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身体を意識して動かすのは難しい

 寝る前にヨガマットを広げて、硬くなった体を曲げる。気持ちいい。
 運動は苦手な方だけけど、柔軟性があるということがその劣等感のようなものを和らげていたけど、それは昔のこと。つっぱる身体の裏側と関節付近の筋たちの泣き顔が手に取るようにわかる。

 なるべく、今見ている動画のインストラクターが言うカウントで呼吸をしようとしても、膨らむお腹の皮すら抵抗してくるから上手くいかない。さらには筋が吊りそうな感覚の手前でなんとか姿勢をキープしようとすると、身体が力み、動画から聞こえる「ゆっくり吸って、吐きながら力を抜いて」ということに逆らっている気がして、「本当にこれでいいのか?」という気になってしまう。だからといってどうこう出来る訳ではないのだけれど。

 床に手を開いてつく。そうすると、手の、ひらの方の皮がつっぱる。特に親指の辺りが。
 それから次に、拳を作ってみる。今度は外側の骨周りが張る。ギュッと握りを強めるようにすると、ストレッチが効いている。こんなに拳って作り難かったんだと、改めて自分の右手を見下ろした。
 昔から、ジャンケンは公平な勝負ではないと思っていた。理由は、自分の好きな手はあるし、相手の好きな手も付き合い次第でわかってくることもある。

 もっとパーとグーを使っておくべきだったなと、少し後悔した。チョキをする手に、何の突っ張りも感じなかった。
 ピースはいつでも出しやすい。

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