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準備は、すでに始まりの合図。
今日で9歳になる少女は、大人たちが不思議でならなかった。
「サンタクロースはいない」。
プレゼントの値段が高くなったから、代わりに一緒に買い物に行こうと母親が提案してきた。今年でサンタクロースは「おしまい」なんだって。
じゃあクリスマスが来るまでのこのワクワクと、家族でするクリスマスパーティーの幸せな気持ちはなんなのだろうか。朝起きてプレゼントを開けて喜ぶ、それを家族が見てまた笑い合う。あの楽しい時間はサンタクロースが持ってくるものだとばかり思ってたのに。
サンタクロースじゃなかったら、あれはどこから来るんだろう。
お母さんは知っているのかな?
お父さんは教えてくれるの?
おじいちゃんとおばあちゃんは、今日から楽しくなくなるの?
彼女の頭の中は、サンタクロース以上に説明が必要なことが増えただけだった。
しばらくして、パッと目を大きくした彼女は気が付いた。
「信じてるのが、みんなバレるのが恥ずかしいんだ」
その日から、少女はサンタクロースを疑うのを辞めることにした。
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