5/23~29
日曜日 なかいで、毒きのこちゃん『あの娘みゅ~ん』
新宿から明大前で降りて、下高井戸へ。初めてのトラスムンド、大阪王将の定食は余裕で食べきれない。世田谷線に乗って松蔭神社駅、ファミマのフラッペに妥協した後悔と一緒にかき氷やバーをよそ眼にお参り、若葉市公園を抜けて、緑道を歩いて若林駅。蚊に刺された足を捨てて世田谷線で三茶まで、歩いて下北。スズナリで当日券を買って古書ビビビで時間を潰す。
なかないで、毒きのこちゃん『あの娘みゅ~ん』、入江雅人を初めて見た。
幼少期に幸せを誤読した女が、王子様と幸せになるため7人の小人(おじさん)を地下に幽閉するサイコホラー。しかし主人公は美女にひっかけられる情けないおじさん(入江雅人)。
「幸せになれよって、幸せってなんだよ!」と大人が叫ぶところで客席から笑いが起きた、高校生が裁判の傍聴に行くと話す場面もあって、ポカリのCM曲とかも流れた。乙武、順天堂、ポリコレなんかの触り方も雑な気がして、現実に対する解像度への違和感が残る。
オードリーANNを聴きながら帰ったのさ。
月曜日
真空ジェシカ「ラジオ父ちゃん」を聴きながら出社。ガクが30を超えてからようやく太り始めたらしい。Aマッソ・加納さんのartistspokenはレナの話から。ワイドナショーの話をしたけど松本人志の名前が1回も出てこなかった。両A面で話すのかもしれないけど、そんなに憧れ感も持っていないのか。加納さんは律儀に話をかぶせないよう番組をコントロールしているからわからない。
「お笑い50生活50として、テレビが生活の方に入ってきているから仕事内容の変化には特にストレスない、YouTubeも劇場もできてるし」というスタンスを羨ましく思いつつ、仲間という概念にめちゃくちゃ共感した。同期、後輩、友達ははっきりしている。仲間は一緒に作ってる人たち。ここでは話さなかったけど、恋人をどう捉えているか教えてほしい。元カレ全員愛くるしいバカ、みたいに話すのはよく聞く。
許可局「いいとも司会論」でマキタが加納の名前出していて驚いた。
『クセがすごい』友近&バ吾Aのコントの円熟味がすごいのと、コウテイがネタ終わりに叫ぶ「浪速コント革命」と手のひらの紋章が意味わからな過ぎて大好きだった。
火曜日 物語とロジックと人間
かたまりの変なモノマネのせいで共感性羞恥を発動しながら出社。
今日は「大豆田とわ子」と星野源ANNの放送日だし、昨日のODDTAXIとマヂラブクリエイターズが楽しみなのだけど、今夜それらを見て寝たらまた朝になって出社しなくてはいけないの、つらすぎる。
夕方手前ごろに会社を抜ける。新大久保から歌舞伎町までを散歩して、たどり着いたタカノのエレベーターに吸い込まれ、ガラガラの5階で宮崎マンゴーのパフェを食べた。パフェは上部のフルーツが一番の魅力なのは間違いないけど、最下層まで食べ進めるとマンゴーシロップにミルクのゼリーが混ざって、マンゴープリンの味わいと触感が楽しめる。よくできていた。空気階段単独『anna』DVDが売っていないかと久しぶりに言ったタワレコにはKOUGU維新のDVDしかなかった。めちゃくちゃパワーダウンしてるレコ屋を一通り眺めてから出た世界は紛れもなく2021年だった、
帰って、にゃんこスターのYouTubeに加納さんが出ている回、『マヂカルクリエイターズ』漫才管財じゃないか回(にゃんこスターがザコシに殺すぞと言わせていた)、『ソウドリ』『トゲトゲ』『ゴッドタン』を見る。
最近下北で見た二つの芝居に共通していた終わり方。『サマー』は浮気していた旦那と浮気を踏みとどまった妻が自宅でギリシャ旅行に行きたいと話す場面で、『あの娘みゅ~ん』は騒動に巻き込まれにいった兄と救出した弟がボーリング場で投球する場面「遠くを見るんじゃない、近くを見るんだ」と話す。ゼロ地点から事件が起きてマイナスの状況になるも、少し浮上して再びゼロ地点である日常にたどり着くという、何気ない日常が取り戻されたところで徐々に暗転する仕組み。
予想外のどこかに辿り着いてしまう非現実的展開ではなく、日常から少し逸脱するきっかけを踏み抜いてしまった人々の生活が、それでも続いていくとでもいうような作品続きにやるせなさを覚える。世の中のムードが全体体に視野の狭い創作を加速させているような。
そんなことを考えていたら、荒木先生が記した少年漫画の鉄則「常に物語と主人公は右肩上がりにならなくてはいけない」を思い出した。別ジャンルであるが、二作に満足できなかった自分がいま見たいのは少年漫画だと気づき、『ジョジョ』3部を読み始めたのが三日前のこと、今日無事DIOが倒された。
気づいたことがある。聖剣と戦闘するエピソードで勝負が決着しかける場面。剣そのものがスタンドであった敵は、刀身を折られて川へ投げられる。落水は錆びて再起不能、つまり敗北を意味するため、上空を飛ばされている間スタンドは回避方法を必死で考える。そんななか、向かう先に土壁が見えた剣は光明を見出す。壁に突き刺さることで敗北を回避できる、一瞬のうちに安堵を覚えたとスタンドはしかし、うっかり透過能力を発動して壁をすり抜け、川底に沈んで敗北を喫す。
もう一つは、ジョジョが船上で戦うシーン。一度倒されたかのように見えた敵はすぐに息を吹き返し、得意とする水中戦に持ち込もうと人質を掴んで船を飛び降りる。落下中に挑発の台詞をジョジョに吐き捨てたのもつかの間、彼らが海に落ちるまでの数秒間でジョジョのスタープラチナは空中にいる彼らをボコボコにしてしまう。
マンガを読みなれた読者であったら、水中戦の導入が示唆されたところから、それが実際に起こらない可能性を予想しない。聖剣が助かりそうな可能性が示されたとき、それが活かされないなんてまさか予想しない。
しかし、それらは起こる。それが、闘技場のようなルールが明確化されていない舞台での能力の活かし方であり、AI同士の戦いでは再現できない個性や人格が生み出すスキだ。ロジックを絶対視せず、そういう事故を描く作品自体、見ている側の耐性も、年々減っている気がする。
似たようなことは『インフィニティ―・ウォー』でスターロードが起こす。何よりもまずガントレットをサノスの手から外すことが優先される中、感情を抑えきれない行動に走ってしまう。これを見た当時、彼の行いで敗北を喫した状況に怒りを覚えるとともに、理論を欠いた筋に納得できない気持ちもあった。
だけど、今ならわかる。単純な戦力と戦略ばかりで展開を予想することはむしろ、キャラクターを軽んじていることにつながるのではないか。容姿や所作といった特徴ではなく、人がどう動くのかにはそれぞれ理屈があり、それが思わなうところで発露する。それが物語の面白さなのだ。『サマー』にはそれがなかったように思う。
水曜日 俺だって星野源と結婚してるんだよ
星野源ANNを聴きながら出社。特別なものを期待していたわけでも、聴きたい角度があったわけでもなく、ただ星野源にとって新垣結衣との結婚がスペシャルなことなのだと知れて満足した。先週の若林トークゾーンで「メールの内容は絶対言わないけど」とあらかじめ線引きしたうえで、結婚報告に感情を揺さぶられた自身のエピソードを面白く話す若林に、カッケエと思わず呟いてしまったと星野は話していた。
当時の若林の放送を聴いていた自分も、トークする姿勢にちょっとした気遣いは感じてはいたけど、カッコいいとは思わなかった。実際どんな話をしたのか春日が詰めるようなことはしない前提の、それは一種のギャグみたいな、本心をギャグっぽく言ってしまう若林らしいスタイルから出た言葉で、それをカッコいいとしてしまうのは・・いや、これは嫉妬に近いのか。「俺だって星野源と結婚してんだよ!」から始まるカーボーイの太田さんくらいが好きだ。
明日がとんでもない低気圧だから、銭湯に寄る。今日明日で低気圧を銭湯で挟み込む作戦。コロナ以降サウナは閉鎖しているのだけど、水風呂は機能していて、今日初めて熱めのお湯から水風呂に入るプレサウナをしてみた。心臓が水に浸かる瞬間がまだ怖かったものの、体の膜を感じることはできて気持ち良かった。ただ、人より体が熱しやすく冷めやすい気がするから、どうしてもそこまでは充足感を感じられない気がする。
水曜日のフワちゃんで速報として話されてから、ANNパーソナリティが一週間触れ続けてきた星野源結婚トーク、火曜になり本人の口で語られた後に、ようやく順番が回って来たcreepynutsのラジオを聴きながら帰る。
『座王』で久しぶりに堂前が出て優勝、ランジャタイが初出場して、国崎が闘志をぶつけた西田に撃沈していた。『有吉の壁』は会場が狭くて画がガチャガチャしてよくなかった。そして、さらばがいないと物足りない。
最近はジムビームのレモネードハイボールが美味しくて、毎晩二缶飲みながら散歩している。カネコアヤノを聴いたりなんかしてから、久しぶりにニューヨークのニューラジオを聴いてみて、全然面白くなかった。二人に感じる興味が薄れたぶん、話をよく理解していないままに相槌や質問をする嶋佐にイラっとしてしまう。
比較的早くに退社してまっすぐ帰り、寝るまでの時間は映像と音声でお笑いをとにかく視聴するだけの日が三日くらい続いて、いい加減本を読むだの映画を見るだのしろよと自問しながら酔っぱらって寝てしまう。
木曜日 峯岸みなみ卒コン
フワちゃんANNX・加納さんゲスト回を聴きながら出社。
加納ラジオうますぎ。朝はぼんやりしているので、夜になったらもう一度聴くと思う。一日身体がぽかぽかして、基礎体温が上がって健康っぽい感じがする。低気圧の辛さがない。フワちゃんラジオを聴き返しながら帰宅。
峯岸みなみの卒業コンサートが17ライブで無料配信されていた。
現在進行形のAKB48コンテンツで涙を流すのはこれで最後だと思う。「私は私」の1フレーズで始まり、「渚のcherry」で早くもウルっとした。その位置でもかわいいと、当時のオタクのような感情を抱いた。
中学生時代に「beginner」のメガネ峯岸が可愛すぎると友達と盛り上がったこととか、10年前の秋祭りでsornを見たことを思い出した。
OG登場ブロックの衣装が今までみたなかで一番よいもののオンパレードだった。たかみなのRIVER衣装がやばい。後で読んだしのぶさんのnoteもよかった。
やっぱりあの鐘の音がもつ意味は凄まじいものがあるなと思う。
最後の一期生が卒業コンサートのラストを現役メンバーと10年桜やるのすごい。
儀礼的なもの、グロいと思われる部分もあるのだとは思うけど、自分の10代のころの気持ちが乗って、冷静には見られなかった。かつての推しが笑顔で湿っぽくならずに卒業していっただけで幸せだとか思った足元に空き缶が3本くらい転がっていた。
~オープニング~
13歳中学1年生から~峯岸みなみOP映像から~
歩んできた道のり(ゲーム映像っぽく)
1曲目:私は私
2曲目:清純フィロソフィー(峯岸チーム4)
3曲目:LOVE修行(峯岸チーム4)
4曲目:重力シンパシー
5曲目:法定速度と優越感
~トーク~
6曲目:渚のCHERRY
7曲目:逆転王子様
8曲目:また あなたのこと考えてた
9曲目:涙の表面張力
~トーク~
10曲目:制服が邪魔をする
11曲目:Beginner
12曲目:伝説の魚
~3人組のユニットの映像~
13曲目:純愛のクレッシェンドNO3B
14曲目:唇触れず…NO3B
~トーク~(峯岸みなみ・小嶋陽菜・高橋みなみ)
15曲目:Relax!NO3B
~トーク~(小嶋陽菜・高橋みなみ)
16曲目:転がる石になれ(秋元才加・宮澤佐江・チームK)
17曲目:Choose me(入山杏奈・加藤玲奈・横山由依・河西智美・指原莉乃・北原里英)
~トーク~(峯岸みなみ・指原莉乃・北原里英・宮崎美穂)
18曲目:secret base~君がくれたもの~SONE(峯岸みなみ・指原莉乃・北原里英・宮崎美穂)
~トーク~(指原莉乃・横山由依)
~映像~前田敦子
19曲目:RIVER(高橋みなみ)
20曲目:大声ダイヤモンド(小嶋陽菜)
21曲目:上からマリコ(篠田麻里子)
22曲目:ポニーテールとシュシュ(板野友美)
23曲目:ヘビーローテーション(大島優子)
~VTR~
24曲目:希望的リフレイン
25曲目:真夏のSounds good!
26曲目:Every day,カチューシャ
27曲目:言い訳Maybe
28曲目:夕陽を見ているか?
~アンコール~
EN1曲目:私は私
EN2曲目:また会える日まで
EN3曲目:桜の花びらたち
EN4曲目:10年桜
金曜日
峯岸みなみが東京FMでやっている番組の前田敦子ゲスト回を聴きながら出社。神保町から秋葉原まで歩いてみた。AKB48カフェはなくなっていた。メイドリーミンは普通にあって、街には音楽が流れていなかった。
ジュンク堂で穂村弘『もしもし、運命の人ですか』を見つけたとき、「EMCのサンプリング元ネタだ!」と興奮してしまう。「100%未来」のネタは見落としていないはずだけど、と考えなおしたら「東京で考え中」の方だった。
東京都含む9都府県が緊急事態宣言を6月20日まで延長決定。
土曜日 コンプソンズ@テアトロ、ゆうめい『姿』
霜降りANNを聴きながら渋谷へ向かう。
少ないファンの中のキモい連中の割合が多くて危機感を感じているせいやのトーク。空気階段の場合だと、かたまりがビジュ爆発している事象をもぐらがイジる構図をよく見るけど、「突っ張っていかなあかんなあ。粗品に任せすぎた」というのが霜降りらしくて面白い。「2020・5・28に宣言します」というノリがナイナイ岡村っぽいテイストで、童顔おじさんの先輩が垣間見えた。
昼はテアトロコントで、ガクヅケ、男性ブランコ、コンプソンズを見た。
このライブでコントを見ると、普段気にならないような部分まで自然に注意が向く感覚になる。例えばガクヅケの「NO」は全編スローモーションの動きで寿司を食べようとしたり奪ったりするコントなのだけど、スローで走るうちに左右の手足が揃ってしまうところとかが気になるのだ。
姥捨てをテーマにした「婆」が記憶に残るネタだった。上手からおぶられて下手で捨てられる母が、息子の後をついて自足で上手へ戻ってしまう、再びおぶられて捨てられては追いかけて、これを何度か繰り返しながら二人が上手と下手を行き来する。二人の順番が入れ替わったり、母が子をおぶったりと変化で遊ぶネタの最後が、ガチのシャトルランというのが、そこまで気持ちよくなくて、散々悩んだネタということだけが伝わってきた。
男性ブランコは特に印象に残らなかった。強いて言うなら、コンビニの袋代をケチった男が両手いっぱいにお菓子を抱えてバラバラ溢すネタ。残金3円なら袋買えませんでした?袋あげますよ。いやそれは5円の袋、と言うオチは綺麗なのだけど、冒頭とオチまでの間が平凡すぎる。
ただこの日はもう、コンプソンズ見たさで身体がチューニングされていたのだと思う。
実際、めちゃくちゃ面白くてたくさん笑ったのだけど、不快感を優しく撫ぜる感じもあったから、暗転後に客席からは拍手もなかった。
ズームギャルズの研究生になりたい女/シンジ、東京オリンピックを開催するのだ/cocoaを作った天才ハッカー/俺はコロナだ。人類が全員コロナにかかる、これが人類補完計画/金八「初めてのルーブルは」/大いなる意志(バッハ会長) /黒い月と月二つの月でルナルナ/なんだかポカポカする、それは共感性羞恥よ/なんだソーナンスか/知らん人の知らん曲、ミソノのバンドか!/麦くん!カットイン、パズドラ/DHCサプリ
そのまま池袋の芸劇で、ゆうめい『姿』再演を観た。
初演のときの評判は聞いていたけど、とんでもない作品だった。つかみどころのない市井の人々を思想の塊で分けて分断という言葉で触ることが増えた最近だけど、それぞれの個性をすっかり知ってしまった家族の間に起きる決別や奮起を描くような物語は、フィクションとノンフィクションの境目が限りなく薄く、それは終演アナウンスにも表れていた。
気持ちを取り返してアクションを起こすそのきっかけはいつ何時でも起こりうるのかと思いながら見る不格好な「ハッピーサマーウェディング」にはやっぱり泣けた。何より回転扉のような舞台装置が素晴らしかった。
笑ってもらうことで昇華する、というのは市井の自分にもできることだけど、自分を下げるプロセスは踏む。そういうことじゃなくて、もっと本気で作って、昇華もするってことも往々にあるんじゃないかと、モー娘。の場面で涙が出た。植本一子『かなわない』を読んだ直後だったこともあって身に染みた。
昼公演を見ていた先輩が池袋にいたので少し飲んで解散。するするビールが胃に消えていくのがじぶんでも怖かった。終始喉が渇いている人のペースだった。AnnaのDVDをみんなで見る回をやりたいね、と話して解散した。
さらばの企画冴えわたり疾風伝。
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