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​猫のあかねちゃんが教えてくれたこと

はじめてあかねちゃんと出会ったのは2019年9月。
アニマルコミュニケーションの勉強会でモデルとして参加いただいたのがきっかけでした。あかねちゃんは当時外と家と半々の生活をしているうちにHさん宅で保護猫として暮らしていました。Hさん宅にはあかねちゃん以外にも先住猫やご飯をもらいにやって来る外猫さんなど他の猫さんたちもいる環境でした。

2020年末にHさん飼い猫のMちゃんが脱走したことがきっかけで、Mちゃんのアニマルコミュニケーションのご相談あり、翌年の2/25にセッションの約束をしていました。Mちゃんセッションの2日前の2/23、Hさん宅前で動けないでいたあかねちゃんを発見したHさんはすぐにあかねちゃんを連れて病院へ。血液検査結果が知らせたのは末期の腎不全と酷い黄疸症状でした。即日入院治療が決まり、2/23〜3/8までの2週間入院生活を送ることに。


私があかねちゃんに会ったのは入院した翌々日の2/25。
この日はMちゃんのアニマルコミュニケーションでHさん宅へ伺った帰りに入院中の病院で面会させてもらいました。僅かな時間でしたが、腎臓を中心にヒーリングを行いながらあかねちゃんがどんなに素敵な女の子なのか、可愛くて可愛くて他のどこにもこんなに可愛い子はいないね、とHさんと一緒に伝えました。この時行ったヒーリングで受け取った感覚には、肉体も意識も「生きる」というエネルギーと、Hさんへの愛情と信頼の気持ちでした。

入院してから2週間後の3/8、あかねちゃんは退院しました。
回復したから退院ではなく、Hさん宅で最後の時を迎えるため退院だったのです。Hさんはこれまで愛猫たちとの別れを経験してきた方だけに、あかねちゃんに残された時間も僅かであることをわかっていらっしゃって、自分の時間は全てあかねちゃんと一緒に過ごすと決意されての退院でした。2週間の入院治療の中で、黄疸は多少和らいだものの、腎臓は数値が下がなかったそうです。このまま病院で点滴と強制給餌を続けるよりも、暖かな家の中で自由に穏やかにその時を迎えた方が良いのではないかという考えが医師とHさんが出した最善の意見でした。

3/13、私はHさん宅であかねちゃんに再び会うことができました。その日は横たわったままで体勢を変えたい時にだけ動く程度でしたが、前日と前々日にはあかねちゃんが好きだった近所の方がお見舞いに来てくださって、自らスフィンクス座りをしてその方に甘えていたそうです。辛い状態でも愛情というエネルギーが奇跡に近いパワーを体に与えていたのだとわかりました。
私はあかねちゃんに手を当ててヒーリングをはじめました。あかねちゃんの体は手足がすでに血流が最低限になっていることで冷たく硬くなってきていることがすぐにわかりました。
「死が近い」まるで、1つ1つお部屋の電気が消えて行くイメージです。そして心臓のお部屋だけが僅かに灯が灯っていて、その灯ももう残り僅かな時間しかないこと、その状態であることを知って欲しいという気持ちを伝わってきました。
ヒーリングをはじめてからしばらく経った時、あかねちゃんのすぐ隣に穏やかなエネルギーを感じました。それは先に旅立って行ったHさん宅の先住猫であかねちゃんも一緒に暮らしたことのあるAくんと、もう1頭別の猫さんのエネルギーでした。
「お迎えに来たのかな。寂しくないね、あかねちゃん」
この日は新月。この状態では内側に入るエネルギーと共に旅立ってしまうかもしれない。もし今夜を乗り越えたら、という気持ちでいた時に、「明け方に旅立ちます」というイメージがあかねちゃんから伝わって来ました。いつの明け方だろう?と思いつつ、ヒーリングを終えました。

​あかねちゃんは小柄なキジトラの雌猫でした。
元気な時でも体重は3.4Kg。退院時は2.2Kg。旅立つ2日前は1.8Kgまで減っていました。
私が最後に会った時は、小さな小さな姿になっていたのですが、それでも可愛らしさは変わることなく、綺麗な瞳は健在でしたが、その瞳の視力は今回の不調で失われていたのでした。

一時は一緒に暮らしたHさんに看取りを頼み、大好きな近所の方を呼び寄せてもらい、ヒーリングと最後のメッセージをアニマルコミュニケーターに託し、肉体が終了を迎える準備を実行に移していたんです。
あかねちゃんが願って望んでいたことが現実になっただけのこと。ただそれだけのことなのです。


ヒーリングを終えて帰って来たその日の夜、我が家の愛猫が空中を見ては走り回るという滅多に見ない行動をしていたのですが、愛猫の目線は確実に何かを捕らえている、そのような感じでした。
3/14明け方4:20、あかねちゃんはHさんが見守る中静かに肉体を離れたと、連絡が朝入りました。
我が家の愛猫は翌日は昼まで同じように何かをとらえる目線をしていましたが、夜にはいつもどおりに戻りました。あかねちゃん、我が家に来ていたのかな。Hさんとそのように話したのでした。

​人も動物も植物もその肉体はいつかは死を迎えます。
そのことを想いながら生きて行くことは多くの人が死を受け入れた時からはじまるのではないかと思います。あかねちゃんは体調を崩してから死を迎えるまでの間に何人もの人を動かし、外生活だった猫生の最後は暖かく完全に守られた病院と信頼できるHさんの家を選び、穏やかな旅立ちを実現させたことに深い学びを私たちに示してくれたと、そう思ってなりません。そして、願えば叶うという事実です。

あかねちゃん、ありがとう。またいつか会いましょう。

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