲気や料理のレビューをダイレクトに受け取ることができます。既存の広告・宣伝サイトではレビューの評価が広告費用によって左右されている?のような噂も流れていますね。一方、SNSではフィルターを通さずに情報を取得できるので、より精度の高い情報を得ることができます。その状況に気づいたRettyはいち早く、SNSアプリを公開しました。今では、オンラインで食通が集まる場となっています。
2つ目は優先表示に対する不満です。端的に言うと、優先表示の仕組みは広告費用が高い飲食店順となっています。そこまで理解しているユーザーは少ないでしょうが、ユーザーからするといつも同じような店ばかりが表示されてつまらない...となるでしょう。
ではMEALPALでの広告とはどういった意味でしょうか。新規顧客獲得において一番の難しさは「行ったことのないお店には行きづらい」と言う顧客心理です。この心理をうまく解決しているのがチェーン店です。お客さんはその店舗に行ったことはないけれど、他の系列店に行ったことがあるので料理の内容も雰囲気もなんとなくわかるから行きやすいのです。
では個人経営店舗ではどのように解決すればいいのでしょうか?とにかく初回の来店のハードルを低くすること以外にありません。MEALPALはこの点、素晴らしい広告効果を発揮します。どこのお店で頼んでも値段は同じ、メニューもスマホから確認できる、テイクアウトだからお店に長居する必要もない。ここまで条件が揃えば、お客さんは気軽に新店舗を開拓できます。
そして1度、お店にきたことがるお客さんは気軽にリピートできるようになります。料理の味も値段感も、お店の雰囲気も既にわかっていますからね。
販路としてのMEALPAL
そもそもMEALPALはランチ時間の利用を想定して開始されました。ランチにはピークタイムがあり、日本だとほとんどのお店で12時から13時30分がこれに当たるのではないでしょうか。店内飲食だとどうしても席数に売り上げが左右されてしまいます。しかしテイクアウトランチのサービスであるMEALPALでは席数に囚われずに売り上げをあげることが可能です。
MEALPALではその日の注文情報を午前10時30分に送られてくるので食品のロスも削減でき、仕込みと同時にお弁当の準備を行うことが可能です。電話対応などもなくオペレーションが楽にも関わらず、売り上げの天井を破ることができるMEALPALは飲食店にとって新たな販路になる可能性を秘めています。実際にニューヨークなどの店舗ではMEALPALユーザーからの売上だけで月に100万円近いお店もあるみたいです。
このように高い集客効果と、優れた販路になりうるMEALPALは飲食店が取り入れない手はないサービスなのかも知れません。たまには、日本以外の国で飲食業界がどのように変化しているのかをリサーチすることも必要かも知れません。よくシリコンバレーの流行は5年後に日本にやってくると言われています。米国の飲食業界への着目が今後の成長のカギになりそうですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも飲食店経営者なら知っておくべき情報、マーケティング、最新トレンドなどの記事を書いていますので他の記事も読んでいただけるとありがたいです。
では。
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