なぜ人はホラー映画に恐怖を感じるのか?
ホラー映画の名作『エクソシスト』(1973年)は怖くない。
『エクソシスト』公開当時、あまりの恐怖に失神者が続出したという話があるが、それは、恐怖というより気持ち悪さによるものではないかと想像する。
悪魔に憑りつかれる少女リーガンの顔が回ったり、緑色のゲロを吐いたりといったシーンは、確かに公開当時、刺激的表現だったと思う。しかし、それらが観客にもたらしたのは、本当に「恐怖」だったのだろうか。「恐怖」でなく「気持ち悪さ」ではなかったか、と感じるのである。
恐怖のメカニズム