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セザンヌ先生!

≪ パリ滞在記・その36≫
 〜Musée d’Orsay オルセー美術館・⑦ 〜

これも “まさかこの絵の前に立てる日が来るとは思わなかった” 一枚です😊。

ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)。
「気難しく偏屈。無愛想で短気…。」と本で読んでから、彼とは勝手に距離を置いていました。が、しかし。常にとても気になる作家でした。
美術の成績が悪く 何の基礎もない私は、遠近法や平衡感覚など全く気にならず、むしろ親近感を覚える作品が多いのです。

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↑↑↑ (写真はビュール・レコレクション展より)
そして去年<ビュールレコレクション展>で『赤いチョッキの少年』『庭師ヴァリエ』を見た時、すっかりやられてしまいました。理由など要りません、好きです。

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↑↑↑ (写真はコートールド展より)
「その瞬間、私は魔術を感じ、それ以来ずっとこの画家の魔術にかかったように感じている」
これは 展示会で初めて彼の作品を目にした時のコートールド氏の言葉です。

今回、オルセー美術館で『りんごとオレンジ』に会えました。
セザンヌの作品が並ぶ贅沢なスペースにその一枚はあります。

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↑↑↑ (写真はオルセー美術館展示より)
“自然を円筒、球、円錐によって扱う” 、美術的センスがない私にはセザンヌの言葉の意味はよく理解できません。

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では、私はどこに惹かれるのでしょうか。
林檎はいろいろな角度から見せたいし、ピッチャーに水が入っていることも伝えたい。
テーブルが不安定であろうが、布の質感が分かりにくくても、中心軸がズレていてもいいんです。
りんごが転がり落ちようが果物トレーとテーブルクロスが一体化していようが、りんごかオレンジかわからなくてもそんなことも全く気になりません。
画面いっぱい使って、自分が伝えたい要素を強調する姿勢に共感の拍手👏です。
不思議ですね、画面から堂々とした安定感が伝わってきました。
大好きです💕

モネ)「彼こそ、本当の芸術家です」
ゴーガン)「セザンヌ氏は万人に認められる作品を描くための正確な方式を発見したのでしょうか」
ポール・セリュジュ)「見る者に皮をむいて食べたいと思わせるのではなく、ただ見るだけで美しく模写したい気持ちにさせる」
マティス)「セザンヌは私たちみんなの先生です」

先生、私も絵を描いてみたくなりました!
・        <その36>終わり

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