眠れない夜
昨日の夜は、眠れなかった。
体が妙に火照っていて、変な時間に眠ったせいかもしれない。
だんだんと白んでくる空に焦っても仕方ないと思い、諦めるようにコーヒー片手に本を読む。鴨居羊子さんの『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』を読み始める。だんだん鴨居さんの生きていた昔の世界に引き込まれていって、うとうとしてくる。気がついたら朝だった。夢でも現実でもない、不思議な世界にいたような気分。
一旦育てていったアカウントを消して、新しいアカウントでまたSNSを始めることを『転生』というらしい。フォロワーが増えすぎてだんだん発信することが窮屈になってきたら、また新しいキャラクターとして生まれ変わる。
潔くてシステムを飼いならしている感じが、とても良い。インターネットの世界では、私たちは何度でも転生できる(ちなみに転生したアカウントを『転アカ』と呼ぶのだとか)。
私は私に固執してしまうけれど、個性も作り直せてしまう今の若い子たちのほうがずっと強く逞しく生きているのかもしれない。
でも私は私でしかないけれど、誰かの人生をなぞって想像することはできる。夢でも現実でもない世界で、まだ砂ぼこりのたち込める梅田の街を歩いてる。それは転生とは言わないかもしれないけれど。
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