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フランス語(その2)〜肩を張らずにフランス4

実践での最小限の意思の疎通というレベルでは答えは « Non »。

まず文法を無視して単語を羅列するだけでも一応わかってもらえる。動詞なんか不定形(原形)のままで20年以上なんとかしている友達もいる。余談だが、昔メキシコの人がアメリカでの英語に関して « Speak English, and the door will open… » と言っていたのを記憶している。フランスにいてこういう感情を持ったことはなかった。話せなくて相手にしてもらえなかった経験はない。

勿論聞き取りはどんな言語でも初心者には難しい。けれどフランス語に関しては基本全部聞こえているはず。言語学的に全ての音節を比較的均等に発音するので、速さと曖昧ささえなければ聞こえてはいる。わかるかどうかの話は別として。

イタリア語にも共通することで音節がはっきりしている(ただイタリア人は話すのが速い、速すぎる)。日本語もそう。日本語は機関銃のように聞こえるとよく言われるほど音節を区切る言語のようだ。
フランス語も同じように音節は数えられるくらいにはっきりしている。フランス詩歌の基本は韻よりもまず音節数だと聞いたことがある。

ここの部分、英語だと文の中にまで強制アクセントがあるし単語の発音まで崩れることもしばしばなので聞き取ることができない。予想した音に聞こえてこない。文の一部を飲み込まれでもしたらいよいよ聞こえない。

ぐだぐだと長くなった。要するにフランス語は聞こえる言語。なのでやってみようと思う読者は発音をまずやってみてほしい。日本語や英語にない音もあるのは仕方ない。これだけは慣れるしかない。

それなら文法はやはり英語より難しいのか?

個人的な見解だが、難しいというよりもはっきりと別れているという感じを持っている。
動詞に限ると不定形、複合過去形、半過去形、単純過去形、未来形、条件法、接続法などなど。こう並べるとうんざりする読者の顔がありありと浮かぶ。確かにこれを文法書か何かで知識として覚えようとするとかなり煩雑だった覚えがある。実践抜きでこれをやると沼にはまるか嫌気がさすかの二択になってしまう。

それじゃあ実践でごちゃごちゃにならずに器用に出てくるのか?

結論から言うと出るようになる。
こんなにいっぱい形があるのに?という純粋な疑問を持つ読者には安心してもらいたいくらい。「音」で捉えるとそれほど煩雑なものではないと言うのが自論。

「自分」が話すところから始めよう。一人称の « Je » だけで横並びに見るのが肝心。現在形くらいは知っていることが前提。「食べる」を例にとると、「食べる」「食べた」「食べるよ」の音の違いを意識する。そんなに違いはないはず。そのあとで « Tu » « Il とElle »を同じく横並びに言えるようにする。
これだけで日常生活レベルでの会話はほぼカバーできるはず。

これが頭に入ってきたらほかの活用形も同じように先ず« Je »で言えるようにする(単純過去形は覚えなくていい。これは純粋に書き言葉)。条件法と接続法は時制ではなくて「気分」 « mode »なので、使われる状況が決まっている。別物と考えたほうがいいと思う。

日本にいた頃は一言も話すことがなかったのが現地に入った途端話すようになるのだから何か理由があるはず。その場に入ると待ったなしで「自分」を出さないといけないので当然「自分」中心に言わざるを得ない。逆に言うと複数人称の部分は後回しにしていい。 « Vous » を使うところを « Tu »で言ってしまったとしても気にする人はいないはず。そこは初心者のご無礼ということで済ましてもらえるだろう。

さて少しでもフランス語に興味を持つきっかけになっただろうか?迷っている読者の方々、疑問に思われたならどうぞお気軽にコメントを!全部経験してきた先輩としてアドバイスくらいできるんじゃないかと思ったり思わなかったり、、、

まだ続きます

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