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いつ食べるか?

こんにちは。ラクロス監督の陽一です。

◎テーマ
タイミングの栄養学

◉今回の内容は

コロナの影響でなかなか活動できていないチームも多いと思います。
今回はチームでの活動ができていない、または個人でトレーニングを積んでいる方々向けの内容です。

「筋肉を効率よく増やしたい」
または
「太りたくない」
と思ってる人はぜひ最後までご覧ください。

◉結論

いきなり結論ですが、今回の内容で最も伝えたいことは
「間食をすればトレーニングしている人は筋肉がつくし、逆にしていない人は太りやすい」
ということです。

めちゃめちゃ普通のことを言ってると思うかもしれませんが、この普通のことを本当の意味で理解していない人が多いからこそ、あえて今回熱くお話しします。

◉もっと現実的に

筋肉をつけたい、痩せたい、そう思う人はたくさんいます。
そして、そういう人たちに対して「あれを食べればいい」「タンパク質を1日何g摂取して…」「カロリーを何kcalにして…」みたいな小難しい情報がちまたには溢れています。

そして、そんなたくさんの情報にさらされた結果、
食べ物の種類や栄養成分にこだわったり、サプリメントをたくさん購入したりする人が多いのも事実です。

別にそれは悪いことではないですし、こだわりは自由です。

ただ、
「いちいち細かく考えてめんどくさくない?」
と思ってしまうのは僕だけでしょうか?

本人の自由なので個人で食べる分にはお好きにどうぞなのですが、
たとえばそんな人と一緒にご飯に行って
「おれ炭水化物制限してるから」
「これを食べると身体に良くない」
みたいな発言をされた日にゃこっちも嫌な気分になります。
発言をしなくても、明らかに食事制限をしているのがわかる注文をされるのもちょっと気になります。(サラダだけしか食わないとか)

そんな人と一緒に食事したら、自分だけガツガツ食うわけにもいかないじゃないですか。
だから、会食の場にまで食事制限持ち込まないでくれ、一緒に食事をしてる人のことも考えてくれと思うことは多々あります。
会食は食事を一緒に楽しむ場です。
トレーニングではありません。

しかも、多くの場合、その栄養理論は的外れなことが多いです。
だから僕は
「そんなところにこだわったってさほど変わらんよ」
と思ってしまうのです。

◉大学で学んだスポーツ栄養学

僕は大学時代、スポーツ栄養学を専攻していました。
教授はカロリーメイトやエネルゲンをつくったことでも有名な鈴木先生で、
(残念ながら今はお亡くなりになってしまいましたが)
鈴木先生の著書である「実践的スポーツ栄養学」は今でも僕のバイブル本です。

鈴木先生は少々口が悪い(デブにやたら厳しい)先生で、そんなところも非常に好きだったのですが、僕が何より感銘を受けたのは、鈴木先生の「独特の栄養哲学」です。

カロリーメイトやエネルゲンをつくるような先生なので、細かい栄養成分とかにうるさい感じなのかなと思っていましたが、決してそんなことはなく、それどころか、
「とりあえず大学生は1日5個くらい卵食っとけ」
「オレンジジュース飲んで筋トレしとけ」

くらいのざっくりとした説明をする先生でした。

めちゃめちゃ現実的かつ実践的なんです。

確かに、「タンパク質を何g、糖質を何g…」なんていちいち計算して食事を考えるのは非常にめんどくさい。
それよりも「卵5個」「オレンジジュース飲んで」みたいなほうが現実的です。
こんな感じで、鈴木先生の栄養学は、研究のための栄養学ではなく「実生活のための栄養学」だったのです。

◉ミサイル栄養学

鈴木先生から教わった栄養学で最も衝撃的だったことがあります。
それが今回のメインテーマ『ミサイル栄養学』です。

これ、超ざっくり言うと、
「間食に高タンパク質(+糖質)をとれば効率よく筋肉がつくられる」
というものです。

ここからはこの原理について頑張ってわかりやすく説明しますね。

1日3食の食事を例にあげます。

<6時 朝食>
この食事の栄養はどこに届くかというと、ほとんどが内臓に行くんですね。生きるためなので当然です。1日の最初の食事なので優先度の高い臓器に集中的に栄養が飛んでいきます。

<12時 昼食>
この栄養はどこに行くでしょうか?
答えは、ほぼ内臓です。
前回の食事から6時間たって栄養も使い切っているので、また生きるための内臓中心に栄養が届きます。

<18時 夕食>
ここでも同様です。
先ほどと同じように内臓中心に栄養が届きます。

以上です。
これが1日3食の食事とその栄養の届き方です。

ここからわかるように、3食の食事だけでは内臓ばかりに優先的に栄養が届き、筋肉や骨には対して栄養が届いていないんです。

ところが、この3食に間食を挟むと状況が変わります。

例えば、朝食の3時間後に間食をとったとします。

すると、取り込まれた栄養は内臓に行くかと思いきや、内臓的には「すでに朝食で栄養もらってるから今は必要ないよー」となり、栄養は筋肉や骨のような末梢組織に回されます

これが「ミサイル栄養」の原理です。

この原理を使えば、トレーニングに励む人たちの筋肉づくりに効果的なだけでなく、食が細い高齢者や子どもにも非常に効果的です。

高齢者は1回の食事量が少ないこともあって、筋肉や骨に十分に栄養が届きません。これが続くと、歩けなくなったり寝たきりといった健康被害が起きやすくなります。
これを防ぐためにうまく間食をとれれば、筋肉や骨に十分な栄養を送ることができるので、筋肉や骨の衰えを抑えることができます。(もちろん運動も必要です)

また、子どもの場合、成長するための栄養は3回の食事では物足りないので、間食をとることで筋肉と骨の成長をより促すことができます。

子どもの健康を考えて3食だけしっかり食べさせるのではなく、間食も与えてしっかり栄養を補給してあげることが大切なんです。
特に食が細い子はなおさらです。
1回の食事で量が食べられないなら、時間を空けて小まめに食べる。
むしろその方が1回の食事でドカ食いする子より効率よく栄養が筋肉や骨に届くでしょう。

ただ、もちろんですが、間食の内容も大事です。
スナック菓子のような糖分と脂分中心の間食になってしまっては、筋肉や骨ではなく「脂肪」にダイレクトに栄養が蓄えられます。

ミサイル栄養は脂肪についても同様なので、間食を間違えると効率よく太るだけです。

◉いつ食べるか?

いかがだったでしょうか?

このミサイル栄養という原理を知れば、より効率な栄養補給ができます。
「何を食べるかではなく、いつ食べるか?」
これこそが鈴木先生が提案していた食べ方の栄養哲学です。

ちなみに、何度も言いますが、筋肉や骨に栄養を届けたかったらトレーニングは必須ですのでそこはお忘れなく。そして間食も高タンパク質にしてください。

また、最後に余談ですが、
『カロリーメイト』という商品はもともとはこのミサイル栄養をもとにした「アスリートの間食」のためにつくったものだと鈴木先生はおっしゃってました。もちろんエネルゲンもアスリート向きの商品です。
今では健康食品みたいな位置付けになっていますが、実はそんな成り立ちだったんです。

「間食もとってビタミンCも取れれば効率の良い体づくりにつながる、ビタミンCはオレンジジュースなんかでいい」
鈴木先生がそんなことを授業で言うと、大学の近所のスーパーからカロリーメイトとオレンジジュースが消えました(笑)

みんな単純ですが、僕も当時はちょっと遠出してオレンジジュースを買い占めましたよ。

この記事を読んだみなさんの近くのスーパー、コンビニでカロリーメイトとオレンジジュースが品薄になるのを期待しています。

今回は以上です。
それではまた!

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