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和製フランス語〜肩を張らずにフランス125

フランス語あるあるです。

ここにあるものが全てではありません。それでも結構な数になりますね。

パティスリー関係は当然でしょう。大体パティスリーの本場はフランス。 « pâtisserie »ですから。« baba au rhum » ババ・オ・ラムのことをラム酒入りのスポンジケーキ(アルコール高め)なんて書いてあったら興醒めするでしょう。中華料理屋へ行って回鍋肉のことを豚肉とキャベツの甘味噌炒め。確かにそうなんでしょうが、長ったらしいですよね。それと似たようなものですよ。

身の回りでなんの気無しに使っている言葉もフランス語から来ていたりして面白いです。

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英語がカタカナになっているのを見てもさほど違和感はないんですが、カタカナになったフランス語はフランス語だったと気づかないことが多いです。日本語にない発音を無理やりカタカナで書こうとするのが一番大きな理由。口にして読んでみてもやっぱりフランス語だと思わない。

自分の名前もそう。 « Hiro »。もちろん「ヒロ」です。日本語をフランス語発音にするのは今扱っているテーマの逆ですが、同じような違和感があります。この名前もフランス語発音では「イロ」になってしまいます。 « H »の発音はフランス語にはないのでこんなことになるのですが、これを無理やり「ヒロ」と発音しようとすると « Riro »という綴りになるんじゃないでしょうか?いや、笑い事じゃないです。フランス語講座はこれでおしまい!

ボヌールなんて書かれても「何それ?どこかの喫茶店?」くらいにしか思いませんでした。 « bonheur »。- euの発音は日本語にはないですね。 « négligé »がネグリジェにも結び付かなかったです。シュークリームなんか英語っぽいけれど « chou à la crème »。もう原型を留めてないです。 « avec »も面白いですね。アベック。カップルという意味ですよね。でもavec って前置詞ですよ?誰がはじめにこんな使い方を始めたんでしょうか?責任者出てこい!またフランス語講座になってしまった…

上にあげたリンク以外にも情報が飛び交っているので気になる方は検索してみてください。

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ひとつ思ったのは、これらの和製フランス語、「和製」でもないみたいなので「輸入フランス語?」がカタカナ表現されているのを見ると、どことなく古びた印象を持つことです。この辺りは国文学、フランス文学の専門家に尋ねないとわかりません。ひょっとすると明治、大正時代の文豪が使った言い回しがそのまま現在まで残っているのかもしれません。フランスに滞在した永井荷風や島崎藤村は有名です。

「ふらんす物語」の挿絵

アバンギャルド、シュール、ランデブー、オートクチュールなんて20世紀初頭の香りがしませんか?いや、これらの言葉の「意味」じゃなくて「音」とか「文字列」が醸し出す何か。パリの古い街並み。言葉が土地にイメージを与えて、その土地がその言葉に感化されることってきっとありますよね。これらの和製フランス語を見るとどうしてもフランスの « belle époque »のイメージが頭に浮かぶ。このイメージが日本人の琴線に触れてフランスを魅力的な国に見せているんです(今は随分変わりましたが)。一般論ではありません。あくまで一個人の意見です。

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話がまたかなり飛んでしまった…

この投稿を読まれる方の中には、ずーっと博識な方がいらっしゃること思います。「それは違う」と思われてもそこはグッと堪えていただければうれしかったりして?

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