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フランス人のマンガ好き〜肩を張らずにフランス41

日本語を覚えたい理由の1番は「マンガを読むこと」らしい。

今では日本の誇る一大文化になった「マンガ」。

きっかけは何でも日本に興味を持ってもらえるのは純粋に嬉しい。

ちなみに「ヲタク/オタク」という概念も知られてきている。

アニメも同時にポピュラーだ。むしろアニメから原作に入るケースが多いように感じる。

フランスに来た当時、いやもっと以前から日本のアニメはテレビで放送されていた。「キャプテンハーロック」「みつばちマーヤの冒険」「マジンガーZ」「アルプスの少女ハイジ」「シティハンター」「北斗の拳」あげ出すとキリがない。70年代から80年代にかけてのアニメは、自分も含めた日本の子供たちだけでなくフランスの子供たちの思い出にもしっかり残っている。

マンガ本が流行り出したのはずっと後のこと。「マンガ屋」はもちろんなかった。本屋の一角を独占するほどの需要もなかった。

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この頃のマンガ本の中には奇妙なものがあった。

日本の漫画の吹き出しは基本縦書き。右から左に読み進む。マンガに限らず日本書籍は「右開き」。フランス人に限らず横書き言語を使う人には、まるで最終ページから読んでいる錯覚を与える。

横書きフランス語を縦に書いても意味が頭に入ってこない。横書きのまま吹き出しに挿入せざるを得ない。余談だがフランスのマンガ本 « bande dessinée »の吹き出しは全部大文字で書かれているので読むのに少し慣れがいる。

結論として生み出されたのが、横書きで左開き。絵は裏返し!なんと右利きの登場人物が左利きになっている!

とはいえこの究極のソリューションは長くは続かなかった。あまりの違和感で不満の声が出たのか、絵柄的に矛盾が出たのかもしれない。

実は最近のフランス語版日本マンガは、横書きの右開きで定着している。結局のところ、反対向きに本を開くジェスチャーに人の方が順応したみたいだ。初めからそうしておいたらよかったのにと思ってしまう。

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手塚治虫から続く日本のマンガ文化。インターネットの普及でいよいよ手軽に触れられる時代になった。フランス人の日本贔屓はマンガに始まったことではない。恐らく世界の他のどの国民よりも日本好きは多いと思う。そこで現代のマンガが更に新しい風をもたらした。

「マンガ」から始まる日本の「オタク文化」はすっかりフランス人の生活に入り込んでいる。

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