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ラクロスの体力

こんにちは、ラクロス監督の陽一です。

今回は
「ラクロスの体力とトレーニング」
についての内容です。

※以前行ったラクロス講習会の文字起こしです。

◎テーマ

『ラクロスで本当に必要な体力とは?』

◉ラクロスのスタミナ

ラクロスは、サッカーくらいの大きさのフィールドで10人で行います。
ただ、サッカーと大きく違うのは、
フィールドに出ている間は全力でプレーしないといけない
ということです。

ここを理解しているチームとそうでないチームとでは、スピード感がまったく違います。(プレーも判断も)

以下のグラフを見てください。

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縦軸がスタミナ(%)、横軸がクオーターだとします。
多くの人に
「試合中のスタミナをどう使っていますか?」
と尋ねると、先ほどのグラフのイメージを持ってる人が多いです。

つまり、4Qの最後にゼロに近い状態になるようにスタミナを調整しながら使い切るということですね。。

しかし、その使い方は間違いです。
ラクロスでは以下のグラフのようにスタミナを使います。

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このグラフが何を表しているのかというと、
「1プレー1プレーを全力でやってゼロに近い状態まで使う」
「少ない時間で一気に回復させる」

ということです。
この2つを繰り返すということですね。

サッカーでは試合中に歩く、またはジョグするポイントはたくさんあります。
しかし、ラクロスはそういうわけにはいきません。
フィールドに出ている間は「ゼロか100か」の動きになります。特にMFはそれが顕著です。
(「え?別にそんなことないんじゃない?」と思う人もいるかも。でも、実際それをやってるチームと対戦したらスピード感の違いにビビります)

マラソンではなく短距離走の繰り返しだということです。
しかも、それをサッカーと同じくらいのフィールドでやるのだから正気の沙汰ではありません。

◉ラクロス選手に求められているスタミナとトレーニング

以上のことから、ラクロス選手に必要なスタミナというのは持続力ではなくて「回復力」です。

ということは、自ずとトレーニングも決まってきます。

インターバル走、タバタ式、HIIT……
こんなトレーニング群がラクロス選手には有効でしょう。

◉ラクロス選手に必要な意外な身体特性

回復力以外にもラクロスには絶対的に必要な身体特性があります。

まず、そもそもラクロスはスティック(クロス)を使うスポーツです。
つまり、それを扱うための筋力、神経が必要だということです。
これは無視できません。

さて。
ここで以下の論文を見てもらいたいです。

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これは、超ざっくり言うと
『NCAA1部の選手たちの体力測定をしてみた』
というネタに困ったYouTubeみたいな論文です。

そして、論文自体は
「2軍より1軍の方が強かったよー」
という想像を絶するしょーもない結果で終わります。

しかし、、

このフィジカルパラメーターの結果表だけはとても面白かったんです。
それが以下。

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赤枠で囲った部分に注目してください。

「Handgrip(握力)」の平均値がなんと


85.36kg!!

しかも、補欠選手たちの平均も83.28kgとなっています。

握力80kgを超える集団って考えるだけで恐怖ですね。
鬼です。

一応他のフィジカルパラメーターを見ても、たしかに高い数値ではありますが、そこまで驚きの数値ではありません。

この握力だけは日本人と比べて抜きん出ています。
プロ野球選手の強い人でも握力80kg前後、あの大谷翔平選手ですら60kg前後と言われています。

イチ大学生がこれほどの数値を叩き出しているということは、きっと何かあるはずです。

というわけで、論文の主旨とは違うところで意外な発見がありました。
もしかしたら、この「握力」こそがラクロスの最も重要な身体特性かもしれません。

鍛え方も含めて注目していきたいですね。

◉まとめ

今回はラクロスの身体特性についてお話ししました。

①ラクロスに必要なスタミナは持続力ではなく、全力プレーを繰り返し行うための回復力である
②握力強化を考えよう

以上が今回のまとめです。


さて。
ここからは、今回のラクロスのスタミナに関する内容で、さらにマニアック(ラクロス関係者にとってはかなりタメになる話とその情報です)、そして一部批判的な内容も書いているので有料設定をさせていただきます。

ラクロスに超本気の方だけ見てもらえればと思います。

◉近年で最も衝撃的な試合

ラクロスのスタミナに関して、僕はこのスタミナの使い方を意識できているチームは少ないと思っています。

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