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ベルサイユ便り

2016年の夏に書いた、ベルサイユ初便りです。
ベルサイユ、あれから4年経とうとしている今も好きです。
一番好きなのは横浜だけど、その次に好き、パリよりずっと好き。
コロナ禍が収まり、パリに旅行に来られるようになったら、ぜひベルサイユにもお立ち寄りください。宮殿以外にも、見どころ一杯の、シックでエレガントな街です。きっと好きになって頂けると思います。

横浜からベルサイユに越してきて一か月経ちました。
少しずつ、守備範囲を広げつつ、街を探索しています。

第一印象としては、ベルサイユ、素晴らしすぎる! 
この一言に尽きます。圧倒されるものがあるのです

私達が住んでいるのは、ベルサイユ宮殿から3~4キロくらいの、緑豊かな住宅街です。
ちょっと、いや、かなり田舎っぽくもある。
兄猿の中学は、なんと森の中にあります。

今週は用事があって、カルティエ・サンルイと呼ばれる旧市街地にママチャリに乗って行きました。
宮殿の辺りから、飛び出す絵本がごとき美しさです。
街道はプラタナスの並木が緑の回廊のよう。天井まで高さ10メートルくらいありそうです。
そんな中を夫が高校生のころに使っていたという自転車を漕いで走り行けていくと、おとぎ話か、歴史の本の中にいるような錯覚に陥ります。

先月までは、横浜で、山下港や氷川丸を見ながら自転車を漕いでいたのに、
今日は、太陽王に仕えた宮廷貴族の旧宅が並ぶ石畳の道を走っている自分。
人生って不思議。
全てが現実なんだけど、時々非現実的。

べルサイユは、日本における京都のように、コンサバな人が多くて、お高くとまっているし、外様を受け入れないところがある、と言われています。
兄弟猿は上が中学、下が小学校に通い始めましたが、名簿をみると、笑っちゃうくらい、ほとんどの苗字に「de」や「le」が付いています。
また、構成としては白人ばかりで、東洋人は滅多に見かけません。

その中で唯一の東洋人の私。でも、今のところ大丈夫。
大丈夫というか、パリの時よりも、多くの方々から声をかけていただいていて驚いています。
お店やスーパーでも、気さくな会話があって、何かほっとするものがあります。
スーパーでも、レジに並んでいるときなど、パリでは腐敗した気怠さが流れていましたが、ベルサイユでは、レジの人も配達の人も、笑顔で対応してくれて健全な印象を受けています。
配達のチームなど、もう名前を覚えてくれていて、感激しました!

そうそう、道を渡ろうと横断歩道でタイミングを見計らっていると、車の方が停まってくれるというのも、パリではなかった経験です。

そして、コンサバか、といえば、かなりコンサバ。
が、私、これが嫌いではない。

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皆さんはフランスと言えば、どのようなイメージをお持ちですか?
私の中にフランスの種を植えたのは、この少女漫画、「セシール気分」です。
知っている方いらっしゃるかしら。
フランスを舞台にした青春ものです。
私は、ストーリーよりも、セシールの、少しBCBGなファッションが大好きで、食い入るように読んでいました。

だからパリ暮らしが始まったときは、セシールを探しましたが、滅多に見かけませんでした。たま~に、BCBGな装いのご年配のマダムを見かける程度で、一般的にはワイルドというか、ギラギラ、露骨なファッションの人ばかり。

それが、ベルサイユでは、老若男女がBCBG、女性は皆(大げさ!)セシールなのです。
昨日見かけた女の子は、スリムなインディゴの8分丈パンツに、丸首のネイビーのコットンカーディガンを羽織り、足元は素足にやはりネイビーのBen Simon、そして襟元からはピンクのTシャツが覗いているという、シンプルだけど、小粋なスタイルで愛らしいこと!

もっと幼い子供たちに至っては、戦中戦後の写真で見かけるような、シンプルでシックなワンピースを来ていたり、男の子たちも、半袖の襟付きシャツにちゃんとした半ズボン姿、とまあ、Tres chic、絵になること!
日本でマスターした、だぼだぼのTシャツにフード付きパーカを着たラッパー風スタイルのちび猿は、見事に浮いています。

昔むか~し憧れていたフランスに、21世紀になって出会ったという、やっぱり少し非現実的なベルサイユという……。

毎度のことながら徒然なるままに書いてしまいましたが、まだ目でキャッチした情報が脳に伝わりきってなくて、まとまっていないのだと思います。

また落ち着いたらベルサイユの様子についてお伝えしますね!
季節の変わり目、どうぞご自愛を~。

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