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本気の空気

6時間目、教室で体育授業発表会に向けてダンスの練習をした。

全体練習に入る前にクラスでサビの手前ぐらいまでを仕上げておく計画だ。

場を作り、音楽をスローで流す。

私が踊る。

1列、2列、3列…と列を作り、評定をした。

その中で、全くやらない男の子が2人いた。

IくんとTくんだ。

彼らは隅っこで座り込んでいた。

もっと彼らを巻き込み、やる気を引き出す工夫を凝らすべきだった。

皆は踊る。

しかし、彼らはやらない。

喋ったり、座り込んだりするだけだ。

そんな彼らを横に私は一生懸命踊っている子どもたちを褒めていた。

そんな時、クラスの児童が私に駆け寄りこう言った。

「先生、輪ゴムが飛んできました。」

その瞬間、私は吠えた。

第一声は覚えていない。

不思議と今までとは違う怒りだった。

空気から圧から全く異質のものだった。

「君たちがやらないのは勝手だ。下手になるのも上手くなるのも君達が選べ。」

「しかし、一生懸命やっている人たちに向かって輪ゴムを飛ばすことは許さない。」

「飛ばすのなら、私に飛ばしなさい。いくらでも受け止めてやる。」

「人に迷惑をかけるとかの問題ではない。自分がやった行為がどれだけ人を傷つけているかわかるか。」

声も空気も本気度もとにかく強かった。

怒鳴り声は教育的効果がない。

そう学んできた。

それに反する行為、対応だった。

しかし、だ。

信念を突き通す。
心からいけないと思う気持ちを露わにする。
ただの感情論ではない叱責も時には必要なこと。

そんなことを今、現場で子どもたちと必死に向き合いながら学べている気がする。

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