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みんなと暮らす世界のマチを幸せに! 海外勤務で大きく成長 若手はどんどん海を越えよう!

入社以来、15年間国内での店舗運営に携わってきた佐々木さん。順調にキャリアアップし、次は支店長か ─ というタイミングで突然海外事業部への異動の辞令が。2016年に中国・北京に赴任。その後2021年に成都でのローソン立ち上げのため成都に異動。その大きなチャレンジについて語っていただきました。

成都ローソン副総経理/佐々木ささき 洋武よぶ
1978年、青森県生まれ。小学校2年生から高校卒業までアメリカで過ごす。2001年ローソン入社。仙台での店社員、秋田でのスーパーバイザー(以下、SV)、東北運営部等を経て、2016年に海外事業部異動で北京に赴任。2021年9月、成都でのローソン立ち上げのために異動。副総経理として100人以上の中国のメンバーを指揮し、現在も四川省でローソンを広める事業にチャレンジ中。


見知らぬ土地でゼロからのチャレンジ

──2021年9月にローソン立ち上げのために成都市に赴任したそうですね。この経緯は?

元々重慶にあったローソンの事業会社による地場のコンビニチェーン「WOWO(ウォーウォー)」のM&Aによって成都ローソンを立ち上げることになり、そこを主導してみないかと会社から声がかかったんです。それまでは北京ローソンの運営部長~副総経理という立場で6年間、店舗指導をするSVの育成、FCオーナーや店舗社員の研修、運営部のデータ管理などを担当したのですが、新しい仕事をやってみたいし、チャレンジしがいのあるプロジェクトだと思ったので、「ぜひやらせてください!」と回答しました。

──そうはいってもやはりスタート時は緊張や不安もあったのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。成都に赴任したばかりの頃、ウォーウォーがローソンに変わるに当って、全社員を集めて挨拶と今後の方針や計画を説明したことがあったんですね。最後に、2022年の下半期にはエリア拡大し、成都市以外の都市にも出店する予定だと発表しました。それまではみんなこれからどうなるんだろうという緊張と不安がない混ぜになったような面持ちだったのですが、最後にこう言った時、会場に大きな拍手が巻き起こったんです。この光景を見て、人は未来に希望をもつと前向きになるんだなと実感しました。

私自身もいきなり100人の新しい現地中国人社員と一緒に働くことになるので不安や緊張もあったのですが、このたくさんの拍手で成都メンバーと一緒にちゃんと働けるという確かな安心感が得られたんです。

──成都でのチャレンジについて教えてください。

成都ローソンをゼロから企業として自走できるまでに育てるのが私の現在進行形の最大のチャレンジです。そのために、組織づくりから人材育成、商品、開発、運営、FC加盟店の増加、エリア拡大などに関わっています。要するに経営全般ですね。

現地コンビニをローソン化

──具体的にはどのような仕事をしているのですか?

まずはウォーウォーの約230店舗をローソンに転換するため、改装や看板替え、店舗精査などを行いました。本部に関しては組織図を刷新し人員配置をするところから始め、元々ウォーウォーの社員だった中国人たちと新規雇用契約を締結。ローソンという会社の紹介、企業理念の共有を行い、その後各部署の今後のミッション、役割、業務内容をそれぞれの責任者から担当者レベルまで落とし込みました。人材育成では現場社員に対してシステムの理解、操作、発注、売場作り、接客の重要性などの研修を重ねました。そして加盟説明会もゼロから展開。既存店舗をFC化したり、FC店を新店として立ち上げたりもしました。

これらを現地のメンバーや中国統括、重慶ローソンメンバーなどの協力を仰ぎながら、実行。みんなの尽力のおかげで、2021年11月に無事成都ローソンを立ち上げ、12月にローソンとして出店することができたのです。

見知らぬ異国の地でゼロから組織を作ったり、出店数を増やすのはかなりハードな仕事ですが、滅多に関われる機会はないので、とても貴重でやりがいのある仕事だと感じています。

──成都での仕事の困難な点は?

そもそも成都は約2000万の人口の内、日本人は300人しかいないので、元ウォーウォーの社員の中に日本人と仕事をすることに慣れている人はほとんどいませんでした。それどころか日本人と喋ったことのない人も多くいました。そんな中に私ともう1人の日本人が入っていったので最初はなかなか意思疎通がうまく図れず、苦労しました。

──それはどのようにして克服したのですか?

その時に大いに役に立ったのが、前所属先である北京での経験です。仕事をする中で、他の社員と意見の相違でぶつかることはよくありますよね。相手が文化も風習も育ってきた環境も全然違うメンバーだとなおさらですが、誰が何を言ってもまずはちゃんと聞く、受け止めるという許容する力が鍛えられました。そして、自分とは違う意見でも発言者の過去の経験も含めて聞くと、その真意が理解できるようになったんです。これが北京時代の6年間を振り返って一番よかったと思うことで、この経験なくして成都に赴任していたら、早々に挫折してすでに日本に帰っていたかもしれません。

メンバーとの4つの約束

──どのような思いで成都でのプロジェクトに取り組んできましたか?

お客様に喜んでいただけるローソンを成都という新しい土地でしっかり作り上げたい。これに対して自分がどこまでやれるか、チャレンジしたいという気持ちで取り組んできました。

──仕事をする上で大切にしていることは?

仕事は楽しくないと続かないと思うので、日々明るく楽しく仕事することを大切にしていますし、一緒に働くメンバーにも伝えています。

目標も高ければ高いほど達成した時楽しくなるし、課題・問題も難しければ難しいほど解決した時の喜びも確実に大きくなり、成長しますよね。だからメンバーに対しては単に与えられた仕事をこなして終わりというだけではなく、「仕事キツかったけど楽しかったな」と思えるようなフィードバックや動機づけをするように常に心掛けています。

また、成都ローソンでは本部社員のメンバーとの4つの約束があり、常に口を酸っぱくして伝えています。

【4つの約束】


①人のせいにしない
②嘘をつかない
③店舗に興味を持つ
④笑顔でいる

──このために佐々木さんが実際にやっていることはありますか?

例えば③のために、ライブチャットに出演して拙い中国語で新商品の紹介や感想などを喋っています。実はライブチャットを担当している部署と組織上の関わりはないので、私が出る必要は全くないんですよ。それでも出ているのは、私が出るとほとんどのメンバーが見るので、商品や店舗に興味をもってくれたらいいなと。

──他に特に注力していることは?

成都といえばパンダというほど、中国一パンダで有名な地区なので、成都ローソンとしてパンダを全面に押し出した店作りや商品開発を行っています。観光で成都に来た人々がローソンに立ち寄った際に、パンダのオリジナル商品があれば喜んでくれると思うので、今後も色々企画したいと考えています。

──仕事の喜びややりがいは?

約120名の成都ローソンのメンバーや加盟してくれたFCオーナー、店舗の従業員が笑顔で楽しそうに働いている姿を見たり、彼、彼女らの成長を実感することが今の仕事のやりがいであり、原動力になっています。

中国に赴任して本当によかった

──これまで中国で仕事をしてきた中で印象に残っていることは?

我々コンビニチェーンにとってエリア拡大は大きな決断なので、相応の覚悟が必要となります。新たな物流システムの構築はもちろんのこと、日々FCオーナーとコミュニケーションを綿密に取り、店舗状態を確認しなければなければならない中で、離れた見知らぬ土地に進出するのは大きなリスクを伴うからです。

そんな中、2020年に初めて北京市から約200km離れた地方都市である河北省唐山市に出店しました。その地域に進出した外資系企業はローソンが初で、他のコンビニがないエリアだったこともあり、すごく多くの地元のお客様に喜ばれ、驚くほど歓迎されたんです。入社以来約20年、コンビニ運営の仕事に携わってきましたが、新しいエリアに進出し、そこで暮らす大勢の人たちからここまで特別な存在として歓迎されるという経験は初めてでした。その時、ローソンは地域に貢献できる存在なんだと改めて実感しましたね。同時に、大きな決断をしてここに進出してよかったというのはもちろん、中国に来て本当によかったなと心の底から思ったんです。

成都でも同じで、2021年に新しく8店舗同時開店した時、どの店舗も夜中まで長い行列ができて、大勢のお客様がローソンで買い物をしてくれました。ローソンに対する期待を肌で感じることができたことも忘れられない思い出の一つですね。

ローソンの理念を肌で実感

──そういった佐々木さんの仕事は「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」というローソンの理念を確実に具現化していますよね。

そこまではまだまだ言い切れないですが、確かに今までなかったエリアにローソンを出店することで、地域住民の喜びを直に感じられるので、ローソンの理念を肌で実感できると言えます。

また、理念を具現化するために尽力していることは万国共通で、お客様が喜ぶお店を作るため、常にお客様の立場に立って、日々変化するお客様が欲していること、望んでいることを想像し、サービス、商品開発、店舗運営などに尽力する。これを愚直にやり続けるしかないんです。加えて、我々はFC本部なので、FCオーナーがいかにローソンのコンビニ経営で成功するか、オーナーの立場に立ってしっかり考えて実践することも重要視しています。

それ以外では、パートナー企業と一緒にボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。例えば、貧困地区に対する寄付活動やその子どもたちが喜ぶ活動などは、今後も継続していきたいと考えています。

──今後の目標を教えてください。

日本では一種のインフラとして認知されているコンビニですが、中国ではまだまだその域に達していません。成都のみならず、四川省各地にローソンを広げ、各地域のお客様の日々の暮らしをより便利にすることが最大の目標です。四川省の方々にとってなくてはならない存在を目指し、メンバー共々日々成長していきたいと思っています。

若手はどんどん海を越えよう!

──ローソンの若手社員に対してメッセージをお願いします。

中国に限らずどんどん海外に出てほしいですね。私自身、アメリカや中国で暮らすことでカルチャーショックをたくさん受けたし、逆に日本のよさもわかるようになりました。現地に住んで、日本とは全く違う文化で育った人たちと暮らしたり仕事をすることで、視野が広がるし、いろいろな考え方や意見を受け入れられるようになります。

その広がった視野や人としての器で物事を考えたらより想像力が膨らみ、新しいものを創造できると思うので、ぜひ多くの人に積極的に海外赴任や異文化交流を考えてもらいたいですね。

──ただ、海外で働きたいけど言葉の壁で躊躇する人も多いと思います。言葉の壁をぶち壊すコツは?

確かに私も同じで最初は言葉の壁で苦労しました。一番難しいのが、相手がどこまで理解しているのかを把握すること。私が日本で働いている時から常々重要視していたのが、「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」。それが通訳を介してしか相手に伝えられないのがもどかしかったですね。まずは通訳が僕の思いをちゃんと理解して、その上で相手に伝えてくれないと私の思いは正しく伝らないので。

この言葉の壁をぶち壊すための武器は「笑顔」です。基本的に人と人なので、言葉が正しく伝わらなくても、その時の表情で多くのことは伝わります。つまり、言葉にこだわりすぎず、相手と気持ちをもって接する。そうすると伝わるんです。

もちろん語学の勉強も必要不可欠です。家庭教師をつけて勉強したことで、赴任して6年目くらいには片言なら通訳なしで中国人社員たちとコミュニケーションが取れるようになりました。このように言葉の壁なんて何とでもなるので、どんどん海外に出て一緒に“世界のマチ”を幸せにするために、チャレンジをしてほしいですね!

目指すは「かっこいい親父」

──プライベートについてお聞きしたいのですが、中国での生活はいかがですか?

我が家には3人の息子がいるのですが、彼らに関しては、日本語が通じないインターナショナルスクールに通わせているので苦労することも少なくないと思います。しかし、ポーランド人のクラスメイトのパーティーに参加したり、韓国人の友達と一緒に旅行に行ったりしています。ですので、親としては、小さい頃からいろいろな国の様々な文化や考え方をもっている子どもたちと触れ合うことは、後々貴重な財産になると思っています。

──休日はどのようにして過ごしているのですか?

土曜日は末っ子のバスケットボールの練習、日曜日は3人そろって日本人補習校での勉強がほぼルーチンとなっています。私にとって趣味は子育てで、それは過去12年間、変わっていません。

また、家族みんなで旅行にも行っています。中国には世界遺産が56件もあるので、有名な万里の長城や兵馬俑に行ったり、近くのパンダ基地で癒されたりしています。

個人としての趣味はゴルフです。それと、健康面も考えて、家と事務所間の10キロを1時間ほど自転車を漕いであれこれ考えながらかけて通っています。これもストレス解消法になっています。

──人生の目標は?

これも12年間変わってなくて、かっこいい親父になることですね。子どもが生まれた瞬間から、子どもにとって自慢のお父さんになることを目標に走り続けてきました。そのために、この先も仕事を一所懸命に頑張らなければと思っています。

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